ドライブレコーダーさえあれば……と思う交通事故は多々あります。
最近はドライブレコーダーの設置が当たり前になってきましたが、それでも搭載されていない車は意外にも多いのです。
ドライブレコーダーがあれば、客観的な事故状況の確認が可能です。
実況見分調書といって、現場で起こった状況を記憶と現場で照らし合わせて作成する図面のようなものがあります。
しかし、ドライブレコーダーを合せることできちんと事故を見ることができるので、ドライブレコーダーの存在は重要です。
検察庁は何も、誰かを起訴したい機関ではありません。
どのようにして事故や事件が起こったのか。
証言は正しいのか、否か。
捜査を尽くして証拠を集め、交通事故や事件に対してなるべく真実を突き止め、判断することが重要です。
ですから、被疑者の立場で送られてくる人を悪く見ているわけでもありません。
交通事故においては、被疑者も被害者も守ることになるものが、ドライブレコーダーです。
やはり人の記憶は曖昧です。
しかし、機械で録画されたものは改ざんしようがありません。
誰の証言が正しいのか、事故で起きた被害と合致する原因はどこにあるのか。
何度も何度も、実況見分調書と見比べて確認します。
私が交通事故担当をしていた時には、検察官と十数秒の事故動画を何時間も繰り返し見直し、時間を計り、距離を計測し、周りに映るものと比較した時速を割り出したりすることもありました。
それくらい、ドライブレコーダーは事実を映してくれる重要な存在です。
以前、軽自動車を運転するAさんが、車が突然発車したせいで事故が起きたと主張する事故がありました。
しかし、Aさんの証言が正しいものとして計算したところ、時速200kmを超えたスピードを出したことになり、上り坂を、しかも軽自動車が瞬間的に出すには不可能ではないか……と伝えましたが、私は間違っていないと主張され断固認めないと言ったことがありました。
このようなケースの場合、明らかにAさんの証言を信じることが難しいので別のところに真実があるのではないかと判断できますが、もしこのときドライブレコーダーがあれば、Aさんに早い段階で記憶の誤りがあったのかも……とご納得いただけたのではないかと感じました。
人間は、大なり小なり記憶の改ざんが起こります。
自分にとって都合の良いように記憶違いを起こすことは、日常生活でもたくさんあることです。
しかし、交通事故が記憶違いでとんでもない改ざんをされてしまっては、被害に遭ったときにも、怪我を負わせてしまったときにも悲しい結果を生んでしまいます。
どうか自分を守るためと思って、ドライブレコーダーを搭載いただければと思います。