君の部屋から見える景色

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コラム
あれから数十年。
ずっと避け続けてきた君の場所。

なんの因果なんだろうね…
思い出すのもつらくて逃げ回ってたのに
今はその君の部屋が私の居場所。

君が去り
姉が飛び立ち
いたたまれなくなった私も逃げた

君の居た部屋はそのままなのに
だれひとり君のことに触れない…

きっと、最期の瞬間
同じ空間に居た私を気遣ってのことなんだろうけど
逆にそれが責められてるようで辛かった

親子で泣き明かした記憶もなく
姉は私とは別の方法でつらさをしのいだ

結果、気持ちの行き場を失った

やがて
父が去り
母も記憶が薄れて家を離れることになった

そして今…
君の部屋が私の居場所。

かなり遠回りしてきたけど
その間ずっと「命」と向き合ってきた

君を失ってしまったから
君を守りぬけなかったから
せめて君の大切な人を守ろうとおもう

君の大好きな母さんね
最近は娘と孫の区別もつかなくなってきたみたい

そのうち血のつながりも忘れちゃうんだろうけど
ずっと支え続けるから安心してね

私は君の部屋から
そして君は母さんのすぐそばで
一緒に母さんを見守ろうね

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