検察庁って聞くと、警察っぽいと多くの人に言われます。
そして大体「なんとなく難しいそうなところ」とも言われます。
今の30代後半以降の方は、HEROの!! と言って下さる方もいらっしゃいますが、それでもHEROのインパクトは木村拓哉さんにイメージが集中しているので、やはり分からないかもしれません。
さて、そんなHEROの舞台、検察庁がどんなところかを簡単にお伝えさせていただければと思います。
検察庁は、事件の起訴・不起訴を判断するところです。
送検というのは、検察庁へ事件を送られることを指していいます。
事件の起訴・不起訴を決めるための捜査をするのは検察官で、検察事務官は検察官が捜査に専念できるようサポートをする仕事をしています。
松たか子さんがされていたのは、検察官を直接サポートする立場にいる「立会事務官」と呼ばれる事務官をさします。
しかし、検察事務官全員が立会事務官をしているわけではなく、総務課や会計担当をする方もいらっしゃれば、それ以外の仕事もたくさんあるので、事務方から現場まで幅広い仕事をしています。
話が逸れたので元に戻しますと、検察官の判断する起訴・不起訴は、捜査の先に決定します。
事件がどのようにして、誰のどの行動から起きたのかなどの原因を探り、その証拠となるものを見つけていくことなどを捜査といいます。
決して、現場に行ってその場所を確認することがお仕事ではありません。
分かりやすい例として、傷害事件を取り上げて話をさせてください。
Aさんが、Bさんの言動に腹を立ててBさんを殴ってしまいました。
という事件が仮に起こったとき、まずはAさんがBさんを殴った事が事実か否かを特定します。
もしかしたらBさんがAさんを殴ったという被害者と加害者が反対の事件だった、ということもあるかもしれません。
続いて、Bさんの怪我はどの程度のものなのか、殴られたと言っている状況と一致した傷があるのか、明らかに殴られた時にしか起こりえない怪我なのかを判断します。
A,Bお互いの話を聞き、やはりAさんが殴ってBさんが怪我をしたんだなと判断がついて、さらにBさんの気持ちも確認します。
例えばBさんが「Aが殴ったのは私のせいだから、刑罰を与えないで欲しい」と言っているのか、それとも「厳しく処罰して欲しい」と言っているのかでも判断が変わります。
その意見で全てが決まるわけではありませんが、事件の起こった背景や怪我の重さ、被害者の気持ちなど全てを聞いた上で、起訴するか不起訴にするかを判断するのです。
さて、この起訴とは何を指すかといいますと、裁判にかけることをいいます。
裁判所に「こんな事件があって、Aさんには刑罰が必要だと判断します」と言うわけです。
そして事件の全てを確認した裁判官が、「なるほど、こういう事件があったんだね」と見ていくのです。
その結果、検察官の意見や、被告人となった加害者についた弁護士の意見を聞き、総合的に判断して裁判官が刑罰を決めます。
こうして裁判官が出した判決に従って、刑罰が執行されるのです。
少し長くなりましたが、日本ではこのように警察から検察庁、そして裁判所へという流れになっています。
警察と裁判所は皆さんよく知って下さっているのですが……この機会に是非、検察庁のお名前も覚えていただけると嬉しいです。