TV基準で見てて気づいた、みんなあんまりやらないテロップの出し方。

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映像がさまざまな分野の伝達・表現ツールとして使われる機会が、ほんとに日に日に増えてますよね。そうして裾野が広がった結果、細かな手法にも必然的にいろいろ変化が起きてきてるなと思う今日この頃。

今回は、テロップの出し方に関する、ある気づきです。

WEB動画でよく見るテロップと、TVでよく見るテロップ。

最近はアマチュアからセミプロまでさまざまな映像クリエイターが活躍していて、みなさんせっせとテロップ入れを行なってますよね。地味でめんどくさくて、あわよくば安く人に任せようとしがちなテロップ入れ。

よくわからないのが「フルテロップ信仰」。徹頭徹尾テロップを入れることで映像クオリティが増したと錯覚するんでしょうか。もう何から何までテロップを入れないと気が済まない人、多いですよね。

なかでも入れるとそれっぽいから入れがちなのが、映像内の出演者の言ったことを同時に文字で出す「コメントフォロー」。もはやテロップ=コメントフォローっていう認識にすらなりつつある気がします。もともとは放送の番組で出演する喋りのプロじゃない一般の方、方言で話す地元の方なんかの言葉をわかりやすく「フォロー」するために入れ始めたのが始まり。それがいつしか漫画チックに装飾して「ここ笑うところですよ」「ここ重要ですよ」と示唆する役割を持つようになった。結果観る人が自分で会話の流れを読まなくなり、どんどんくるくるぱーになっていってる諸悪の根源ですがそれはそれとして。

下の動画を見てください。よくあるテロップの入れ方と、TVではこう配慮しているよ、という例を並べました。
何が違うかわかりましたか? 簡単ですよね。

みなさんやりがちなのは前者のように「吾輩は猫である」と「名前は まだない」を二枚別々に出すパターン。別に間違いじゃありませんが、TVなどでは「吾輩は猫である」を残したまま後ろに「名前は まだない」を追加することがあります。

この効果の違いは一目瞭然です。後者の場合は「吾輩は猫である」の文字が表示される時間が長くなる=読み取れる時間の余裕ができる。加えて、前後の文脈をトータルで読めるので意味が入ってきやすい。

まあこのサンプル動画は文章も単純だしそんなに長くないので、前者のパターンでも余裕で読めますが、長文だとこうしないと前半を読み終わる前にテロップが消えちゃう、なんて問題がよく起きます。

字が読めるか? それが大事。

みなさん、こんなふうにコメントフォローを一枚ごとに入れ替えていませんか? しかもけっこう細かく区切って一言単位で入れ替えたほうが、何かエネルギッシュな感じがして楽しそうだからか、チャカチャカ文字が入れ替わるのをよしとしている気風すら感じる。

まあそれでも大抵の場合は何とか読めるし、音声も聞いているから意味はわかりますけど、今の字数、その尺ではちょっと追いきれないな、と思う時がたまにあります。

WEBの場合読めないなと思ったら一時停止や繰り返し再生をして読めばいいので「字を追いきれない」ことに関するケア意識がちょっと希薄なんだと思います。しかしTV放送だと(HDD録画や見逃し配信の視聴が当たり前の時代とはいえ)一回の放送で読みきってもらえることが大前提にあるので、このサンプル動画のような出し方をすることが多いのです。

別にどちらが正しいとか間違っているとか言いたいわけじゃありません。でも自分みたいな映像畑の人間が視聴すると、後者の「追加パターン」でコメントフォローを入れてくるクリエイターさんを見かけると(めったにいないけど)
「やるな、お主。どこで修業してきた?」と、ジャンプの漫画に出てくる腕っぷしに自信のある強い人みたいな感じでニヤリとします。

何が言いたいかというと、みなさんもぜひ取り入れてみてください。

え、何? めんどくさい?

いやいや好きで映像作ってるんでしょ。好きなら究めなきゃ!


……お仕事お待ちしております。








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