253号ハウスメーカのデザインは早い時期に陳腐化する

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 ハウスメーカーのデザインは概ね個性がなく流行で商品開発をしています。どこかのメーカーが庇のない箱スタイルのデザインを開発して、そのデザインがヒットすればどこもかしこも同じものを販売しています。やがて、珍しくなくなって飽きられてくると新しいデザインのものを販売する。5~10年が一つの流行サイクルとなっています。
 外壁材のサイディング柄はその典型です。阪神淡路大震災の後、復興需要戸数をこなすため左官工事に比べて、サイディングが手っ取り早く、コストも抑えられたので多くの住宅に使われ普及しました。一見豪華に見えるのでお客様にも好まれました。当時、横板目柄やタイル柄調、そして、レンガ調、飽きられてくると石目柄、モザイク柄調へ。いまは、割石肌調というように流行が変わっています。玄関ドア、外建サッシ、内部ドア、キッチンデザイン、住宅設備も同様です。デザインを見れば私ら専門家が見ればいつ頃建てられた家かわかります。
 住宅、建材メーカーには、デザインをしっかり勉強した設計士が少ない。また、デザインポリシーもないから、取り敢えず流行っているデザインにしておけば、建材メーカーのデザイナーも、ハウスメーカーの建築士もお客様も安心といったところです。
 ところが、みんな同じデザインにするから最後は、価格競争になってそのデザインは終わってしまう。いわいる護送船団デザインとなっています。みんなで渡れば怖くないといったところです。
 従って、ハウスメーカーのデザインは5年もたてば飽きられて、20年もすれば陳腐化し、30年も経つとすっかり時代遅れになってしまう。そこで建て替えとなってしまうわけです。
 欧米の住まいは、その地域の環境、気候風土に合った外観デザインにするから街並みが綺麗だし、内部のインテリア、設備機器は自在に入れ替えることができるから、住宅の寿命も長いといえます。
 日本の住まいと大きく異なる点がここにあります。仮にハウスメーカーの構造体が30年50年持ちこたえたとしても外観が時代遅れのデザインとなってしまって飽きられてしまう。また、空間が小さいからライフスタイル、家族構成の変化、住宅設備の入れ替えにも対応できなくなってしまう。このような理由から30~40年で建替えざるを得なくなってしまうのがハウスメーカーの現状です。
 設計士に設計ポリシーもないからお客さまの言うとおりの設計をしてしまう。お客様の要望通りに設計することがお客様満足度の向上と思っている設計士も多い。デザインのできない設計士は、家の設計をやめたほうが良い。街並みを悪くするばかりです。景気が回復して豊かになってくると、これらの設計士は通用しなくなります。
 ところで、日本住宅の伝統的木造建築は洗練されているので、数百年経っても立派に周辺の環境が変わっても負けないで存在しています。最近では、古民家再生ブームとなって人気があります。研究してみる価値がありそうですね。
住宅の外観は流行を追わないで、あきのこない建材、デザインにしておくことが大切です。
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編集:ハウスビルダー販売支援研究所

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