家裁調査官のお仕事〜少年事件編〜

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コラム
こんにちは!

人間関係のお悩みを電話相談で解決したい✨
ココナラ電話相談員
保育士そまり♪元家裁調査官
です😊

今回は
「少年係の家裁調査官のお仕事」
についてお話します。
少し長くて
小難しい話になるかもしれません🙏💦

1 少年事件と家裁調査官とは?

皆さんは
少年事件の手続きに
「家裁調査官」という人たちがかかわっている
ということをご存知でしょうか?

少年係の家裁調査官のお仕事は、

事件を起こした少年や保護者と会って

・なぜ少年はこのような犯罪をしたのか?
・こうした犯罪を繰り返さないためにはどうしたらよいのか?

ということを考え、

「少年調査票」
を作り、

・この少年は少年に行くのが相当💨
・この少年は家に帰しても大丈夫🆗

といった意見を
裁判官に伝えることです。

多くの場合、
家裁調査官の意見は、
そのまま裁判官の判断に反映されます。

家裁調査官の調査は、
少年審判のなかで
非常に重要な役割を果たしています。

今回は、
私が少年係の家裁調査官だった時のことを
思い出しながら、
家裁調査官のお仕事
についてお伝えしようと思います⭐️

2 「犯罪少年と会う」とは?

「犯罪少年」というと、
どんなイメージを持たれるでしょう???

酒鬼薔薇事件から30年近く経って
少年事件
〜凶悪犯罪
〜キレる17歳
といったイメージは
もはや薄れてきているかもしれませんが、
それでも、

・犯罪をする子って、忍耐力がなくてすぐカッとなっちゃうんじゃないの?
・コミュニケーションがうまくできない子が多いんじゃないのかな?
・自己中で相手の立場や気持ちを理解できないんじゃない?
・年齢より精神的に幼いと思う。
・モラルに欠けているから犯罪をするんじゃない?

といったイメージを持たれるかもしれません。

そして、

・そんな少年と会って危なくないの?
・顔や名前を知られて、大丈夫なの?

と思うかもしれません。

犯罪少年と対峙するなら、
屈強な男性の方が良い💪
と思われそうですよね。

ところが、
家裁調査官という職種は
女性がとても多いのです。
(令和5年度採用試験の最終合格者数の女性の割合は84%!!)

実際のところ、
家裁調査官が少年と会うのは、
裁判所や鑑別所などの
防犯設備が整っている場所なので、
危ない目に遭うことは
そうそうありません。

少年の方も、
家裁調査官に対する自分の言動が
自分の処遇(審判の結果)に
どのような影響を与えるのかを
わかっているので、
案外きちんと対応してくれます。

そして、家裁調査官が少年に対してフィジカルな対応をすることは
ほとんどないので、
女性だから対応しきれない
という場面は
そうそうありません。

家裁調査官が犯罪少年と会うのは
少年に自分の話をしてもらうためですから、
「話しやすい」という意味合いでは
屈強な男性よりも女性の方が
話しやすいということも考えられます😊

3 熟練の家裁調査官とは 

女性であろうとなかろうと、
何年家裁調査官をやっていようと、
初めて会う少年や保護者に緊張するのは
変わりません。

家裁調査官は、
少年と会う前に
「事件記録」で
事件のあらましや
少年の家族関係・生活歴などを
読み、
まだ会っていない少年のイメージを膨らませます。

少年と会うまでは、

・こんな事件をするなんて、なんてひどい奴なんだ😡💨
・被害者の気持ちを思うと許せない😡💨
・絶対に家に帰すことはできない😡💨

と思うことも多々あります。

ところが、
いざ少年に会ってみると、
もともと抱いていた評価が悪すぎて、
少年の態度がごく普通であっても
実際以上に印象が良くなってしまうことがあります。
(心理学で言う対比効果)

家裁調査官は、
もともと共感性の高い人達が選ばれており、
採用後も
傾聴するための研修や訓練を
たくさんするのですが、
そうした人ほど、
できる限り少年に信頼してもらい、
自分のことを語ってもらって、
適切な処遇を検討したい
と思うので、
少年に迎合するような
態度をとってしまうことがあります。

何度か会うことによって、
情がわくこともあるでしょうし、
(ザイオンス効果)

罪を認めて自分と向き合おうとしている少年を
より困難な状況に置かせる(少年院送致など)ことについて
少なからずためらいを抱いてしまう
ということもあり得ます。
(罪悪感)

「熟練の家裁調査官」は、

・次々移り変わる自分の感情に惑わされず
・罪を憎んで人を憎まずの精神で
・プロとしての専門的判断を導ける

域に達した家裁調査官

だといえるでしょう。

4 まとめ

少年の処遇を最終的に判断するのは、
裁判官
です。

家裁調査官は、
裁判官が少年にとっての最適解の処遇を選ぶための材料を提供する
とても大事な存在です。

現場ではいくつもの事件を抱えているわけですから、
一人一人の少年に対して
最大限の力量を注いでいるかというと
難しい現実もあるでしょう。

私は、裁判所という
超真面目な組織文化の中で
常に「ミスをしない」ことが優先されて、
思うように動けないこともありました。

ですが、
調査を進める中で
少年が自己理解を深め、
人生を仕切り直すと前向きになった姿を見た時は、
とてもやりがいを感じました。

少年係の家裁調査官は、
事件に追われながら、
自分の感情と
プロの仕事をしなければならないという気概と
司法の枠組み
の中で
日々戦っているのです!

今回は、
長くて小難しい話に
なってしまいました💦

私は今、
現役保育士であるとともに、
ココナラの電話相談員として働いていますが、
家裁調査官の時に培った
共感性や
プロとしてのマインドを
役立てていきたいと
思っています😊





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