心理学を専門とする人は相手の心を読み取れるのか⁉

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こんにちは!
心理学研究員の原です。

今回は,「心理学を専門とする人は相手の心を読み取れるのか」をテーマに話していきたいと思います。

「心」を「理」解する「学」問である「心理学」は人の気持ちや考えていることを読み取ることができると思われがちです。名前は忘れてしまったのですが,メンタリストの人がなんだかよくテレビに出ていましたよね。

実際に心理学を定義してみましょう。そうすることでこの学問がどのような特徴を有するのかがわかります。
心理学とは「行動と心的過程についての科学的な学問」であると『第16版のヒルガードの心理学』に載っています。つまり,なぜそのような行動をとるのかという点から心理状態を検討しますし,一連の出来ことに対する心理状態のプロセスを示すことが心理学の基本的な観点なのです。また,科学的な学問であるというように統計を用いて客観的に研究結果を示す必要があります。
こう考えると相手の気持ちや考えを読み取れることが心理学ではないことがわかります。相手の気持ちや考えを読み取るのはトリックです。心理学と混同しないようにしましょう。

いずれ詳細に書こうと思いますが,科学的な学問であっても心理学,特に生涯発達心理学や教育心理学では統計を用いず面接法を用いて心理過程を明らかにしたりします。この研究方法を質的研究と言いますが,面接調査から得られたデータをもとに修正版グラウンデット・セオリー・アプローチ(M-GTA)などで分析をして心理プロセスを明示していくので本質的な心理状態を明らかにすることが可能です。時間や分析にかなり時間がかかるので卒論ではやらない方がいいですし,修論ならM1のときから研究を開始しないとです。大体,15名データを取ることが一つの目安です。1人につき1時間程度の半構造化インタビューをして文字起こし(プロトコル化)をして分析に入るので結構時間がかかります。この分析方法は因子分析や相関分析,重回帰分析などの量的研究とは大きく異なり,解釈にとても悩むことが多いですが,本質を突くことができるので私は質的研究をやる人は本当にすごいと思います。

さてさて,少し脱線してしまいましたが,心理学=心が読み取れる学問ではないことを理解しておきましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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