“ズラし” が出来れば微分も出来そう

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最近、Malliavin 解析のお勉強をしている者です。

参考書で覚えた内容の概略なんかをたまにブログにしたりしているのですが、それに関連してさっき一つ思いついたことがある というお話です。

まずは下準備として Malliavin (方向)微分 D_h に少し触れておきます。

W(k) を引数がヒルベルト空間 ( < , > で内積) のブラウン運動 (ガウス族とかの方が適切?) 、f を都合のいい性質を持つ関数とする。

D_h f(W(k)) = f'(W(k)) <h, k>

として Malliavin (方向)微分 D_h が定まる。

かなり大雑把には Malliavin 解析はブラウン運動の汎関数に対する解析学であり、今はその汎関数の中でも簡単な形をしているものに対して微分を定義したという訳です。


ところでこの式

f( W(k) +  t <h, k> )

という式を t について微分した式になっていますよね。


そこで、T^h_t というブラウン運動の “ズラし” 写像

T^h_t  W(k) =  W(k) + t <h, k> 

として定めると

D_h f(W(k)) = d/dt f( T^h_t W(k) )

と書くことが出来ます。

もし、

f( T^h_t W(k) ) = Γ(T^h_t) f(W(k))

を満たすような Γ(T^h_t) という操作が定義できるなら

D_h = d/dt Γ(T^h_t)

と書いてもいいような気がしませんか?


実際、普通の微分というのも引数のズラしを考えて定義するわけですし、微分の操作を指数関数に代入するとズラしの操作が再現されるというお話もあります。
Malliavin 解析でも似たようなことが出来ないのかな
というお話でした。
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