ゴミ箱の役割はプロのもの

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私の知人でもある、日本メンタルアップ支援機構 代表理事の大野萌子さんが、ネットニュースに記事を出していて、これがyahooニュースにも掲載されています。
『「人へのアドバイス」はなぜしてはいけないのか~「聞き疲れ」を感じている人に伝えたいこと』で、検索をしてみてください。

私が今回伝えたいことは、このニュースでのコメントです。
こんな感じです。
「ネガティブ感情をガンガンぶつけられてゴミ箱にされたら、そりゃ嫌いにもなるよね。」
「私もいつも一方的に愚痴を言う友達に悩んでいます。会ったあとはどっと疲れます。(中略)相手は私の事を愚痴を吐いてスッキリするゴミ箱ぐらいにしか思ってないんだろうなと最近気がつきました。」
「相手の話を否定せず、余計なアドバイスもせず、ただただ寄り添って聞く。理想なんでしょうが、そう心がけていたら”話を一方的に聞いて貰いたがる人“にストレス発散の為の愚痴のゴミ箱にされるようになりました。」
「対等な友達関係のはずなのに、一方的に繰り返し悩み相談を聞かされて、さらにこちらが対応にも気を付けなければいけないというのは理不尽な気がします。」
人間ですから、嫌なことがあれば、愚痴のひとつぐらい、言いたくなることもあるでしょう。しかし、友人知人に愚痴を言えば、相手に相当の負担がかかります。だからこそ、「ゴミ箱にされる」と感じるのでしょう。
カウンセラーは相談のプロでもありますが、愚痴聞きのプロでもあります。
友人知人に愚痴を言い続けて離れられてしまうことを考えれば、1時間愚痴をぶつけて15,000円払った方がコストとしてはいいですよ。
友人関係はプライスレスです。
普通の人はネガティブな愚痴を聞かされたら相当疲れます。その上、聞きながら自分自身の感情が動いているので、疲れ方が大きいのです。
カウンセリングの基本的態度として、「受容」、「共感」、「自己一致」があります。
勉強したことがある方はご存知だと思いますが、受容とは、相手の言うことを否定せずありのまま聴くこと、共感とは、相手の気持ちに寄り添うこと、自己一致とは相手の感情と自分が一致していること。ざっくりと説明するとこんな感じです。
実は、プロのカウンセラーでも、受容、共感はできても自己一致ができない人は多いものです。よって、現場でも相談者の話が長いことが耐えられない、という声があります。
モヤモヤとした気持ち悪さがある以上、人は話すことが止まらなくなります。とにかく相談者が言いたいことを全部言ってもらった方が実は先に進むのですが、長い、とか何度も言う、ということに耐えられるカウンセラーは私が現場にいる感覚としては、そんなに多くはありません。
訓練を積み重ねていくことで、自己一致も実践できるようになると、相談時間の1時間が全部愚痴であっても普通に聴くことができるようになります。ただ、この訓練の時間は人にもよりますが、長いことでしょう。
ということで、友人関係を大切にしたい人は、愚痴の矛先をプロのカウンセラーに向けてみましょう。友人のゴミ箱は10リットルでも、私のゴミ箱は90リットルですよ。


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