少し前に弟子(女性)から連絡。
『師匠、死神と対話できますか?』
『は?いや、見た事も会った事もないが』
『親戚のおばさんが死神に取りつかれて取って欲しいって…何なら死神と闘って追い払って欲しいって』
『絶対ヤダ。そんな話持ってくんな』
『実はおばさんの周りの家族がかなり疲弊していて…師匠の事話したらおばさん自身がその占い師連れて来いって暴れだして…』
『おまぇ、マジか…』
『実は家族が是非と言って話が進んで表にお迎えの車が…』
『お前、天然だとは思ったがそこまでだと迷惑だぞ、自覚しろ』
『スミマセン。』
『家族からは何も受け取らんからな、お前天下味(高知の焼き肉屋)おごれよ、それで許してやる。』
『はい…』
『準備するから15分くれ』
早速別室で霊視。
ふむ…。そういう事か。
お迎えの車に乗り弟子に確認する。
『お前おばさんに占い師って知られてるのか?連絡は取ってるのか?』
『はい、知っています。LINEも交換してて話してます。』
『LINEの量毎日凄いだろ、あと今後タイムリミットで死ぬとか地球が終わるとか言ってないか?』
『えええ?もう見たんですか?LINE凄くて返事しないと激怒して電話かかってきます。先月がタイムリミットで死神に自分が殺されるって、でも死ななくて今後は来月ハルマゲドンが来る、地球が終わるって叫びだして』
話を聞いていた家族が言った。
『先生、もう死神と対話したんですか?大丈夫でしたか?先生は憑かれたりしないんですか?』
『一応対策練ってるんで、やれるだけやってみますよ』
おばさんの家に着いたらある部屋から叫び声が聞こえる。
ここか…ちょっと失礼しますよ。
おばさんは一瞬びくっと驚いて鬼の形相で迫ってきた。
『おまえがあ!わしを追い出す占い師か!!』
『・・・。』
演技、年期入ってんな…。
氷点下に冷めた目でおばさんを見る。
『なんとか言えぇ!!!』
おばさんは相変わらず怒鳴っている。
『・・・。』
冷めた目線。
おばさんがこっちの目に一瞬ビビった。
『全部見えてるぞ、バラしていいのか?』
低い声でおばさんに言う。
『あ・・・いや・・・そうか・・・』
『・・・。』
『この占い師を追い出せ!』
視線でもう一度脅しゆっくり席を立った。
敷地から出て弟子を呼び寄せる。
『師匠、もう終わったんですか?』
『あぁ、虚言壁だ、ああいうの付き合ってると疲れるぞ、LINEはブロックしろ、一応本人には警告しといた。』
『え?嘘なんですか?演技ってことですか?』
『それぐらい見抜け未熟者!焼肉よろしく』
・・・・・・
数日後弟子から連絡が来ておばさんの死神は最近出ないとのこと。
まあそれならよかった。