いつでも夢を

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ブログにお越しいただきありがとうございます。
認知症の方と音楽が大好きな、ケアマネピアニストのHitomiです。

難病を罹って中途で失明した70代の女性Tさん。
美しいものが好きで、日本の文化が好きで、美味しい和食が好きで
本が好きで、映画が好きで、ワインが好きだったそうです。

それらを全部諦めて、私の勤める施設に入所してきました。

何の楽しみもない、何もできない
耳がいいのに、大きな声で怒鳴られる恐怖。
急に車椅子を動かされる恐怖。
施設の味気ない単調な食事に、食欲はどんどん落ちて痩せていきました。
車椅子に座りっぱなしで、身体も歪んでいきます。

『何か希望はありますか?』とお聞きしたら
『静かなところに行きたい』と。

今日、Tさんの静かな部屋で一緒に音楽を聴きました。
橋幸夫と吉永小百合の ”いつでも夢を”
曲がかかると、いつも閉じられているTさんの瞳が大きく開いて
美しいお顔になりました。

それをお伝えすると、頬がピンクになって嬉しそう。
『こんないい曲ないわよね』と喜んでいる様子。

最後に『握手しましょう』と私が言うと
布団に入れていた両手を出して、私の手を握ってくださいました。

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