永遠のBYE BYE

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これまでのにゃん生で唯一「見えてる」と思っていた人からヨーロッパの小さな国から手紙が届いた。
初対面でわちきのプライベートを言い当てた人だった。
初対面の際に鬼の形相で睨みつけたれた事は今でも忘れない。
そこそこの美人で、色気もある人だったので、別の場所であっていれば忘れる筈がないと思っていた。
あとで彼女から理由を聞けた。
普通の人間は背後霊?守護霊?というものは先祖であったり同じ人間であることが殆どらしいのだが、わちきの場合は全てが「猫」であった。
そして初対面に関わらず、全ての猫の色柄、性別を言い当てた。
更に、それぞれの猫の名前までピッタリと言い当てた。
全く接点はなく、たまたまの飲み会の席で一緒になっただけ。
一時期、占い師としてテレビにも出たことがあったが、本人が疲れてしまった。
わちきの後ろにいる猫がとても強く、彼女のように見える人にとってはわちきが彼女の鬼の形相で睨まれたよりも数段怖かったようだ。
年に数回、彼女のバイト先の飲み屋で話をしたのは今から25年くらい前まで。その最後に店がはねるまで話して、その後、ファミレスで彼女の生い立ちを聞くことがあった。なぜ彼女がわちきにそんな話をしたのかわからない。いまだに謎。
でも、筆舌に尽くすことは出来ないほどの壮絶な人生を送っていた。
そして最後に彼女が「ユタ」と呼ばれる存在であるとのことを聞いた。ユタって?という状態であったわちきに懇切丁寧に教えてくれた。
本当のユタと呼ばれるような力を持った人はその力故に早死にすることが宿命付けられているとのことで、彼女ももう長くないなあ。と言いながら酒を飲んでいた。
そのことに関しては「なんだかなあ」と思っていた。
そして全ての友人の前から彼女は姿を消した。
まるで猫が飼い主に自分の死に姿を見せないように。
数年後、ルクセンブルクから手紙が来た。彼女からだった。
サーカス旅団と一緒に各地占いをして回っているが、自力で生活を維持するのが難しくなったとのことだった。
早く帰ってくるように伝えたが、聞き入れなかった。
そして今日、彼女から本当に久しぶりに手紙が届いた。
彼女の文字で以前の住所が書かれており、転送されて来た。
ただ封筒の中には別の筆跡の手紙があり、彼女が他界したことを告げていた。
彼女からの手紙には「悔いばっかり、でも天命」
世の中で言う、「普通の生活」と言うものをしてみたかった。
彼女の名前が刻まれた共同墓地の1つのブロックの写真があり、白い花が添えられていた。
なぜわちきに手紙を送ったかはわからない。でも、人間の先祖からは見放されて、猫に守られているわちきに何か言いたかったのかもしれない。
力のない、弱々しい文字で綴られた「BYE BYE」奴らしいと言えば、それまでかもしれない。今日はこれから少し飲みます。。。。。
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