訪問着

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美容・ファッション
訪問着は、肩、袖、下半身に集中して柄が入っている着物のことで、その名の通り、目上の人や、他家を訪れる際に着用する着物です。未婚、既婚関係なく着られ、改まったところに着用できるので、持っていて大損をすることは少ない着物ではありますが、柄が特定の位置しか入っていないことで、最近はあまり人気のある着物では無いようです。
1、定義
肩、袖、下半身に集中して柄があり、特に下半身の柄は大きく、衽から前身頃、後ろ身頃にかけて繋がっているのが大きな特徴です。最近は、前身頃と衽にかけて柄がつながっていることで、訪問着と定義されることが多いです。これを、専門用語で合口があると言います。
2、素材
紋意匠や、ちりめん、綸子など様々な素材が使われます。地紋のある訪問着もあれば、無いものもありますが、あったほうが格上になります。
柄は、友禅などの、高尚な染め物が用いられていることが多く、それだけ格のあるきものだと言うことがおわかりになると思います。
3、どこで着るか
訪問着は様々なところに着用できますので、持っていて損をすることはありません。ですが、訪問着を着る機会がないと悩む人は多く居るようです。最近では、華やかな小振袖や、江戸小紋など同格の着物で代用してしまう人も多く見られますが、訪問着を着用できる場所は、次のようなものです。
・略式の礼装として結婚式
例えば、身内以外の人の結婚式や、人前式結婚式などに略式の礼装として着られます。この場合は、きらびやかな帯を合わせるのが必要です。
・クラシック音楽のコンサート
最近よく行われている、アマチュアのオーケストラや、合唱団などのコンサートに着用する着物として、訪問着は活躍してくれます。格の高いバンドでは礼装のほうがいい場合もあります。
・展示会の大規模なもの
美術館で行われる大規模な展示会などでも、使用価値が高いです。出品者に敬意を表すこともできます。
・勉学
サークルで行う勉強会で、講師の先生を招いて、講習会をするという場合、訪問着は学生服感覚で着用できます。
・ホテルのレストランなどで食事会
食事会と言っても色々ですが、ホテルのレストランなど格の高いレストランである場合は、訪問着を着用することができます。
・大人数が集まる会議
会議など人の集まるところで、ちょっとかしこまって行きたいというときにも訪問着は使用できます。
このように、訪問着の着用場所は多いです。訪問着の識別は江戸小紋などに比べると難しくありませんので、初心者さんでも気軽に着られるなという印象です。
4、合わせる帯
結婚式やコンサートなどの華やかにしたい場所であれば、袋帯のキラキラしたものがベストです。丸帯もいいですが、入手が難しいと言われます。二重太鼓が有名な結び方ですが、文庫や立て矢なども引き立ちます。
会議や食事会など、控えめに装いたい場合は、いわゆる洒落袋帯と言われる、光る部分の無い袋帯でも良いでしょう。気軽な場所であれば、名古屋帯でも大丈夫ですが、あまりカジュアル過ぎない帯にとどめておくのが良いと思います。
5、具体例
訪問着というと、敬遠されがちな着物ではありますが、意外に着用範囲は広く、便利な着物でもあります。最も、いつも同じ位置にしか柄がないというのは、どうしても避けて通れないことでもありますが、それだからこそ美しいと思われる事もあると思います。
訪問着の具体例をいくつかご紹介しますね。
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桐紋を中心に大きく入れた訪問着に、紗綾形文様の袋帯を合わせました。きちんとして、しっかりした印象を与えられるのも、訪問着の良さだと思います。
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赤の光沢ある綸子生地に、絞りなどを使って、梅などを入れた訪問着に、ちょっときらびやかな丸帯を合わせました。丸帯は、入手が難しいのですが、持っていると、このように華やかにすることができますよ。

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