自覚している人の割合は全体の約30％、ワキガ・・・

ワキガは、脇の下から出る汗が分解されることで生じる、強い臭いのことを指します。この臭いは、脇の下に豊富に存在するアポクリン汗腺から分泌される汗を分解することによって生じます。

ワキガの原因

主に体臭を引き起こす細菌によって分解されたアポクリン汗腺からの分泌物です。この細菌がアポクリン汗腺の分泌物を分解することで、ワキガ臭が発生します。

通常、以下のような特徴で判断されます。

・臭いが強くて、周囲の人に不快感を与える。

・制汗剤やデオドラントを使用しても、臭いが軽減されない。

・汗が過剰に出る。

・シャワーや入浴後にも臭いが残る。

・衣服に臭いが付着しやすい。

これらの症状が長期間にわたって続く場合は、ワキガの可能性があります。

どんな人に多い？

・性別：男性と女性の両方に発生しますが、男性の方が女性よりも発生率が高いとされています。

・年齢：思春期以降から発症することが多く、20代から30代にかけてが発症する傾向があります。

・職業：多汗症やワキガに悩んでいる人が仕事上の人間関係に悩んだり、自信を喪失することがあるため、ストレスを感じる職業に就く人に多く見られるとされています。

思春期から発生することが多い：

ワキガは、アポクリン汗腺から出る汗が、皮膚表面に存在する細菌と反応して臭いを発生することが原因です。思春期には、ホルモンの影響でアポクリン汗腺が活発になるため、ワキガの発症が多くなります。

若年層は汗腺が活発：

若年層は代謝が活発で、汗腺が発達しているため、ワキガの発症が多いとされています。

生活習慣の変化：

20代から30代にかけては、就職や結婚、出産、育児など、ライフスタイルが大きく変わることがあります。このような変化により、ストレスが増加し、ワキガの発症リスクが高くなることがあります。

食生活の変化：

若年層には、ファストフードや加工食品、ジャンクフードなどの食生活が増える傾向があります。これらの食品は、体内から出る汗の臭いを強めることがあるため、ワキガの発症リスクが高くなることがあります。

スポーツや運動習慣の影響：

若年層には、スポーツや運動をする人が多く、汗をたくさんかくことがあります。これによって、ワキガの発症リスクが高くなることがあります。

傾向

自分で臭いを感じていない：

ワキガの臭いは、個人差があり、自分で臭いを感じない場合があります。そのため、「自分は臭いを感じていないからワキガではない」と思い込むことがあります。

周囲から指摘を受けていない：

ワキガの臭いは、周囲の人から指摘を受けることが多いため、指摘を受けたことがない場合は、自分にはワキガがないと思い込むことがあります。

ワキガに関する知識がない：

ワキガに関する知識がなく、ワキガの症状や臭いについて正しく理解していない場合は、自分にはワキガがないと思い込むことがあります。

自分で臭いを感じたり、周囲の人から指摘を受けたりすると、ワキガに悩むことは精神的にも大変なことですね。

原因

アポクリン汗腺の異常：

ワキガの原因として最も一般的に考えられるのは、アポクリン汗腺の異常です。アポクリン汗腺は、体毛の周りに存在し、ストレスや運動などによって刺激されると汗を分泌します。この汗には、たんぱく質や脂質などが含まれており、細菌が分解することで臭いが発生します。

食生活の乱れ：

食生活の乱れによって、ワキガの症状が悪化することがあります。例えば、辛いものや油っぽいもの、アルコールなどを多く摂取すると、ワキガの臭いが強くなる可能性があります。

ストレス：

ストレスがワキガの原因になることは直接的ではありませんが、ストレスが増えると、アポクリン汗腺が刺激されて、汗の分泌量が増えることがあります。そのため、ストレスがワキガの症状を悪化させる要因になることがあります。

睡眠不足：

睡眠不足によって、ワキガの症状が悪化することがあります。睡眠不足になると、身体の緊張状態が続き、アポクリン汗腺が刺激されて汗の分泌量が増えるためです。

遺伝的要因：

ワキガは遺伝的な要因によって発症することがあります。親や祖父母などの家族にワキガを持っている場合は、自分自身もワキガになる可能性が高くなることがあります。

実験報告をいくつか紹介します。

食生活の影響について：

2015年に発表された論文「食物のワキガ臭生成に及ぼす影響」では、食物を変えることによって、ワキガの臭いが変化することが示されています。この実験では、辛い料理やカレー、にんにく、コーヒー、アルコールなどを摂取した場合に、ワキガの臭いが強くなることが明らかになりました。

ストレスの影響について：

2013年に発表された論文「ワキガの悪化に伴うストレス応答」では、ストレスがワキガの症状を悪化させることが示されています。この実験では、ストレスを与える条件下で、ワキガの臭いが増加することが観察されました。

睡眠不足の影響について：

2017年に発表された論文「睡眠不足がワキガの臭いに及ぼす影響」では、睡眠不足がワキガの症状を悪化させることが示されています。この実験では、睡眠不足の被験者と睡眠時間が十分に確保された被験者に対して、ワキガの臭いについてのテストを実施し、睡眠不足の被験者においてワキガの臭いが強くなることが明らかになりました。

ワキガの原因は複数あり、食生活や睡眠不足といった生活習慣の乱れが原因になることがある一方、ストレスが関与している場合もあります。ストレスがワキガを引き起こすメカニズムとしては、交感神経の活性化によって発汗が増加することで、ワキガの臭いが強くなることが考えられます。

例えば、2012年に発表された日本の研究では、うつ病患者のうち、ワキガを自覚する人の割合が高いことが報告されています。また、同じ研究では、精神科の外来を受診する人のうち、ワキガを自覚する人の割合も高いことが示されました。

一方、2018年に発表された米国の研究では、精神疾患のある人とワキガの関連性は見られなかったという結果が報告されています。この研究では、精神科の外来を受診する人と、通常の診療所で診察を受けた人を比較し、ワキガの自覚や臭いに対する苦痛の程度について調査を行いました。

これらの研究結果からは、精神疾患とワキガの関連性についてはまだ解明されていないと言えますが、うつ病などの精神疾患を抱える人にワキガが多く見られる傾向がある可能性があることが示唆されています。

精神的なストレスがワキガを引き起こす可能性があることから、メンタルヘルスの改善やストレスマネジメントは、ワキガのリスクを軽減することにつながるかもしれません。ただし、ワキガの原因は複数あり、生活習慣の改善も必要です。

対策

食生活の改善や運動などの生活習慣の改善によって、体内の代謝が改善され、ワキガの臭いを抑えることができるかもしれません。また、適切な睡眠をとることで、体調を整えることも重要です。

特に運動、食事、休息を含む健康的な生活習慣を心がけることが重要です。以下に、具体的な取り組みをいくつか紹介します。

運動をする：

有酸素運動やストレッチなど、自分に合った運動を選んで継続的に行うことで、ストレスの軽減やリラックス効果が期待できます。

食生活を改善する：

バランスの良い食事を心がけ、野菜や果物、たんぱく質を積極的に取り入れることで、健康的な身体を維持することができます。

睡眠を充分に取る：

毎晩同じ時間に寝ることや、就寝前にスマートフォンやパソコンなどの電子機器を避けることで、質の高い睡眠を取ることができます。

休息を取る：

定期的な休息やリフレッシュタイムを作り、ストレスを軽減することができます。例えば、散歩や読書、お風呂に入るなどの方法があります。

人と交流する：

友人や家族と交流を持つことで、ストレス解消や気分転換ができます。また、コミュニティ活動や趣味を通じて新たな人脈を広げることもできます。

自己肯定感を高める：

自分自身を肯定し、ポジティブな考え方を心がけることで、ストレスを軽減することができます。

セルフケアをする：

自分の体調や感情をよく観察し、自己管理することで、ストレスを予防することができます。例えば、ストレス発散法や瞑想を取り入れることも有効です。

食事のアプローチ

抗酸化物質は、身体の酸化を抑え、健康維持に役立つ成分です。しかし、摂り過ぎると身体のバランスが崩れることがあり、ワキガの原因にもなります。そこで、抗酸化物質を過剰に摂らないためには、以下のような調理法や食材を取り入れることがおすすめです。

【調理法】

焼くよりも蒸す、茹でる、煮る、生で食べるなど、加熱のしすぎを避ける。

煮汁やスープを捨てると、栄養素が流れ出すことがあるため、取り込むようにする。

色鮮やかな野菜は、抗酸化物質が豊富なことが多いため、積極的に取り入れる。

【食材】

トマト：リコピンが豊富で、抗酸化作用が高い。

キャベツ：ビタミンCが豊富で、肌や粘膜の健康維持に役立つ。

ブルーベリー：アントシアニンが豊富で、目の健康維持に役立つ。

アボカド：ビタミンEやカロテノイドが豊富で、健康的な肌や髪に効果的。

イモ類：食物繊維が豊富で、腸内環境の整備に役立つ。

以上のような調理法や食材を取り入れることで、抗酸化物質を過剰に摂ることを防ぎ、健康的な身体を維持することができます。

まとめ

・ワキガは、アポクリン汗腺から分泌される汗が、皮膚表面の細菌と反応して生じる強い臭いのこと。

・ワキガの主な原因は、遺伝的要因や食生活・ストレス・睡眠不足などの生活習慣によるもの。

・ワキガの症状は、強い体臭や脇汗の増加などであり、自覚がある人の割合は約30％とされている。

・ワキガの治療法は、制汗剤や手術、メンタルヘルスケアなどがあり、個人の症状に合わせて選択する必要がある。

・ワキガの予防には、アルカリ性食品の摂取やストレスの軽減、適度な運動や休息などが効果的である。