前回の続きです
問い合わせ先に電話をして、予約を取りました。
電話口のお姉さんが被相続人(祖父)がもう亡くなっているのなら相談は早い方が良い、という事で、市報に書かれていた日程とは別の、二日後にある相談会を案内してくれました。
ここまでものすごいトントン拍子です。
これは、意外と良い解決に向かうんじゃないか・・・!?
私はそう思いました。
そして、二日後、指定された会場に向かいました。
確か、前の人が相談時間をオーバーして、予約時間より15分程待たされた覚えがあります。
ベンチに座り、その辺にあったフリーペーパーを眺めて待っていたら、私より大人っぽいけれど、スーツ姿のほぼ同世代の女性に声をかけられました。
「〇〇真珠さんですか?」
「あ、はい」
「遅くなり申し訳ありませんでした。〇〇士の●●です」
これが師匠との出会いになります。
勝手におじいちゃん先生を想像していた私は面食らいましたが、とても落ち着いていて、信頼できそうな人だと思いました。
今考えるととんでもないのですが、私はノートとボールペンこそ持っていったものの、資料といえる資料は何一つ持っていかなかったのです。
わたしはとりあえず起きた事、勝手に財産を残すと言われてしまったこと、そのせいで母が発狂してしまったこと、自分ではどうしたら良いかわからないことなどを説明しました。
師匠は始終真面目な顔をして、いろいろ紙にメモをしていました。
私が一通り話終えると、師匠は私をなぐさめるように「大変でしたね」とやさしく言ってくれました。
私はその言葉にほっとし、きっとこの人が何とかしてくれる、と思ったのですが
「お話を聞くと、交渉等が必要なようですね。そうすると、弁護士さんの管轄になりますので、私ではお力になるのは難しいかと」
え・・・。
だめなの?こんなに説明したのに?
また振り出し?
私は失意に陥りました。
「とりあえず、弁護士さんに相談する事をおすすめします」
私は黙って師匠を見つめました。師匠は少し悲しそうな顔をして、私にメモを書いてくれました。
「弁護士さんに相談するにしても、最初に説明資料をそろえた方が何度も相談しに行かなくて良いです。これと、これ、とりあえずそろえて下さい」
そう言って、必要な文書名とそれがどこで取れるかをサラサラと書いてくれました。
そして「本来の法定相続人はお母さまと、お母さまのお兄様ですね」と言ったのです。
ん?
「いえ、母は一人っ子です」
母は祖父と祖母の間の一粒種。兄弟はいません。
師匠はその瞬間「マズイ」という表情をしました。
私はその表情を「間違えたて気まずいからそんな顔するのかな」と思いました。
「・・・すみませんが、念のため確認して頂けませんか?公正証書遺言なら管理している弁護士さんがきちんと把握していると思います。それか、おじい様の出生地の原戸籍を~~」
師匠は顔を下に向けたまま、続けました。
「間違えたのに認めないんだ。やっぱり先生って人はプライド高いなー」
生意気にもそんな事を思いながら、先生の言葉にうなずき、紙を受け取りました。
その後、先生の知り合いに相続に強い弁護士がいないことを聞き、さらに何かあったときのために、と師匠の名刺を頂きました。
皆さまはお気づきかと思います。
私は最初の弁護士さんに頼るのがなんとなーく気まずくて、兄に聞きながら(兄はお役所勤めです)祖父の戸籍を集めました。
すると、やはりいたのです。
母の兄にあたる人が・・・!
次回に続く
ではでは、またまた