付下げ

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美容・ファッション
訪問着を簡略化させた着物で、現在訪問着と統一させてしまう傾向があるようですが、リサイクル市場では、はっきり種類のわかる付下げも少なくありません。本稿では、付下げと特徴がわかる付下げについて記述します。付下げと訪問着は非常によく似ていますが、着用目的は違うことを覚えておいてください。
1、定義と訪問着とのちがい
付下げは戦時中に生まれた着物で、華美な訪問着の生産が禁じられた時代用品として発明された、比較的歴史の浅い着物です。戦後、独立した着物として残り、着用シーンも決まっていました。しかし、現在は、訪問着と一緒にしてしまうという動くが盛んであり、どう違うのかわからないという人も増えています。リサイクル市場では、特徴のわかる付下げを販売していることも多く、新品市場とリサイクル市場では、認識が違うことが問題視されています。
訪問着とのちがいですが、次のようなものがあります。
・霞やぼかしなど付属の柄がない。
・訪問着と同じ位置に柄があるが、全体的に小さく地味。
・衽と前身頃にかけて柄がつながっておらず、きれている。これを合口が無いという。
特に、合口が無いことが、付下げと訪問着を見分ける鍵になります。
かいつまんでいえば、訪問着は白い着物を先に縫い、そこに柄を入れて染めますが、付下げは反物の状態で柄を入れてから仕立てるので、合口が生じないわけです。
2、付下げはどこで着るか
基本的に礼装として着用することはまずできないことが多く、気軽な着物であるが、訪問着と同じような柄付けがしたいときに着る、と考えるとまず間違いはありません。訪問着ほど改まらず、小紋ほど砕けないという着物です。つまり、普段用ではないが、さほど格式張らなくても良いなと言うときに使うのです。
使用できるシーンとして、次のようなものがあります。
・コンサートの比較的小規模なもの
小規模なホールで行われるクラシックコンサートでは、付下げでも良いこともあります。
・気軽なレストランで食事
個人経営の食堂などで食事をするときに、付下げは便利です。
・会議や勉強会の小規模なもの
訪問着よりも気軽なもので、サークルの勉強会とか、会議で人数が少ないときなどに着ます。
・小規模な展示会
地元のギャラリーなどで行われる展示会に着たこともありますが、出品者と顔を合わせるときは訪問着のほうが適していると思います。
3、合わせる帯
気軽な着物なので、名古屋帯でも大丈夫です。着物の柄が少なくなるので帯はなるべく、華やかなものを使ったほうが良いでしょう。その他、洒落袋帯や、昼夜帯などを使うのも適しています。礼装用の袋帯はあまり合わないなという印象です。
4、具体例
それでは、具体例をあげましょう。付下げと訪問着のちがいを写真で実感してみてください。
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グラジオラスの花を入れた付下げに、オレンジの袋帯を合わせました。訪問着と違って衽と、前身頃で柄がつながっていないので、見分けの着きやすい付下げだと思います。

DSC_0136.JPG
こちらは一見すると訪問着に見えますが、やはり衽と前身頃で柄がつながっていないので、付下げとしました。
リサイクル市場では、こういうはっきりわかる付下げも売られています。

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