経営学検定(初級)に合格しました

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タイトルにもある通り、この度経営学検定初級を受け、合格しました。
このエントリでは経営学検定と、試験対策等について書いていきたいと思います。

結果



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得点は96点でした。50個の設問で100点満点なので、2問間違った形になります。

どんな検定か

経営学検定は、経営学の知識に関する検定です。
知識水準は経営学部2~3年レベルであると言われています。
この試験では、経営思想、経営戦略、組織論、経営課題など、実務的というよりはアカデミックな視点から問われます。

「初級」と聞いて、「カンタンなのでは?」
「経営戦略の実務に関わっているから楽勝」
と思うかもしれません。

しかしこの試験、初級と言えどそこまで甘くはありません。
例えば、次の人物のうち、組織成立に必要な要素として「共通目的、貢献意欲、コミュニケーション」を挙げたのは誰かわかりますか?

1フレデリック・テイラー
2チェスター・バーナード
3ジョン・メイナード・ケインズ
4ハーバート・アレクサンダー・サイモン

もちろん、実際にはもっと情報量が多いですが、この人達がそれぞれ何をした人なのかくらいは一通り分かっていなければ厳しいでしょう。
(答えは2です。)

経営系の資格試験は多くありますが、中小企業診断士などとは違って、このようにあくまでアカデミックな視点から問題が問われます。それが最大の特徴であり、この試験を受ける意味です。

MBAを取りたい人や経営学部にいる方は、取っておいて損は無いでしょう。
特にMBA志望の方は、この試験を受けるだけで研究計画や、キャリアのビジョンが相当明確になると思います。

試験対策について

 経営学検定初級では公式のテキストがあります。
 基本的に対策はこのテキストありきですね。

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 このテキストのトピックを一通り理解すれば、合格水準である6割はまず割らないでしょう。
 そしてこのテキストですが、経営学の教科書として非常に良くできています。主要なトピックについて漏れなく記載されていることはもちろんですが、記述も客観的で、経営学の教科書にありがちな筆者の主観?と取れるような記述が無いのが個人的に好印象です。また、体系的にまとまっているので論点も整理しやすいでしょう。正直、そのへんの下手な教科書より、遥かによくできています。
 ただ、各論点の説明はかなり簡潔で、イメージしにくい内容も含みます。「世界標準の経営理論」のような網羅的な本も一冊用意すればより良いと思います。
 また、マーケティングや会計など、その他の経営学の重要なトピックに関しては記述がありません。これは経営学検定中級の範囲なので、そちらの教科書を参照する必要があるでしょう。


 また、試験対策という面で見れば、過去問も時間があればやったほうがより確実です。

 私は2018年と2019年分の計4回分の過去問を買い、それぞれ3回ずつ解きました。それだけ解くと、経営学の体型がかなり整理されて見えてきます。設問形式に慣れることも重要です。ステークホルダーやコーポレートガバナンスに関することなど、重要な論点は何度も出ますので、過去問で理解を深めるといいと思います。

 しかし、基本的には教科書を読み込めば合格はできると思います。時間のない方は教科書だけで十分です。(逆に、過去問集は解説が体系的でないので、過去問だけやって合格するのは難しいかもしれません)

経営学検定は役に立つのか?

 結論から言えば、他の多くの検定と同様、あまり役には立ちません。
 マイナーな検定なので、これで就活が有利になったりすることはまず無いでしょう。実務とも関連が薄いので、昇進要件にする会社も、殆どないと思います。
 また、社長でもない限り(また、社長でさえ)、組織の成立条件などを気にすることはありませんし、それを日常に役立てることができるかと言えば、難しいでしょう。

 リーダーシップ論などは役に立ちそうですが、であればリーダーシップ論だけ解説した本など死ぬほどあるので、それを参考にしたほうが近道です。

誰が受けるべきか

MBA志望者
 まず、MBAを目指す人は取ったほうがいいです。
 MBA課程への入学試験時に課される小論文や面接で絶対に役に立ちます。
 実務経験はそれ自体強い資質ですが、経営学のアカデミックな側面を学ぶことで、小論文や面接の内容のクオリティが確実に上がります。
 また、実務とアカデミックの違いを理解しておけば、入学後の理想と現実のギャップも小さく抑えることができると思います。

経営学部生
 後は経営学部の学生も取ったほうがいいです。
 知識を再確認するとともに、この教科書はかなり体系的なので、レポートにも相当役立てることができると思います。
 参考文献も各章ごとに載っているので、興味がある部分を掘り下げて学ぶこともしやすいでしょう。
 また、大学院に進む方は院試にも多分役立ちます。記述対策などは別途必要ですが、最低限の知識を確保するのに良いと思います。

中小企業診断士試験の前哨戦として
 中小企業診断士試験では経営学の知識が深く問われます。
 経営学検定の方が若干カンタンですが、前提知識の確認に使ってはいかがでしょうか。
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