激的に良くなったTNGAボディの第2段。
プリウス(先駆け)という名前をしっかり表現できる車へと進化した5台目プリウス。
デザインでも選ばれる未来感溢れる車に大変身しましたね。
プリウスって雰囲気は残しつつ、新世代デザインになるとこんなにカッコ良くなるんですね。
前だけでなく、横や後ろと全方面からも素直にカッコいいと思えるデザインでした
(サイドの中央には絞りこむような複雑なラインが入っていてスポーティさあり魅力的)
このスポーツカーのようなカッコ良さは、凄く寝ているAピラーだけでなく、天井の一番高い所が先代よりも後方に来ている所もですね。
(天井の一番高い所は先代の方が前にあり、空気抵抗に関するCd値は先代の方が良いらしいのですが、新型は先代よりもさらに背が低いため前面投影面積が小さく、それらを合わせた空気抵抗は先代も新型も同じになっているようです)
そのため横から見た時に前は低く、後方に向けて盛り上がっていき、お尻辺りが鋭く肉付きのあるカッコいい見た目に。
グレードは最上級のZと、下位グレードでは細かい部分やタイヤの大きさなどは違いますが、特に外観はチープ感漂う差はなく下位グレード(ホイールデザインが印象的)でも十分カッコ良かった。
これまでと違いインチが小さくなってもカッコいいデザインなのも魅力ですね。
特徴でもある凄く寝ているAピラーですが、乗り込む時は多少配慮が必要ですが(前後共にドアは思った以上に開かない)、お尻を先に入れるように入りAピラーをくぐる形で乗り込めば乗り降り共に気になる程ではなかったです(ご年配は気になるかもです)。
個人的にAピラーで気になったのは、前方視界。
Aピラーが寝ているため、前方の上下幅は若干狭く感じました。
(前方ガラスも寝ているためか、ガラスの撥水コーティング無しでも走っていると雨水がある程度流れていってました(笑))
ですが、Aピラーは細いためここは良いですね。
プリウスは空気抵抗に凄く配慮された車なので、ボンネット先が全く見えず、鼻先が長い車に感じられ、左前方や後方の死角も多く(後ろミラーにはワイパーが無いため雨天時は少し困りました)狭い場所では注意が必要ですね。
(サイド窓面積は下方向に広がっているため横の視界の広がりはありますが、4台目より控え気味となっていて恩恵は先代より受けにくい好印象)
(ただ三角窓から離れた位置にミラーが有るのは死角にならず良いですね。)
ただ、車のサイズは適度なのでそこは良いですね。
エコスポーツカーと思って乗れば気になる程でも無いと言えます。
また、適度な画質で360°モニターがあり(下位にも装着可能)、ブラインドスポットモニターもあるため今までと違いモニターで死角を補うことが出来るようになっている
(360°モニターボタン位置はハンドル左レバーの完全死角となり直感的には使えず。ハンドルなど使いやすい位置に装備して欲しい)
室内は先代から全くの別世界で、凄く使いやすく新世代感漂うデザインで好印象。
シフトレバー周囲は新型クラウンと同じのようなパーツを使っていて、アンビエントライトまで付いているため、正直新型クラウンクロスオーバーよりも魅力を感じました。
アンビエントライトは、デザインだけでなく点滅(前の車が発進した時など教えてくれました)したりイロイロ教えてくれる機能性も兼ね備えた装備なので凄く魅力的。
(内ドアにもアンビエントライトを走らせるとさらに良かったと思うのですが、ここはコスト面の問題でしょうか)
フットランプ(前)があってありがたいのですが、走行中は結構減光され存在感は薄くなります。
(これはどういった理由なのでしょうね)
その他、グレード問わず内ドアの質感はこれまでのプリウスって感じで、ここは割りきりを感じました。
シフトレバーは小さいですが質感良く(操作感も含め)、肘置きから手を伸ばすと手が届く位置にあるため配置良いですね。
(左右の肘置きの高さが統一されているのも好印象)
その隣には縦置き出来るスマホ充電スペースがあり、横置きよりも場所を取らずスタイリッシュで良かった
(ですが、充電できたかなどは見えない)。
また、シフトレバー操作の邪魔にならないように、その前には横置きのドリンクホルダーがあり、このサイズの車で横置きは贅沢で使いやすく見映えもいいですね。
さらにその奥にはトレイや小物入れがあり、この辺りのデザインも良く、その蓋は取り外しも出来るため、使い勝手が凄く良くなった室内でした。
気になる点は、シフトレバーの手前に走行モード切り替えスイッチがあるのですが、つまみが小さくボタン位置も肘を手前に引いた苦しい位置でした。
思った時に切り替えたいボタンは楽な姿勢のまま押すことができる配置にして欲しいのは私の希望です。
(Zと下位グレードではボタン形状が異なり、下位グレードのボタン面積は大きかったため、下位グレードの方が押しやすかったのは意外でした)。
その他のボタンはマツダ3のようにピアノのように押すことが出来る位置だったりと押しやすい配置でした。
ハンドルはBZ4Xと同じデザインで触った質感は高く上質(ボタンはちょっとプラスチッキー)。
その前方にはBZ4Xと同じような液晶メーターがあるのですが、文字が小さく(画面は分割や1面など切り替え出来ますが文字の拡大はなく情報が減るだけなのであまり意味がない)、プジョーと違ってハンドル上部をカットしていないため身長によってはモニターに干渉してしまいますね。
装備ではヒートシータ―&ハンドルヒーターに加えて、冷やすシートまで装備!
シートメモリーにデジタルインナーミラー。
広大なサンルーフ。
さらに、アウディA5やアルテオンのように大型ハッチバックで電動テールゲート付きなど、高級車装備仕様となってました。
ここまでいくとカローラとの差も十分感じられる車になりましたね。
ドアの閉まり音も前後どちらもバスッ!と閉まり(軽いですが女性にとっては嬉しいかも)、三代目の空洞あるような軽い感じではなく、結構シッカリ閉まってくれます
(輸入車のようなガッチリ感とは違う)。
後席ドアノブはスイフトのような変わった場所にあり、レクサスでみたEラッチになっていてスイッチ押すと開く感じ。これも先進的。
後席の足周りには余裕があり天井にも頭は付きません(足先も入る)。
ですが、大柄な男性だと天井に頭がピッタリ着いてしまうようです。
頭上は絞られていますがプリウスらしく思った以上に広い後席でした。
気になったのは後ろ内ドアの肘側面積がほぼなく、肘が置きにくかった。
荷室の開口は広くハッチバックスタイルなので、後席を倒すと結構荷物が乗せられ使い勝手良。
新型から電動開閉可能となり高級感漂いますが、トランクのスイッチ周囲にはピアノブラックっぽい素材に囲まれているため爪傷が沢山付きそうな感じでした。
後席倒すとある程度段差や坂にはなりますが、これだけ背が低い車でこの要領は実用的で魅力的ですよね。
(床は高く感じますが、その分かがまず荷物が乗せられるため楽でした)
エンジンは2Lと1.8LのハイブリッドとPHEVの3種類。
1.8Lと2L共に出だしのラグがなくスッと出て、エンジン車のようなもたつきなどなくスムーズなのが魅力的。
そして、先代よりもモーターの力強さが十分に体感できるのも大きなポイント。
ハイブリッド車ですが重厚な感じではなく非常に軽快な走りを体感させてくれます。
速度20~40キロぐらいになると直ぐにエンジンがかかる所は今まで通りですが、ハイブリッドは熟成されているためモーターからエンジンへの繋ぎも非常にスムーズで、エンジン振動も凄く抑えられているためEV的な上質な乗り味を実現しています。
踏み足し加速も十分に反応し、どちらもパワーに不満はありません。
特に1.8Lは本当に丁度良いパワー感。
パワーの不満はないですが坂などではエンジンの唸り音が響き、ハンドルへ伝わる振動なども目立ちました。
それに対して新登場の2Lはパワーに余裕があるため坂であってもエンジンの音&振動(ハンドルなど)がさらに小さく静かで、排気量の実力差はハッキリ感じられました。
高速の速度に到達するのも非常に容易く思いのまま。
エコカーなのに速い車だと分かる程の進化です。
パワーモードでは積極的にエンジン回転が増し、軽快さも相まって非常に強力でした。
先代もパワー感は良かったですが、さらにパワーアップしていて0~100キロ加速も速いですね。
アクセルは、加工&工夫されたオルガン式ではなく、下から設置されている本物のオルガン式ペダルになり細かな操作性も向上。
さらに、ちょっと重さがあって踏みごたえもあり好印象。滑らかで扱いやすい味付け。
一番驚いたのがブレーキで、ハイブリッドではTNGA車でもカックン目立つ車種が多々あったのですが、新型プリウスでは非常に滑らかで自然に近い味付けになっていて扱いやすくなってました。
(止まると同時にブレーキを優しく抜いても、全くカックンなく止まるっていうのは難しい。ただ他メーカーのガソリン車とも遜色ない程に進化)
また、ACC(追従機能など)を使っていなくても、前の車に合わせて距離を積めないよう滑らかに減速してくれる機能もあり、これがあればシフトミスがあっても(30系から直感とは逆方向に操作が必要なため・前進するのに前ではなく引く操作)追突事故やプリウスミサイルなんてことは減りそうですね。
(ちなみにACCはある程度のカーブ時もレーン内をキープでき、ブレーキのタイミングも私が意識するタイミングからほぼ遅れず、非常に頼りになる仕上がりになっていて良。よく聞く片側に寄っていく現象は無かったです)
また、ブレーキ位置や、左足置き場は自然な位置で、ハンドルの引き伸ばし調剤も結構あるためドライブポジションがとりやすい。
ハンドルは適度なコシと若干の重みがある感じで非常に上質で滑らか。
軽めではありますが、このしっとりした上質な味付けは凄く良。新型クラウンと遜色ない程。
乗り心地は1.8Lの17インチでは穏やかで上質。
荒れた路面でもタイヤの肉厚でコツコツはなく、遠くでゴロゴロが小さく伝わる程度に抑えられている。
繋ぎめの乗り越えも衝撃が凄く小さくしなやかさが増し、穏やかな乗り心地で良かった。
対して2Lの19インチは尖ったコツコツは無いものの味付けは硬めになり(マツダ3程の硬さはない)、荒れた路面では遠めのコツコツやゴロゴロ感は結構目立つようになります。
(その分、路面状況はつかみやすくカーブ時の安定感あり)。
ですが、ジョイントなど乗り越える時の足の硬さは気にならず綺麗にイナシてくれてここは非常に快適です。
また、振動終息が非常に速く、ボディのブルブルした頼りなさは気にならず、ボディのシッカリ感がかなり感じられた。
(ねじり剛性がさらにパワーアップしたようです)
19インチは特に後席に乗る方への影響が心配ですね。
(私はマツダ3の後席よりも跳ねる感じがあって少し酔いました)
全体的に非常に好印象ですが、新型クラウンのように輸入車のような重厚感ある上質な乗り味(少しだけ)って感じではなく軽快な感じで、ここはクラウンと違う点ですね。
カーブ時は低重心で、体の持っていかれ感は少しありますがSUVのような背高い感はなく、直感的に楽で安定して走れます。
シートはこれまでと違い肉厚も感じられ、硬さも適度で調度良いシート。
ファブリックではちょっと腰周りが余りますが適度に体を支えてくれて楽でした。
上位グレードの合皮では、背中の張り出しがやや強く感じ(調整は可能)、ファブリックよりも両脇のサポートが無いような感じで、そこが安心感に欠けちょっと気になりました。
ですが、サイドサポートを気にしなくても、カーブ時の体の持っていかれ感が少ないためサイドサポートは無くても良いのではないかと思える安定感でした。
また4輪駆動では走りにおいて凄くオススメなようなので予算に余裕があるなら選んでみると満足度は高そうです。
(後席の少し跳ねるような感じも抑えられているのかもしれません)
17インチのロードノイズは荒れた路面では多少響きますがこもっているような感じでゴーゴーならない。
ですが、19インチでは明らかに40キロぐらいからでもゴーゴーと車内に響きここは結構気になりました。
せっかく全体的に静かな車なのにロードノイズがもったいないと感じてなりません。
(ここは、17インチと19インチでプロの方の意見は逆だったりしますが、私は明らかに19インチのロードノイズは目立ち耳に残りました。遮音対策よりもタイヤサイズの違いで音が出ている感じ)。
ですが、先代に比べエンジン音の響きやすさや、結構響いていたロードノイズは明らかに抑えられてますね。
(防音材などで騒音が直に入りにくくなっている印象)
視界は前述した通りですが車幅が1800を越えていないため扱いやすいサイズなのも良。
そして、こんなに走りが良くなってもプリウスなので燃費もかなり良。
実燃費はエコを意識しなくても23キロ/Lは簡単に出ます。
カローラが凄くよく出来ていて、サイズ的にもキャラが被っている感じでしたが、今回の新型は外観も走りもスポーティ路線で独自のキャラを獲得しており、思いきったいい進化だと思いました。
オマケで、先代の個体差なのかウィンカーの質感がチープだった所は新型では改善
(ちょっと軽いかんじはあります)。
そして、ウィンカー音が慣れない面白い音でした(笑)。
★★こんな方にオススメ★★
適度なサイズの車で上質。
それでいてスポーツカーのような低重心感や、走りの速さ&楽しさ、安定感を持ち、そういった全体的に万能エコスポーツ車を求める方にオススメ。
(非常にレスポンス良く軽快に走る印象でした)
それでいて燃費も良。
室内の使い勝手も良く、荷室もそこそこ広いため低重心でスポーティなのに実用性もありです。
プリウスはもう燃費だけの車ではなく、走りも楽しいシッカリした良い車に進化しました。
1.8LのXは購入可能らしいですが法人向け。
それ以外のUというグレードではサブスク専売。
そのため、まともに購入できるのは2Lになります。
2Lの19インチは乗り味は頼りがいあり良いのですが(装備のためか重みが増した乗り味になる)、乗り味は硬くなりゴロゴロやロードノイズが結構目立つため、個人的にはゆったり運転できる1.8Lの17インチが好みでした。
(2Lと言ってもエンジンの静かさなどもそれ程差は見られない)