「これって認知症でしょうか・・・?」 ある相談電話

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「あの・・これって認知症でしょうか・・・?」 ある相談電話(畑編)

だんだんと暖かくなってきましたね!
これからどんどん暑くなる季節ですが、認知症の方にとっては「夏」ではないかもしれませんよ?

これからお話しすることは、実際に私が受けた相談内容についてです。

ある夏の日でした。その日はとても日差しが強くて暑い日でした。
確かお昼前くらい時間だったと思います。
一本の相談電話がかかってきました。

「あの、すみません。うちのおじいちゃんなんですが、今畑に出ているんですが、パンツ1枚で上に冬用のジャケットを羽織って仕事しているんです。あの・・これって認知症でしょうか。」

色々とお話を伺っていると、最近少し様子がおかしいかもしれないと家族は思い始めていたそうです。
今回はさすがに変な服装をしているので、もしかしたら病気なのではないかと思い、勇気を振り絞ってお電話されたとのことでした。

ご家族はきっと不安を抱え続けていらっしゃったのではないか、困り事も少しずつ増えてきていたのではないかと私は想像しました。

これは認知症の可能性があります。

認知症の症状の人に季節感がわからなくなるという特徴があります。
よくあるパターンは、服装は季節に合ったものを身につけているのですが、今の季節を尋ねると全く違った季節を答えてくることがあります。
また、今は何月かと尋ねると全く違う月を答えることがよくあります。

しかし本人にとっては、その答えや服装がその人の季節の感覚なのです。本人は間違っているとは考えていません。

頭ごなしに「違う」と否定してしまうと、本人は混乱してしまう可能性があります。人によっては怒り出してしまうこともありますので、話しかけ方がとても大切になってきます。
家族関係または他の方(ヘルパー、介護職員など)との関係が悪くなる危険がありますので注意してくださいね。。

家族としては、「服装をどうにかしたい」と見た目が気になり、このような発想をされる方もいるのではないでしょうか?

それも一理あります。しかしここで第一に考えていただきたいのは「見た目」ではありません。
この場合は本人の体のことに着目します。健康についてです。
命が優先の考え方です。

「見方」を変えるんです!

例えば、
「おじいちゃん暑くない?」と声をかけてみてください。
ここで、本人が暑いことに気づいたらタオルを渡したてみてください。

また「薄手のシャツやズボンを用意したから着替えましょう。」と誘ってみてください。
そうすることで本人にとって気持ちよく会話をすることができると思います。

もし「暑くない」と言われたら、汗をかいているか確認してみてください。
汗をかいているようでしたら、

「汗をかいているよ。」と声をかけてみてください。

ここで本人が気づくかがポイントになります。
気づいたときには上記と同じ方法で声掛けにチャレンジしてみてください。

もし気づかなかった場合でも、無理強いせずに! 一息置いてくださいね。

夏で一番気を付けたいのは「脱水」です。この事例のように下はパンツのみかもしれませんが、強い日差しを浴び続けることで日焼けをし、皮膚が炎症を起こします。さらに体の水分が奪われてしまいます。

また冬用のジャケットを着ているので、体の熱を外に出すことを妨げてしまい、熱が逃げません。その結果体に熱がこもってしまい脱水症状を起こしてしまいます。

脱水症状の主な症状としては
・体が熱くなる(熱がこもっている感じ)
・息苦しさを感じる
・めまいがする(貧血のような症状)
・吐き気が出る
・吐いてしまう
・発熱
・大量の汗
などが挙げられます。

脱水症状を少しでも未然に防ぐためにも飲み物を渡してください。
飲み物は水、麦茶、お茶、ジュースなど本人の好きな飲み物で構いません。細目に水分補給を心がけてください。
もし大量に汗をかいているようでしたら、テレビのCMでもおなじみの「OS1」や「ポカリスエット」「アクエリアス」などがいいですね。これらは人間の体内の水分(専門用語で電解質といいます)に近いもので作られています。言い換えれば「飲む点滴」でしょうか。即効性がありますから試してみてください。

ただし飲みすぎには注意してください。たくさんの砂糖が含まれているので太る原因にもなりますし、糖尿病の方には注意が必要です。まずはグラスに1杯程度で構いません。

ご参考になったでしょうか。ぜひ試してみてくださいね。

もし対応にお困りでしたら市役所の高齢者の相談窓口でも構いませんし、地域にある地域包括支援センターへ相談してみてください。無料で相談を受け付けています。

地域包括支援センターとは、各地域の高齢者専門の相談窓口になります。これらの相談窓口には守秘義務がありますので、情報が外に漏れることはありません。安心して相談してください。

また病院受診を考えている場合は、先ずはかかりつけの先生に相談してみてください。先生から認知症が疑われると言われた場合は、認知症専門の病院を受診することもできます。

まだ病院受診はさせたくないとお考えでしたら、地域包括支援センターへその旨をお話してみてください。アドバイスをもらうことができると思います。

困った時には相談してください。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

またぜひ読みに来てください。

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