意思決定の数学

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先ほど “データサイエンス” なるものがどのように企業で用いられているのかというお話を伺っていたのですが、これって統計学のことですよね。
...なんで横文字にしたがるんでしょう?

押井守の『ニッポン人って誰だ!?』でも 日本人は編集が大好き というようなことが載っていましたが、そのあたりの癖が出た結果なんでしょうね。


ということで、統計学を用いると人の意思決定に影響を与えられるかもしれない というお話です。

おそらくご想像の通り、話の背景は
橘 玲. (2021). スピリチュアルズ 「わたし」の謎.: 幻冬舎.
を参考にしています。(以降、『スピリチュアルズ』。)

後半は
廣瀬 英雄. (2022). 推薦システム.: 共立出版.
を参考にしています。(以降、『推薦システム』。)


では、『スピリチュアルズ』に出て来た意思決定のお話です。
この部分を要約すると

ケンブリッジ・アナリティカという選挙コンサルタント企業が
・SNS のデータからその人物のパーソナリティーを分類する。
・相手のパーソナリティーに応じて最適な広告を表示する。
ということを行って大戦果を挙げた。

という話が載っていました。

『スピリチュアルズ』はこの前者の
・SNS のデータからその人物のパーソナリティーを分類する。
という方に関心があるようで、これ以降はそのパーソナリティーのパラメーターがどのようなものがあるかという話が続いていきます。
そして、これはかなりの精度でのパラメーターの推定が出来るようです。


では後者の
・相手のパーソナリティーに応じて最適な広告を表示する。
の方はどうでしょうか?
Wikipedia によるとこちらはまだ改善の余地があるようです。

これに関連した話題としまして Netflix Prize というアルゴリズム・コンテストを紹介したいと思います。

端的には “おすすめ” の精度を競う賞金100万ドルのコンテストになっており、優勝したグループは Netflix の元々のアルゴリズムより 10.06% 改善したアルゴリズムを提出したそうです。
 (『推薦システム』ではここで用いられていた様々な技術について学ぶことが出来ます。)


これをもう少し進めたことが出来ればケンブリッジ・アナリティカの仕事をより洗練された形で再現できるのでは
と考えるのは自然なことではないでしょうか?

特定の行動へ誘導するような広告を生成 AI で何種類も用意
それぞれの広告のパーソナリティーに応じた影響力をアルゴリズムで評価
目標となる人間のパーソナリティーに応じて影響力の大きい広告を表示

ここでの広告とは別にポスターでなくとも文章でもなんでも構わないのですが、とにかく大量に用意できれば影響力を担保出来る気がしませんか?

心理戦争という言葉がありますが、その戦争における戦略爆撃のようなものが出来ないかな
というお話でした。
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