馬の尻の毛で吊るされた頭上の剣

記事
コラム
私:1994年の映画『The War(邦題:8月のメモワール)』を簡単に紹介してくれる?

ChatGPT:1994年の映画『The War』(邦題:『8月のメモワール』)は、ベトナム戦争の帰還兵であるスティーブン・シモンズを中心に描いたドラマ映画です。ケビン・コスナーがスティーブンを演じ、彼の家族との絆や戦争のトラウマについて掘り下げています。この映画は、南部の田舎町を舞台に、スティーブンの子供たちが夏休みを過ごす様子も描いており、彼らが近所の子供たちとの間で繰り広げる小さな戦争や冒険を通じて、人生の教訓を学ぶ姿が描かれています。

ジョン・アヴネットが監督し、イライジャ・ウッドやレクシー・ランドルも主要キャストとして出演しています。『The War』は、家族の絆、人間性、そして戦争の影響など深いテーマを扱いながらも、子供たちの冒険を通じて明るく希望に満ちたメッセージを伝える作品となっています。

私:ありがとう。続けて当時のアメリカ南部の雰囲気について教えてくれる?

ChatGPT:当時のアメリカ南部の雰囲気は、その地域の歴史的背景や文化的特徴に深く根ざしています。1960年代末から1970年代にかけて、南部は重要な社会的・文化的変化を経験しました。

**公民権運動の影響**: 1960年代にピークを迎えた公民権運動は、南部社会に深い影響を与えました。人種差別の撤廃や平等権の獲得に向けた活動は、地域の法律や社会規範に大きな変化をもたらし、長い間続いた人種分離の構造を変革しました。
**文化と音楽**: 南部はブルース、カントリー、ロックンロールなど、アメリカの音楽において重要な役割を果たしてきました。この時期、南部の音楽は全国的にも人気を集め、地域文化の象徴となっていました。
**伝統と変化の間で**: 南部は伝統的な価値観や生活様式を大切にする地域ですが、1960年代から1970年代にかけては都市化や工業化が進み、伝統と現代化の間でのバランスを求める動きも見られました。
**農業から工業への移行**: この時代、南部経済は従来の農業中心からより工業化された経済構造へと移行していました。これは地域社会や雇用の様相にも変化をもたらしました。
**社会的・経済的格差**: 人種や経済的な格差は依然として大きな課題でした。公民権運動は多くの変化をもたらしましたが、完全な平等はまだ実現されていませんでした。
全体として、当時のアメリカ南部は変化と伝統が交錯する地域であり、文化的な多様性と社会的な転換期にあったことが特徴的です。

----------------------------
 我々にはネイティブの地域感覚が得られにくいが、アメリカでは南北により文化性や価値観が異なる大まかな印象がある。良く捉えるのなら、南部は豊かな大地と穏やかな伝統と鮮やかな芸術が広がる古き良き模範的なアメリカ人が住む地域。悪く捉えるのなら、奴隷制時代に根ざす差別意識や排他的性質、そして盲信的な視野の狭さ。現代において南部地域に住まう人々はそのような紋切り型の南部的印象は存在しないと語るので、もはやこれはおとぎ話のようなものなのだろう。ただし、そのおとぎ話には出発点がある。本作品で描かれた時代には、まだそのような南部の色濃い善悪の気配が残っていたと思われる。
 GPTは物語の主軸が俳優ケヴィン・コスナーが演じる父親スティーブンであると教えてくれたが、実際には後に魔法使いガンダルフらと共に指輪を捨てに向かう旅をしそうな長男のスチュー(彼を演じる俳優イライジャ・ウッドは後に傑作『ロード・オブ・ザ・リング』の主人公フロドを担当する)と彼の姉リディアが中心点にいる。この姉と弟が、地元のちょっとしたトラブルや父親との別れを通じて、生命の尊厳や愛情の絆、戦争の悲惨さを学んでいく。演出や映像にあまり大胆さがなく、教訓となる話題も凡庸な部分があって退屈さを覚える箇所もあるが、全体としては良質で丁寧な作品であると言える。
 特に主人公達が隣人の悪ガキ連中と"小さな戦争"を繰り広げる場面でリディアが語る言葉には(やはりそれは目新しいものではないにせよ)、戦争がもたらす虚しさを分かりやすく伝えている。

"We thought if we hit 'em hard the first time, they would surrender and the fighting would end. But it didn't. It just got worse and worse. And I guess somewhere along the way, we all sort of lost our minds."
「最初に強烈に彼らを叩き潰せば、彼らは降伏し、すぐに戦いが終わると思っていた。でも、そうはならなかった。事態はどんどん悪化していった。そして、どこかの時点で、私たちはみんな正気を失ってしまったんだと思う。」

 私の三元論に基づけば、戦争(対立・衝突・分断)が人間の中で生じる要素は「物理的要素(領土・資源等)」「精神的要素(宗教・心情等)」「関係的要素(民族独立性・経済等)」に区分される。それをお馴染みの類型によって整理すると、以下の通りとなる。

弱い物理的要素・弱い精神的要素・弱い関係的要素
弱い物理的要素・強い精神的要素・弱い関係的要素
弱い物理的要素・弱い精神的要素・強い関係的要素
弱い物理的要素・強い精神的要素・強い関係的要素
強い物理的要素・弱い精神的要素・弱い関係的要素
強い物理的要素・強い精神的要素・弱い関係的要素
強い物理的要素・弱い精神的要素・強い関係的要素
強い物理的要素・強い精神的要素・強い関係的要素

 このそれぞれの要素が単独で「強い」場合においては、戦争における事態は悪化しにくい。戦争が長期化し、戦地にいる兵士たちが「なぜ俺たちは戦っているのか」「俺たちは何のために人を殺しているのか」「このまま戦って俺たちに何か得るものがあるのか」と絶望し始めて正気を失うのは、それらの強い要素が複数絡み合う状況である。政治家達はこの入り組んでがんじがらめになった紐の結び目をひとつずつ懸命に解いていかなければならない。それらの要素を同時に全て解決することは不可能である。
 もっとも、国家運営者はこのような対立・衝突・分断の状況に陥る前に行動をせねばならず、それらが起きてしまった時点で非常に大きな責任を有するものと考えるべきだろう。彼らは両国関係の健全性を保つ努力を惜しんではならない。物理的要素、精神的要素、関係的要素のいずれかに不具合があると感じるのなら、予防的にそれらの問題について対話を重ね、協定や合意を取り付けておかねばならない。それが国家運営者の最大の責務のうちのひとつである。君たちはパリでエッフェル塔の物真似をして遊んでいる暇も、女性ダンサーの胸にチップを突っ込んで遊んでいる暇も無いのだよ。
 紀元前4世紀頃、古代ギリシア植民都市シュラクサイでは僭主ディオニュシオスの治世のもとで大いに栄華を極めていた。彼に謁見したダモクレスは媚びを売りながら「あなたは偉大な権力と権威を持ち、比類のない偉大な人物であって、このような威厳ある生活に囲まれているのは本当に幸運です」とお世辞を言った。ディオニュシオスはその言葉を聞くと、「それなら1日、私の生活を体験してみるか?」と語った。軽率なダモクレスは面白い余興だと思って大いに喜び、僭主の申し出を受諾して、用意された宴会へに臨んだ。凝りに凝った刺繍の敷物、香りのよい香水、そして美しい従者たちの奉仕に囲まれ、王の玉座に座るダモクレス。その瞬間は最高の心持ちであったが、その頭上に馬の尻の毛一本だけで吊るされた剣がある事にすぐ気が付いた。玉座から転げるように逃げ出したダモクレスに向けて、僭主ディオニュシオスは「それが私の生活だ」と語った。
 西洋では「ダモクレスの剣」としてよく引用される故事だ。平和に見える世界においても常に危険がある。国家運営者は絶え間なく外憂を意識し、内患を鎮めなければならない。その最低限の危機感すら持てず、民の幸福に身を捧げ事もなく、欲望にまみれて毎日を怠惰に過ごすというのなら、君たちは玉座から今すぐに降りるべきだ。

※画像:DALL-E
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す