ChatGPTで作る物語

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 パソコンに詳しい友人に、Microsoft Edgeを勧められた。スマホではChatGPTに3000円も払ってしまったのに、Microsoft Edgeではbingのチャットで進化したバージョン4のChatGPTを無料で使うことができる。しかも、会話のスタイルを選択することができ、 
・より創造的に
・よりバランスよく
・より厳密に
の3つから選ぶことができる。
 ChatGPTで小説を書くこともできると聞いたことがあるので、使ったことのない創造的なモードで面白いことができないかと考えた。
 私は、以前ギターを抱えた芸人さんがやっていたことからヒントを得て、3つのワードを与えてお話のあらすじを考えて、という遊びをやり始めた。試しに「植物学者、恋人、犬」という言葉でミステリーを書くよう指示をしたところ、現在NHKで放送中の牧野富太郎さんが植物学者として登場した。要約すると以下のような内容だった。

「牧野博士は恋人美和子と愛犬のコロと暮らしている→牧野さんが調査中に行方不明→恋人が彼を探し始めると次々に事件が起きる→牧野さんが発見した新種のムジナモのデータに重要な秘密があり狙われた→恋人美和子は牧野博士を無事に発見することができるのだろうか・・・。」

 ChatGPTがネット上にあるたくさんの情報を機械学習して、そこから文章を生成していることがよく分かる。2023年5月現在、植物学者と検索すれば朝ドラの主人公である牧野富太郎という言葉がたくさんあふれているはず。そのため主人公に設定されたのかなと思う。また、ムジナモを新種として発見したことも事実で、そこに絡めている点も面白い。ドラマや映画のあらすじ、という概念を理解して、適当な分量でまとめ、「・・・だろうか。」のように終わらせてくるあたりは流石だ。
 高校生の息子に、この試みと結果を伝えてみたところ、非常に興味をそそられたようで、しばらく夢中になっていた。自分が書きたい物語の構想があっても、自分は文章力がないので書けないが、いくつかのキーワードを入れて、悲劇にするとか、喜劇にするとか、恋愛ものにするとか具体的に指示を出すと、大体書きたかったような小説になったそうだ。題名を決めて、その小説の第1章を書いてというふうに書き進めていくこともできたそうだ。気に入らなければもう一度書き直してと指示することもできる。ただ、自分が思いつくもの自体が何かの二番煎じのようなものになりがちで、全く新しい発想の物語を作るのは難しいと感じたようだ。AIが書くものも、ネット上で学習したものなので、どこかで聞いたことがあるストーリーを作ってしまうのは人間もAIも同じかもしれない。
 彼はあまり本を読まないタイプで、読んでもライトノベルのような簡単なもの。漫画やアニメやゲームが好きな今どきの男子である。その彼にこれを10歳のときに与えられたらどうだったかと訪ねてみた。すると、意外な答えが帰ってきた。「今ほどの言葉や経験、知恵、発想とかがまだないので、どのように指示を出したらいいか分からず、そのうち飽きたのではないか」とのことだった。
 聞いた瞬間は、この子はこの凄さを分からないからそう言うんだな、と思った。でもよくよく考えると、これこそが私達が直面している課題だ。言葉や経験、知恵、発想がある人は、どのように指示を出したらいいか分かって、ChatGPTなどのAIを使いこなせるのだから。

おまけ・・・今回の画像:MIcrosoft EdgeのImageCreaterで、以下のプロンプトで生成してもらった。息子の作ったストーリーのイメージだ。
「ファンタジーなRPGもののゲームの世界のような、景色は青空と豊かな自然の中に飛び出していく主人公」

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