家裁調査官は心理職としてアリ?ナシ?経験から解説!!

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コラム
こんにちは!

人生のお悩みを電話相談で解決したい✨
ココナラ電話相談員
保育士そまり♪元家裁調査官
です😊

今回は、
心理職で働きたい!✨
と考える方に

「家裁調査官」は
アリか、ナシか?

について、
掘り下げていきたいと思います!


【結論】

私としては
ナシ
です!

これから、
その理由を
説明していきますね♪


1 家裁調査官に心理系の資格は必要?

家裁調査官は
裁判所のHPを見ると、
家庭裁判所調査官は,家庭内の紛争解決や非行少年の立ち直りのため,心理学,社会学,社会福祉学,教育学などの専門的な知識や技法を活用して調査活動などを行う家庭裁判所の職員です。
と紹介されています。

採用試験の試験科目には
心理学
が含まれています。

けれど、
家庭裁判所調査官になったり
昇進したりするのに
資格は必要ありません。

私の同期には、
スキルアップのために
臨床心理士や公認心理師の資格を取る人もいました。
働きながら大学院に通って、こうした資格を取る人もいました。

そもそも、
公認心理師の受験資格
を得るためには、
①心理系の大学院を修了するか、
②大学で心理学を学んだ後に2年間以上の実務
を経験しなければなりませんが、
実務経験年数として数えられる職場はごく一部に限られており、
その中の1つとして家庭裁判所が指定されています。

このような意味合いでは、
家裁調査官は、
心理学と密接に関係する仕事
だといえます。

では、
家裁調査官は、
いわゆる「心理職」
なのでしょうか?


「家裁調査官の仕事がわかる本」
という本には、
家裁調査官は、事件に関する法律的な枠組みを前提とした上で、紛争の当事者や少年に面接調査を行い、必要に応じて心理テストやカウンセリングを実施
とありますが、
実態はどうなんでしょうか???

2 「心理職」ってなに?

いわゆる「心理職」というのは、

心に悩みを抱えた人の相談・援助を行う
「心の問題の専門家」
であったり、

心理学を活かして働く
専門職

ということなのだろうと思います。

が、
漠然としていて
いまいちよくわかりませんね💦

そこで、ここでは、
心理職が一般的に活用する技術である

① 面接
② カウンセリング
③ 心理テスト

を業務とする職業
を「心理職」として
定義したいと思います。

3 家裁調査官と面接

先ほど挙げた技術の

①面接

について、

家裁調査官の主な仕事は
対面での面接調査が基本
なので、

家裁調査官は
「心理職の仕事」
を業務としているといえるでしょう。

ただし、
単に「ふんふん」と話を聞いているだけでは
事件は解決しません。
また、
当事者の激しい感情に巻き込まれかねません。

家裁調査官は、
「裁判所」の手続の一環で
話を聞いているわけですから、

事実がどこにあるのか
何が争いになっているのか
その背景は何か
解決のためにどうすればよいのか

といった視点を持ち、
じっくりと話を聞きつつも
冷静に見立てていかなくてはなりません。

家裁調査官は、
日々「面接技法」を勉強するとともに、
ケースを分析するための理論の枠組みを勉強しています。


4 家裁調査官とカウンセリング

さきほど、
「家裁調査官の仕事がわかる本」
という本の抜粋で、
カウンセリング業務も
家裁調査官の仕事の一つである
といった記載がありましたが、
どうなのでしょうか?

私の考えでは、
家裁調査官は
カウンセリング的なかかわりをするのは
とても難しい立場にある
ように思います。

というのも、
カウンセリングというのは、
厚生労働省のHPによると、
カウンセリングは、主に心理の専門家がクライエントや患者の話を傾聴したり受容したりしながら、クライエントや患者の心情や状況の理解に努めることによって、主体的に問題の解決を行っていけるようにサポートすることを指します。
とあるます。

一見、家裁調査官の仕事も
これと同じような部分があるように
思えますが、

一番の“かなめ”である
「主体的に問題の解決を行っていけるようにサポートする」
という点において、
難しいと思うのです。

というのも、
家裁調査官の調査は、
裁判所の法的手続の一つであり、
担当裁判官が最終的な判断をするための
「調査活動の一環」なので、
当事者や少年の心理的な問題解決やサポートに
主軸は置かれていません。

また、
当事者や少年とは、
その人たちが裁判所と関わりを持つ
一時的なタイミングしか
関わりを持つことができません。

人が問題を解決したり
解決できるようにサポートするには
ある程度の期間を要すると思いますが、
継続的に関わることは
なかなかできないのです。

また、少年事件においては、
親的な役割や
教育者的な役割が
期待されるところですが、
実際には
少年と会える機会は
1〜3回であることが多く、
意識変容や
継続的に指導するまでの
関わりは
なかなかできません。

こうした点で、

家裁調査官になったら
カウンセラーのように
少年らと関わりたい

と思っていたら
なかなか思うような活動は
できないように思います。

5 家裁調査官と心理テスト

家裁調査官は、
採用後の研修期間に
様々な心理テストを学びます。

家裁調査官が学ぶ心理テストは、
よくある4択心理テストなどとは違って、

ロールシャッハテストやTATなどの人格検査や
知能検査
発達検査などの、

科学的根拠を前提とした
心理検査です。

ただ、これらの心理テストは、
実施にどれも時間がかかってしまいます。

先ほど
「4 カウンセリング」
の項目でもお伝えしたように、
家裁調査官は
少年や当事者と会うにあたって
時間的制約があるので、
それが
心理テストの実施する時にも
大きな障壁となってしまいます。

また、
心理テストは、
実施するだけでも1時間以上かかるものがありますが、
その解釈にとても時間がかかります。

そして、解釈するには
知識と技量と経験
が必要となりますが、
一人で何件もの事件を抱える調査官にとって
勉強と実施と訓練の時間の捻出は
なかなか難しいところです。

また、心理テストは、
面接では語られない深層心理を読み解くためのものであり、
あくまでも補助的なツールです。
基本的には
面接での言葉のやりとりが
ベースとなります。

家事事件では、
心理テストを効果的に使う場面は
ほとんどないでしょうし、
少年事件では、
鑑別所の鑑別技官が一連の心理テストをやるので、
家裁調査官が心理テストをする機会は
なかなかありません。

こういった点で
家裁調査官は、
世間で言われているより
心理テストを実施する機会が
少ないと思います。

6 まとめ

家裁調査官は、
あくまでも裁判所職員であり、
心理支援ではなく、
裁判官への
情報提供や処遇選択などへの意見が
求められている
案外ドライな仕事です。

そこには
「裁判所」という
組織で働いている制約が
とても大きいように思います。

そう考えると、
私としては、
心理職としては
ナシ
との結論となります。

ですが、
心理テストやカウンセリングの技術が
全くいらない仕事かといえば、
そうではなく、
それらは
面接の補助手段となったり、
傾聴の技術を得る上で
大きな糧になり得ます。

実際に
家庭裁判所に籍を置きつつ
学会にも所属し、
論文を発表する研究熱心な人もいます。

現場に立ちつつ
臨床心理学や犯罪心理学などの発展に貢献することも、
非行の予防や家族の幸せにつながっていくのかもしれません。

もちろん、
面接の臨床経験は、
豊富に積み重ねることができる仕事です。

心理系の仕事の中で、
安定してお給料をもらうことができるというのも
魅力だと思います。

また、
心理学に特化していないということは、
法学や社会学や教育学などの
多種多様なバックボーンを持つ人たちが
集まっているということでもあり、

ここは家裁調査官の魅力だと思います!

「心理職」
というくくりでは
ナシ
なのですが、
とても魅力的なお仕事であることに
変わりないです❤️




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