【パチンコ屋の母】パチンコ屋に併設している定食屋の話【悲しい現実】

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コラム
昔話ですが

ある程度の規模のパチンコ屋に大体ある、併設している定食屋。

そこで働いているとあるおばちゃん。
そのおばちゃんは、負けた人へ励ましのメッセージを送っている。
そういう場面をを何度も見ました。

客「いやぁー今日も負けてさぁ!!」
おばちゃん「もうやめな!あんたここ来る度、負けた事しか言ってないよ!センスないんじゃない?」「次は勝てるよ!!」
客「もう金ないわ!」「母ちゃんから1万恵んでもらうわ!」

はたから見れば夫婦漫才。

それは基本笑えるものでしたが
なかには笑えないのもありました。


その人は20代の若い男性と女性。
多分カップルなのでしょう。


終始うつむき加減で
明らかに様子が変。


気になったのか

おばちゃん「どうした?負けたか?」
客「はい」「実は家に帰るお金ないです」
おばちゃん「どこから来たんだ?」
客「〇〇県です(車で2時間かかる隣の件)」
おばちゃん「それは大変だね、親や友達に来てもらえないの?」
客「身内と友達とは縁切ってきました・・・」
客「今日の夜大事な仕事の面接があるんです」

何があったのかは知らないがただならぬ事情が感じられた。

おばちゃん「誰かこの人の家まで送って行ってくれるか?」


たしかその時店には
自分含め3人くらい居た。


その中のおじさんが
長距離運転手をしている人を知っている
店内でスロットを打ってるという事で、呼んできてもらった。


その時
自分が手をあげればかっこ良かったのかもしれないが、現実は非情で
負けてお金がなく、その時は全財産500円でわかめうどん(別注で卵)を頼んでいた。
片道2時間かかるのであれば間違いなくガソリンも底をつく。
片道切符で自分が帰れなくなる。
ただ単に時間はあったがお金がなかっただけなのだ。
おばちゃんからの問いかけに反応できずとっさに下を向いていた。


そんな中、颯爽と現れた長距離の運転手は二つ返事で了承。
運転手「2000枚出ていてまだ続いてんだよ!どうしようか・・・そこの君代わってくれないか?」
とまさかの状況に・・・。

お金がまったくなかった自分にとってまさにボーナスステージ!
「ありがとうございます!」と意気込むもお金がない・・・。

とりあえず出たメダルは運転手が回収し、カップルと一緒に店を出た。
運転手からもらった状態の良い台はとりあえずキープ。


さてどうするか・・・
キープ出来るのは1時間。
とりあえず1000円あれば良いのだ。

パチンコ屋から自宅まで30分かかる・・・。
と言っても自宅にお金になるものはない。

今着ている洋服を売るか・・・
いや洋服なんて5円くらいしかならない!
財布を売るか・・・(ノーブランド)

選択肢もない状況で選択を迫られるという現実。

一旦冷静になり
出来る事を考えた
「今ある物を売る」これに決めた。
残り時間も刻々と過ぎ、近くのリサイクルショップに車の中のお金になりそうな物と着ている洋服など売りに行った。

15分後
査定金額870円・・・。

残り130円あれば!と
ゆうちょ銀行にわずかに残っていた数百円
手持ちの870円を入金し1000円にして引き落とした。


この時点で残り時間は10分を切ったが
幸いにも郵便局からパチンコ屋までは1km程度だったので
なんとかパチンコ屋に到着。


ホカホカの1000円を浮かれ気分で投入!
「2000枚出たスロット台期待出来るぞ!」
と心の中では思っていた


が・・・


全く増えないメダル。
ひたすら現状維持。


この時はかなり焦った。


ようやく微弱ではあるがメダルが増えてきた。


残り30

残り20

残り10

残り0


まさかのレア役を一切引く事無く終了・・・。


打つ人が代わるだけでこんなに違うのか。


ここがパチンコをやめるきっかけとなったターニングポイントでもあった。



「勝てない人は勝てないんだな」
「持ってない人は持っていない」


その時はかなり冷めていた。
未だ記憶が鮮明に覚えている。


メダルは150枚程度。
約3000円分は浮いた訳だが

正直冷めきった状態の自分は換金したお金を
無一文なのにそのままコンビニの募金箱に入れた。


「今日1日、ストーリーあって自分は一体何をしていたのか」
「なんで運転手のようになれないのか」
「自分の価値って」

と自分自身を責めた。
帰り道の車で言葉に出来ない何かをずっと叫んでいた。

疲れた自分は早めに就寝した。







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