古い木造住宅の最大の恐怖!ご購入の前の必須確認事項

記事
コラム

こんにちは!
大工のおっちゃんです
今日は私が30数年前に手掛けた大掛かりな修復工事(結局家半分、水回り全部を壊して作り直しました)のきっかけとなった原因のお話です

今はホームインスペクション(住宅診断)が通常の売買の流れの中のワンステップに入っていますが、そんな言葉もない時代から実は私はお施主様の床下に潜って土台や管柱、通し柱、筋交いの場所確認や経年劣化の傷み具合を確認していたんです
余談ですが資格マニアのおっちゃんは、ホームインスペクションも資格取得しました

床下だと主に筋交いの付き方が見えるんですよ
構造計算するにも必要な項目で、床下状況やもし傷んだ個所があったら追加工事の必要があるかもなので、基礎の内側まわりや間仕切り基礎まわりにいたるまで丁寧に確認していたんです
今はベタ基礎工法といって床部分もコンクリートで埋めていますが、以前は布基礎工法といって地面は土そのままで立ち上がりの基礎部分だけコンクリートでした
だから湿気や害虫等、有害要素がそのまま野放しという環境でしたね
その大規模修復工事をした家も布基礎でした

その御宅を訪ねるきっかけとなったのが、道路の向かい側にあるドライブイン
の外壁張り替え工事をしてまして、そこそこの規模の工事だったものでご近所まわりのご挨拶しながら世間話をしてたんです
その時、その御宅の奥様が
「うちは季節になると羽蟻が凄く出てきてね~」って・・・
「どこらへんからでますか?」
って聞いてみたら、こことここってお風呂のところと後付けテラスのところ2か所別々な外壁を指さしたんです
その外壁には2か所とも3㎝ほどの穴が開いていて、何気なく押してみたら・・・

べこ!!!!

って
ありえないほど凹んだんです
まるで壁の向こうにあるはずの柱が無い・・・・?ほどに

一応挨拶まわりだったんですけど、私の慌てように不安になった奥様が、ご主人を呼んできて、どうしたんですか?
って聞かれたもので、
「ここにあるはずの柱が、2か所ともないんです」
と話をすると、二人とも慌てまくりで

もしよければ床下から点検してみましょうか?

これがきっかけで大規模修復工事になってしまったという訳です
シロアリ被害1.jpg
シロアリ被害2.jpg

一枚目の画像は地面から基礎を上って土台を食い散らかしている画像です
外側はなんでもないように見えますが、内部はスカスカです
2枚目の画像はもう躯体として役目をはたしていない様子です

修復工事のお宅は通し柱をやられてしまっていました
総二階作りの家でしたが、一階部分の天井まで被害が上っていました
外壁や床を剥がし、ジャッキで水平まで躯体を持ち上げて、ご夫婦には奥の和室に工事終了まで2か月避難してもらっていました

思い出話はこのぐらいにして、なんでタイル風呂が危険なのかを説明しますね

タイル風呂のタイルってモルタルっていうセメントで目地を埋めています
さて、それを前提にタイル風呂を作る工程を簡単にお話します
壁部分はブロックを積み上げたもの等で下地を作っていますが、床部分は下地を砂で作っています
何故かというと、床として違和感なく排水口に集水するという微妙な勾配を付けるためにです
ですが十分な転圧をしていないため、経年劣化で床が沈んでいきます
そこで目地が割れはじめます

その個所とは床と壁の合わせ目、浴槽と床の合わせ目です

そこから浸水した水は下地の土に浸透して、飽和状態になってきます
逃げ切れない水分は木材の土台に浸透してだんだん腐ってきます

シロアリは腐った木の年輪だけ残し、柔らかい部分を食べます

細かな習性はともかく、シロアリを引き寄せる状況を大いに作ってしまっているんです
ですので、中古住宅を購入しようとお考えの方は、水回り特にタイル風呂の目地にはご注意ください



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す