量的研究?質的研究?

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こんにちは!
心理学研究員の原です。

今回は量的研究と質的研究について書いていきたいと思います。
量的研究とは質問紙法を用いて数量的にデータを処理し,その分析結果から心理的特徴を明らかにする研究方法です。他方,質的研究は面接法などを用いて心理的なプロセスを明らかにします。

私が修了した大学院博士課程の博士論文では量的研究と質的研究の両方をすることがマストでした。なので,量的研究では保育園に質問紙を配布したり,助成金を使ってウェブ調査をしてその回答結果から基本統計や因子分析,共分散構造分析(多母集団同時分析,確認的因子分析)をやったりしていました。

質的研究は私の苦手とする研究法です。本質的な心理状態を捉えることができ,KJ法や修正版グラウンデット・セオリー・アプローチ(M-GTA),TEAなどで分析をしていきます。私は質的研究はKJ法を使いました。最初はM-GTAを使おうと思っていたのですが,研究の目的からKJ法の方が適していると思ったからです。

量的研究・質的研究それぞれにおいてメリット・デメリットは存在します。私がよく思うのは,尺度を使って変数の関連性を明らかにしたいのであれば量的研究をすればいいですし,データに寄り添って丁寧に一つ一つ解釈を入れていくことの方を好むのであれば質的研究にした方がいいと思います。
私は量的研究しか学会誌と紀要に載せたことがないのですが,質的研究は本質を捉えられると考えているので質的研究をやってみることをオススメしますが,やはり質的研究は修士課程からになると思います。プロトコル化や分析に時間がかかりますし,内容的妥当性の検討も必要になります。けど,研究の奥深さを味わえますよ。

リスクをあまり背負わず,できるだけ負担なく修士論文を書きたいと思っている人には量的研究をオススメしています。質問紙法の調査方法は質問紙の配布と収集,データ入力が大変ですがそれが終わればあとは比較的簡単な分析が多いです。10名から20名くらいに半構造化インタビューをしてその語りの内容を分析するようなデータに寄り添って研究をしてみたいという人は質的研究向きですね。

量・質どちらの研究がいいというわけではなく,興味・関心,研究テーマによって研究方法を決めるといいと思います。何かお力になれることがあればご連絡ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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