テオドールの箱

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コラム
わたしは竜が好きだ(いきなり何)。
この上なく愛しているので、お財布がじり貧の時でさえ、高額なドラゴンのフィギュアを買って自滅しかけたこともある。あれは、本当に勢いだった。しかし、悔いはない。愛とは、そういうものだと思っている。
引っ越し時も、このフィギュアだけは守ってみせる!とか息巻いて手ずから運んだ際、不運に見舞われて落下→一部が破損した時には、息の根が止まるかと思った。会心の一撃をみぞおちに食らったような、そんな衝撃だった。ボンド対応しかできなかったわたしを許してほしい(誰へのメッセージだ)。

そんなドラゴン愛を形にしたのが、〈テオドールの箱〉だ。
竜が好きすぎて、小説を書く為のネタ帳(アイデアノート)もぎっしりになった。膨らむばかりの想いに、前編・後編と初めての二編にもなった。しかし、悔いはない。時間も手間もかかったが、とにかく楽しかった。この思いを早く読者に届けたい。そして、竜好きをごっそり増やしたい ←おい

物語の舞台は、フランスのリヨンを選んだ。星の王子様で知られる〈アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ〉の出生地としても知られているが、町並みがとにかく素晴らしい。
主人公は3人いて、メインは8歳の男の子だ。幼い子供の目線で文章を書くのにてこずったが、執筆中は小さな彼とグーグルマップの旅 inリヨンを堪能しつくしたので、現地に行けば軽く観光案内できるレベルにまで昇格したと思う。

前編は〈夏〉、後編を〈冬〉と季節を分けて書いたこの物語は、〝自分の居場所”をコンセプトに書いた。リヨンの旧市街地に張り巡らされたトラブール(抜け道)から、秘密の通路を経て辿り着いた竜のアパートで暮らす奇抜な住民たちとの交流を描いたので、増える一方の登場人物を覚えてもらう工夫も凝らし、隙あらばドラゴン愛と知識をねじ込んで書き上げた。
言うまでもないが、一片の悔いもない。

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