心が折れた経験 前編
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コラム
心の芯が折れた時、
音がするのを知っていますか?
「ぽきっ」
ほんとうにこんな音がするのです。
うつの発症と厳しい研究の世界
わたしは大学の学部2回生の時に
鬱の症状が出始めて
大学院の途中で精神科で「うつ病」と
診断を受けました。
わたしの研究分野は生命科学で
ノーベル賞の山中伸弥先生の
研究分野に近く、
とても競争が激しい世界でした。
私の周りには
うつ病になる人や自殺する人もいました。
私自身もうつ病になり
研究室に行けなくなり
引きこもる時期も多くありました。
競争の激しい分野の研究生活は
わたしには向いていなかったのでしょう。
それでもしつこく頑張った結果は
うつの症状で苦しみつつも、
治療を続けながら
大学院での研究を続けました。
根気よく指導してくださる先生、
サポートしてくれる家族がいてくれたからこそ
続けることが出来たので、
いまもとても感謝しています。
しかし、私のうつの症状は
良くなるどころか悪くなる一方で
本当に心が折れそうでした。
それでも夢は大学で研究をしながら
教員になることだったので
それに向かって踏ん張りつづけました。
そして学位を取得し、
京都大学の特別研究員に採用され
「やっとここまで来たか」
と、とてもうれしい瞬間でした。
しかし、それはほんの一瞬で
病気の再発で酷いうつになり
あっという間に解雇になってしまいました。。。
「ぽきっ」
そのとき心は折れました。
こんなに頑張ってきたのに。
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