具体的、発達障害特性の取説について

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コラム
今回は自分の取扱説明書についての作り方や作る目的、活用方法について自分の経験を振り返って紹介したいと思います。
発達障害を持つ人々は、自分自身の特性や苦労を周囲の人々に理解してもらうことが大
切だと思っています。
取り扱い説明書を作成することで、自分自身や周囲の人々とのコミュニケーションを円滑にすることができたり、自分自身の強みを把握し、自分の得意なことに全力を注げるようになることができるのではないかと思っています。
取り扱い説明書は、発達障害を持つ人々がより良い生活を送るための重要なツールの一つなのではないかと私は考えています。今回は、発達障害の特性についての取扱説明書について、
1、取説を作る目的
2、取説を作るメリット
3、取説の活用方法
4、取説の作り方・具体例など
5、困ったらカウンセリングなどを活用して相談して解決しよう
について紹介したいと思います。

自分の取説を作る目的について

発達障害を持つ人々は、仕事や人間関係において多くの失敗や生きづらさを訴えることがあります。この理由の一つに、発達障害が目に見えづらい障害であるため、周囲の人々に自分たちの苦悩や困りごとを伝えることが難しいということが挙げられるのではないかと思ってます。例えば、私の場合、ADHDのために集中力を維持すること、書類の誤字や脱字を防ぐこ とに、かなり苦労します。 マルチタスクが苦手で、電話しながら相手が話した内容をメモすることなどがどんなに 頑張っても、ほぼ!できません。このように、障害がない人であれば当たり前にできることでも、私にとっては何倍もの努力が必要になることがあります。発達障害を持つ人々にとって、自分たちの障害や特性を周囲に理解してもらうことは非常に重要です。そのために、発達障害の特性に関する自分の取扱説明書を作ることは有効な手段だと考えています。
次に取扱説明書を作ることで得られるメリットですが、3つ挙げられると思っています。
1. 周囲の人々が、発達障害者の特性や苦労をより具体的に理解することができる。
2. 発達障害者自身が、自分自身の特性や苦労を客観的に把握することができる
→努力をしても特性によりどうしてもできないことではなく、自分が得意としてる作業 を回してもらうように頼みました。
私にとっては簡単でも他の人にとっては時間のかかる作業というものがあったりしまし た。
なので、私が得意とする作業は進んでやるようにし、これで、配慮してもらってい る部分とプラマイゼロになればいいなぁという思いで頑張っていました。
3. 発達障害者が、自分自身や周囲の人々とのコミュニケーションを円滑にすることがで きる。
→私自身、人間関係の改善に効果がありました。
コミュニケーションが苦手なので、誤解されていたことも、紙に書いて渡すことで誤解 を解くことができた経験があります。

発達障害の取説の活用方法

取説は、仕事や学校などで支援を得るため、
理解を得るために提出し、職場の上司や同僚、学校の先生方と話をするための資料とし
て活用することができます。
私は仕事・職場で支援を得るために活用してきました。

取説の作り方

取扱説明書を作る際には、まず自分自身の障害名や障害特性を具体的に明確にすることが重要です。また、その障害や特性によって生じる困りごとや解決方法、周囲の人々に求める協力や理解のポイント、注意点などを具体的に記載します。
また、医師からのコメントもあるとなお良いと思います!
記載する内容としては、
障害名や診断結果
特性の困りごとの詳細な説明
解決方法や対処法
周囲の人々に求める協力や理解のポイント
その他、自分自身や周囲の人々に伝えたいことや注意点などです。

私が苦手な作業

事務作業では作業に優先順位をつけて、今やるべきことに優先して取り組むことが苦手です。
今やっている作業を終えてからでないと次の業務に取り掛かることができません。
電話対応では相手の名前や要件をメモする前に電話口の相手が要件を話し続けると頭が真っ白になってしまって聞き返すことも、今何をしているのかも、分からなくなってしまうことがあります。

私の得意とする分野

私は既に頭に入っている知識や理解している内容を元にゆっくりと本質を分析していったり独自の考察や答えを導き出すといったことがとても得意です。
頭で理解していることと、実際に行動する時の能力差にとても大きな開きが私にはあります。
私は素早い状況判断が求められない環境でアイデアを出したり、考察や分析をするといったアセスメントや企画的な作業に向いていると考えています。

私の特性の対処方法や解決法について

私の場合は事務作業では頭の整理や優先順位が付けられなくなる傾向があるので、単純なデータ入力などの作業や受け付けなどの業務が向いていると考えます。
ここまでが私が実際に取説として提出した内容の一部です。
私は主治医などの専門家の意見も聞いた上で、上司に自分の障害特性や短所の対処法を分析した内容を書面にして伝えました。
口頭では誤解されたりうまく伝えられない内容でも書面にして上司に伝えると伝わる印象はまるで違いました。
また、主治医の意見を付け加えて書類にしたこともあり説得力が増し、私の配慮の申し出をかなり受け入れてくれました。
取説については壁にぶち当たるたびに見直し、何度も職場に提出しています。
何度も何度も時間をかけて話し合っていくことは経験上、大事だなぁと思っています。
そんなにすぐに、理解してもらえるほど発達障害の特性って単純ではないと思っています。
そして私は、取説を作るために自己分析をすればするほど私は警察に向いていないのでないかと思うようになりました。
警察官はアイデアや企画ができる能力よりも、事故や事件などの通報が入った時、瞬時に判断する能力が求められます。事故の対応中も臨機応変な対応や事故処理しながら上司への報告や次やることは何かを常に考え行動することが必要です、つまりマルチタスクが求められます。
しかし私は先に述べたように、瞬時に判断すること、臨機応変に対応すること、マルチタスクが苦手です。私はじっくりと時間をかけて考察し、答えを導き出すことが得意です。
現在、私が働いている放課後等デイサービスという障害を持つ子どもの支援をする職場では⻑期的に子どもの抱える課題を、時間をかけながら分析をして適切な支援方法をアセスメントする能力が求められる職種です。私は障害児支援の仕事の方が私の持つ能力を発揮できそうだと判断して、警察を退職しました。
私の場合は、取説を作ったことで、職場の人間関係が少しづつ改善されていきました。発達障害について、あまりよく知らなかった上司や同僚に発達障害について知ってもらうことができ、少しづつ理解の輪が広がっていったと感じています。また、取説を作る上で自己分析をじっくりと行ったことで自分の能力にあった仕事とは何なのかと答えを出すことができました。

困ったらカウンセリングや相談してくれる人を活用して解決のヒントをみつけよう

ここまでは発達障害の特性を持っていて
●自分に表われている発達障害の特性はどんなものか
●発達障害の特性でどんな時に困っているのか
●具体的な特性の対処方法
●周囲の人にお願いしたい配慮事項について
について紹介してきました。
しかし、これらを一人で行うのは正直かなーり難しい作業だと思います。
私自身も休職して発達障害の診断を受けてから自分の障害特性の把握や特性の対処方法、職場や上司へどのように配慮をお願いすればよいのか考えをまとめるのに2年以上かかっています。
自分の発達障害の取説を作るためにクリニックの主治医や家族、など色々な人の協力をもらってやっと分かってくるようになってきました。
そして私は自分の悩みや弱さを他人に打ち明けることに対して強い抵抗感を感じながら過ごしてきました。そんな私だからこそ仕事の人間関係やストレスを誰にも相談することができなかったのです。
しかし、取説づくりには誰かに悩みや自分の弱点や弱さなどを相談するということも必要になってきます。一人で悩んでいても具体的な解決策や自分の取説は完成せず、無理をし続けて復職してまたうつや適応障害を再発…なんてことも…
私は自分自身の経験を振り返り、誰かに相談することがとっても大事だなと感じています。
人間関係の悩みや仕事の悩み、自分の発達障害のことなど相談すると自分一人では思いつかなかった解決のヒントがもらえるということもあるかもしれません。
こちらでも相談を受け付けていますのでご活用ください。
現在、私は相談支援の専門職である「精神保健福祉士」という国家資格を目指して勉強中です。
勉強中の身なので他の相談者よりはリーズナブルな価格で相談をお伺いしています。

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