自立と自律の違いは? 私たちが輝くための豆知識

記事
ライフスタイル
自立と自律の違い、意外とよくわからないですよね。

普段、「自立」と「自律」の意味の違いを意識して使い分けているでしょうか?一般的には「自立」の方をよく使うと思いますが、では、「自律」との違いは何なのでしょうか?

まずは、辞書的な意味から押さえておきたいと思います。goo国語辞典によると、「自立」と「自律」の意味は、下記の通りです。
自立・・・
他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。「精神的に自立する」

自律・・・
他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。「自律の精神を養う」

goo国語辞典

4786818_s.jpg

自立の対義語は「依存」

もう少し詳しく見ていきたいと思います。自立の対義語は「依存」です。依存とは「他に頼って存在、または生活すること」です。

それに対して、自律の対義語は「他律」です。他律とは「自らの意思によらず、他からの命令、強制によって行動すること」です。

ちなみに英語では、自立は「independence」、他には、独立という意味があります。自律は「autonomy」、他には自治とか自主性という意味があります。

つまり、経済的な自立や精神的な自立と言ったりしますが、自立は他に頼らずに生活すること、と言えると思います。たとえば、実家を出て一人暮らしをする、家族や友人、恋人や職場の人とも対等に付き合える、というイメージでしょうか。

それに対して、自律は、自分で自分をコントロールできること、自分の意志によって行動できること、と言えると思います。たとえば、収入の範囲内でやりくりができる、規則正しい生活ができる、というイメージでしょうか。

4786857_s.jpg

「自立」と「自律」は、通常、切り離して考えるもの

たとえば、自分が新しく事業を始めたいと思った時に、まず「自律」していなければ、起業をしようという考えにならないと思います。そして「自立」していなければ、実際に事業はうまくいかないと思います。

起業しようという、自分自身のことを決断する場面であるのに、他人に判断を委ねてしまう人や自分で物事を進められない人(=「自律」できない人)には、そもそも起業することは難しいでしょう。

事業計画を作成し、資金を準備し、協力者を集め、スケジュールを管理する・・・自分で決めて、自分で進めていかなければならないことばかりです。

そして、自分で事業をするということは、自分で全ての責任を負う覚悟が必要です。「社長の仕事は決断することだ」と、よく耳にしますが、日々、決断が必要な状況で、「自律」していることは大前提です。

実際に事業を始めることができても、誰かに頼ってばかりであれば(=「自立」していなければ)、その事業は、結局うまくいかないでしょう。

4191013_s.jpg

転職したいと考えた時でも同様のことが言える

また、起業とまではいかなくても、転職したいと考えた時でも、同様のことが言えると思います。

転職活動では、いつまでに転職したいのか期限を設けるようによく言われます。いつまでに転職をするのか自分で目標を決めて、それなら今の会社をいつ辞めるのか、求人情報はどこから得るのか、何社に応募するのか、と管理する力(=自律)が必要です。

同時に、何のための転職か、次は何をしたいのかという目的をはっきりさせて、今の自分には何ができるのか、これまで何をしてきたのか、という自分のキャリアの棚卸しが必要となります。

仕事をする上でも「自分にはこれができる」ということがない人(=自立していない人)だと、転職先が限られてしまいますし、運良く転職できたとしても、その後が大変になってしまいます。

なんとなく転職してしまった場合、今よりも条件が悪いところへ就職してしまったり、またすぐに辞めてしまったりする可能性は高いのではないでしょうか。

4789782_s.jpg

何でも一人で決めて、一人で行動することが良いの?

そして、自立、自律というと、誤解されると困るのですが、何でも一人で決めて、一人で行動することが良いと言っている訳ではありません。起業にせよ、転職にせよ、他の人からアドバイスしてもらったり、協力してもらったり、時には資金的な援助を受けたりということことは、もちろんあります。

でも、それは多くの場合、逆の立場に立った時には、自分が相手を助けてあげられる人(=「自立」している人)だからこそ、助けてくれるのです。そのことを自覚することは大切だと思います。

家族や友人などプライベートな関係であれば、損得なしに相手の力になりたいと思えますが、仕事上の関係だと、自分にメリットがある人には積極的に協力して恩を売っておこうとか、以前、助けてもらったから今度は助けてあげようとか、そういう計算は日常的に行われるものです。

そして、仕事を円滑にすすめるためには、より多くの協力者がいる方が良いに決まっています。ただ、協力してもらうためには、自分にもそれなりの力、魅力が必要なのです。

「自立」と「自律」をしている人は、自分の人生を歩いているという自信があり、他人からも魅力的に映ります。あんな人になりたい、あの人に相談したい、と思えるような存在を目指したいですね。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す