もうかなり昔の占い師駆け出しのころ、師匠にそろそろ対面鑑定してみたら?
とイベントへの出展を命令された。
とあるショッピングモールの片隅で占い。
手書きの簡素な看板でお客さんを待った。
少し緊張はしたが雰囲気だけでも味わおうとショッピングモールの人の流れを見ていた。
すると20代の女性が不意にちょこんと占いブースに座った。
不思議そうな顔でこっちを見る?
相談は恋愛についてだった。
雑談の様な鑑定になりお互いに笑いながらの占い鑑定となった。
するとその子が言った。
「ずっとここにいるんですか?」
「うん、そうだよ。」
「ヒマじゃないですか?」
「今日はお客さん少ないからね。ヒマかなぁ」
「あの…まだ居ていいですか?」
「うん?いいけど…」
「あの…トランプしませんか?」
「はい?ト、トランプ?いいけど…(笑)」
(おこさま用にトランプを机に置いていた)
「じゃあ何しましょうか?」
「そうだなぁ…ページワン?」
(我ながら古!っと思ったw)
「はい。ルールどうでしたっけ?」
そんな土曜日の昼下がり、まさか見知らぬ女の子とトランプで遊ぶとは…(笑)
一通り遊び終え
「またトランプしに来ていいですか?大富豪が好きなんです。」
「はい。お待ちしてるよ。」
その後占いブースに大勢の列ができた。
その列は閉店まで途切れる事は無かった。
駆け出しのころ、幸運を呼び寄せる不思議な女の子に出会った話。