【現場目線で見た】リフォーム業者の悪行とは

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こんにちは!
おっちゃんです

今日は穏やかではないお話をしたいと思います
最近はあまり聞かなくなりましたが、一時期リフォーム詐欺という言葉が流行った時期がありました

私もその当時は何度か建築士の立場や家屋調査士の立場で紛争解決の判断をした事がありましたが、まぁ、ひどいものでしたね
今回はその時の話ではないのですが、お施主様が騙されたまま居住されていて、新たに私にリフォームを依頼してきた時の事前調査で初めてわかったという案件のお話です
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そのお施主様は当時、耐震補強工事をしないと家が傾くと言われ数百万かけて数日という短期間の工事をしたそうです
それだけでも怪しいのですが、のこぎりで切る音や色々な金具を持ち込んでビスをモミ込む音が聞こえて、見た目は床板をはずし天井裏に潜ってガサゴソ動きまくっていたので、まさか詐欺とは思っていなかったそうです

その工事から10年以上経過して、今回私に対する依頼は家が寒すぎるのでその相談と増築、バリアフリーの相談でした
その時、お施主様の奥様が

「ここ何年もふらつきや眩暈がして」

という話が出て、何か違和感がありました

私が家の中に入ってリビングに通された時に、妙な圧迫感というか歪みというかそういうものを感じたんです
木造住宅は時間が経過するとほんの少し家が歪んできます
それは構造体の木材の伸縮や湾曲によるもので、安価な材料の選定や設計段階で強度ギリギリの木材の太さを選定してしまったのが主な原因です
でもそれは多少の歪みで、例えば部屋の壁紙に亀裂が入ったりドア枠や窓枠と壁紙に隙間が出る程度で(それでも修復は必要なんですが・・・)
この家で感じている違和感とは何か違ったんです

「具合が悪いのはいつ頃からなんですか?」
「そうねぇ、前に耐震工事をしてもらってからかしら・・・」

ん?
耐震工事したんだぁ~
でもその工事をしたんだとすれば、この違和感は?・・・

でもその原因はすぐに判明しました
工事の事前調査の結果、多数の欠陥工事と構造体の柱に入った無数の切れ目!

・床の張り替え工事で根太の太さが規定より細く固定していない
  また断熱材も入っていない
  下地の合板もなくいきなりフローリング材がノリ付け
 ・土台と柱の接合部に無造作にクサビが打ってあり柱が浮いている
 ・金具が付けずらかったであろう個所の柱に何故かのこぎりの切り傷
 ・屋根裏には無駄な金具が多数
 ・固定金具のボルトが取られていて、なぜかクサビが打ってある

文章で書くと想像できない部分もあると思いますが、柱に入ったのこぎりの切れ目は、強度が30%程度しかなくなってしまう程の深さだったと言えば理解して頂けるでしょうか

無数の無駄な金具はともかく、クサビで柱を持ち上げたり切れ目を入れたりしたのは構造上壊滅的な状態です
ただ、この状態を修復してからではないとお施主様の希望する工事ができないということ
つまり詐欺にあって数百万、そして修復するのにまた数百万、それでやっと工事ができるという事実です

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今回は、お施主様に状況をお話して、その修復工事と新規の工事を施工しましたが、家の歪みは最大4㎝弱あって構造体への加圧はものすごかったと思います
工事内容については今回は省きますが、相当な規模になってしまったという事はお伝えしておきます
今回は設計士としての計算と大工としての経験が大いに役にたったと思いました
あなたはどう思われますか?
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