シトロエンとプジョーのレクサス的存在のDSブランド。
そのフラッグシップモデルがDS9。
DSはひし形をイメージしたデザインでパリも意識しているだとか。
ひし形を使いDS3とはまた違った演出をしていて、別の世界観を再現しているのが面白いです。
エンジンを起動すると3個のダイヤモンドのようなヘッドライトが回転したり、室内の時計が回転して現れたりと演出も凝っています。
さらに、DS9ではDS3と同じようにドアノブは格納式で、見た目がいいだけでなく形状も良いため操作しやすく爪のひっかきキズも減らせそう。
(近づくだけで触れずに開閉可能なのも凄く便利)
ボタン1つ1つやエアコンの吹き出し口まで独特の世界観を出していて飽きが来ないオシャレな車です(テールライト造形も凄く芸術ですね。)。
特にお気に入りポイントがセンターコンソール周囲の素材感。
近年、ピアノブラックを多用しているメーカーが多く、豪華には見えるのですが様々な対策をしてもピアノブラックにはどうしても小傷が付きやすく残念なことに。
ですが、このDS9はプラスチックでもピアノブラックでもない傷が残りにくい上質な素材感で作られています(動きもあるデザイン)。
よほどの力を入れない限り傷になりにくく、そのおかげで神経質にならず車の操作や乗り降りが出来るため、別の意味でも気楽に安心して乗ることが出来る車になってます。
後席の足周りは凄く広々していて楽に寛ぐことができる快適空間です。
(大柄な男性でも足周りは拳3~4個、サンルーフあっても頭上は1個ちょっとあります)
セダン系では考えられない広さですね。
そして、後席足元の中央付近の盛り上りが少ないのも嬉しい。
(意外と日本車はここの出っ張りある車が多い印象です)
そのため他メーカーの大柄セダン系より凄く解放感ある空間でした。
FFならではの特権ですね。
さらにオペラと言うグレードでは、後席用の豪華な肘置きが用意され、前席だけでなく後席までシートヒーター(暖める)やシートベンチレーション(冷やす)&マッサージ機能までと凄く豪華です。
広いし寛ぎ装備も充実という贅沢仕様です。
そして、室内のアンビエントライトもハッキリしていて綺麗です。
(後席中央の肘おきにもラインが走っています)
シートは石畳のような特徴的なデザインで所々モッコリしていてクッション性があり気持ちいい
(それに加えてシッカリしているシート)。
いくつかで組み合わせると縫い目が硬くなるため、このシートは一枚の生地をこのように編み込んで作っているだとか。
そのため、当たりが柔らかくて優しい座り心地になっているようです。
ドイツ車のズシッ!ガシッ!とはまた違った上質なシートですね。
さらにマッサージ付き(笑)
オペラという最上級グレードでは室内が赤紫風になり天井までアルカンターラ調というこだわりっぷり。
もう1つのリヴォリというグレードでは、室内はブラック、シート変更、後席の贅沢装備がカットされるようですが普通に使うならリヴォリでも十分な車ですね(PHEVは設定が無いかも)。
これだけ豪華なのに他のフラッグシップモデルと比べても安く(近日、値上がりラッシュですが)、オプションがあまり付ける物がないため、そこはフランス車ならではの嬉しいポイントですね。
エンジンは1.6Lガソリンターボとプラグインハイブリッド(PHEV)があり、今回はPHEVでイーテンスと言われています。
508でも驚きましたがDS9の大きさでも1.6Lしかない!?
ガソリンモデルでもゆったり走る分には特に不満はありませんでしたが、PHEVでは出だしが非常にスムーズ。
ここはモーターならではのレスポンスの良さですね。
と言っても敏感に反応し、同乗者の頭が前後する味付けでもなく同乗者にも優しく発進できる扱いやすい味付けでした。
ガソリン車であった発進時の踏み込みや、坂道などでやや重さを感じた場面でもPHEVではスムーズ。
さらに室内が静かで流れるように進んでいきます。
そのためエンジン回転音の響きは気にならず、そこから遅れて加速していく感じもありません。
走っていると常に室内が静かでDS9の理想とされる空間が演出されているように思えます。
モーターからエンジンへの繋がりもスムーズで気になる段付きなどもなく良かったです。
加速すると少しエンジン音は聞こえますが、ラグは気にならず。
さらに8速あるためシフトショックなく伸びやかな走りも見せてくれます。
とても上質で落ち着いた走りを体感させてくれるため良いですね。
(私は好みですが、走り好きな方が楽しむ車ではないかもですね)
ハンドルはプジョーより大きめで、シトロエンやプジョーよりも上質なコシがある。
少し軽めですがハンドルを切った通りに滑らかに反応してくれ好みの味付け。
ペダル配置はブレーキが若干左寄りかな?くらいで気になる程ではなくドライビングポジションも取りやすい。
それだけでなくフランス車はしっかり左足置くスペースを作ってくれているため窮屈感なく嬉しいですね。
(ドイツ車では左足が狭い車が多々あります)
DS9ガソリン車では、ブレーキを踏むと結構強く効きカックンブレーキが気になりましたが、PHEVではそこまで気になりませんでした(味付け違うのかな?)
ここも(発進&止まる)PHEVの良い所かもしれませんね。
乗り味は思った以上に重厚感あり上質な安定感が伝わります。
この重厚感はドイツ車までとはいきませんが、ドイツ車と日本車の間に位置する(ややドイツ車寄り)絶妙な乗り味ですね。
(フランス車は乗り心地いい車が多いですもんね)
タイヤのゴロゴロ感もガソリン車より気にならず、PHEVで重量が増したためか乗り味がさらに上質に感じられました(タイヤサイズは同じ)。
さらに、路面状況を先読み?して乗り味を調整してくれるような賢い機能(コンフォートモード時)も備わっているためここも影響しているのかもしれませんね。
(ガソリン車ではDS7程の恩恵は感じられませんでしたが、PHEVではこの装備の影響なのか重量増のためなのか乗り心地が一定で良かったです)
ジョイントの通過も非常に滑らかで綺麗にイナシ、突き上げや振動なども気になりませんでした。
ただ、大きな凹では少しだけドスンと重さが伝わる衝撃が伝わる時がありました。
なぜかスポーツタイヤなので、乗り心地良いタイヤにするとさらに良いかもしれませんね。
(気になる点はそのくらいでボディのブルブル感も気にならず振動終息も速いです)
シートはゆったり余裕があり腰のホールド性がもう少し欲しい感はありましたが、カーブ時の体の持っていかれ感が凄く少ないため疲れず(SUVのような背高感も無いですし)、それを想定されたかのようなゆったりシートでした。
座り心地も凄く良くて長時間どれだけでも運転できそう(フランス車はシートも良)。
三角窓はミラーで隠れ死角になってますが、これだけの長さがある車なのに車幅は1550ミリと思った以上にスマートで道の狭さも気になりませんでした。
車幅をこの程度で抑えてくれているのもフラッグシップとしては珍しく嬉しいですね。
それなのに、このワイド感とカーブ時の安定性がある。凄いですね。
ボンネットは見えるため車幅&前方感覚が掴みやすいのも特徴ですね。
(カッコいいエンブレムみたいなラインも見えるし♪)
(前方視界の上下の狭さも気になりませんでした)
さらに驚きなのがロードノイズの静かさ!
エンジンを回すと音はしますが、凄く遮音にも力が入っているようで室内の騒がしさはなく、速度に乗るとさらに聞こえないくらい。
ロードノイズまで凄く抑えられているため室内は静かで快適(凄く遠くでコーってなってる程度)。
ここも室内の上質さを体感できるポイントでした。
さらにフランス車のACCはレベルが高く渋滞の制止にも対応してくれるのでいいですね。
注意点は電動パーキングはあってもホールドはできない(ACCで代用はできる)点と、360°モニターはリアルタイム式でなく前方も無、後席は倒れるのですが、倒すと3座全て同時で倒れる点ですかね。
分割に出来ないため後席倒すと2人しか乗車できないという欠点は持ち合わせていました。
でも倒れるだけ嬉しいですね。
(シートヒーター系などの関係上らしいですね)
★★こんな方にオススメ★★
フランス車の中で、ハンドルの重さ、重厚な乗り味、シート、静粛性とどれも凄く上質に仕上げられていて、見た目も中身も走りも上品で上質なセダンを求める方にオススメ。
(後席を優先した車選びにも良いですね)
また、どこにも似つかない独自の世界観はフランス車の面白い所で、デザインで選ぶのもアリ
(他の人とかぶりたくない方もいいね)
また、車としてもよく出来ていて、ドイツ車と日本車の中間的ないいとこ取りにまとめられた車です。
セダン系なのに後席がトップクラスに広く豪華仕様なのも嬉しい。(価格を考えるとお買い得)
後席は倒れますが2人乗車になるためご注意を。
また、1.6Lの小排気量とライバル不在な立ち位置なのも面白い。
エンジンはガソリン車では加速時にパワーの物足りなさ感は多少あり、ブレーキのカックンも気になりましたが、PHEVでは発進&止まる&乗り心地とさらにスムーズで上質になっていたためPHEVの魅力も生かされてました。