今回は、IB生であれば、全員が受験する必要がある最終試験(Final Exam)についてお話しします。
投稿者について
アメリカのテキサス州に4年、ペルーに4年滞在。
都立国際高校IBコースに主席で合格
IB特有の問題についていけず高校2年次では成績がクラス最下位に
試行錯誤の末,IBの対策方法がわかりFinal Score 39点取得 (45点満点)
トロント大学や北海道大学の工学部に合格
IBはなかなか大変と聞くけど、
子供を入れるか心配…という親御さんは必見です!
国際バカロレアについての情報がまだまだ少ないと思うのですが、
国際バカロレアの卒業生の立場から最終試験について書いていきます。
参考になれば幸いです:)
そもそも国際バカロレアの最終試験って何?
まず最終試験というのは、感覚としては、日本で言う共通テストのようなものです。最終試験はIBスコアの計算に大きく関わってきます。
IBスコアとは大学受験の際に、海外の大学及び国内の大学を受けるときに提出が必須になってくるスコアです。
最終試験は高校3年生の5月か11月に受ける必要があり、
高校2年生の段階で選択する科目ごとに試験を取る必要があります。
ちょうどこのノートを書いてるのが11月なのですが、現在の高校3年生のIB生は、ちょうど最終試験が終わった位の時期です。
10月末から11月初旬にかけて約2週間から3週間の期間で最終試験があります。
最終試験のスケジュールは、国際バカロレアの公式サイトに載っています
最終試験はなぜ重要なのか?何に使われるのか
上記でも記述した通り、最終試験はIBを卒業する上で必ず受けないといけない試験で、海外大学及び国内大学を受験する上で必須のIBスコアに直接響きます。最終試験の点数が低いと、IBスコアも低くなります。
1つ言えるのは、GPA/成績が悪かったとしても、最終試験で挽回できればIBスコアは良くなるので、GPAが低いからといって海外大学の受験を諦めなくても大丈夫です。(ただアメリカの大学はGPA結構見るのでこちらは要注意です。)
だから最終試験がIBにとっては非常に大切です。
最終試験の内容は、国際バカロレアに入ってから、高校2年生から3年生にかけて学ぶ内容が試験で問われます。
IBスコアってどのように計算されるの?
IBスコアは全部で45点満点です。 各科目が7点満点、そしてExtended EssayとCASによるAdditional Scoreで3点追加になります。
Extended Essay とCAS について詳しく知りたい方は、こちらのノートを見てみてください!
式で表すと以下の通りです。
7 points ✖️ 6 subjects + 3 additional points = 45 points
そして上記である各科目の7点、というのが最終試験の結果によって決まります。
詳しくは最終試験だけではなく、IAという科目ごとのアセスメントもIBスコアに影響するのですが、最終試験と比べるとそこまで影響力はないです。
当時のIBスコアを大公開
IB生だった頃の選択科目と点数です
英語B HL(7 points / 7)
数学AA HL(5 points / 7)
化学HL(6 points / 7)
国語 A SL(7 points / 7)
歴史 SL(5 points / 7)
物理 SL(7 points / 7)
Additional points(2 points /3)
Total:39 points / 45
最終試験の内容
科目によってスタンダードレベル(SL)を取るか、ハイヤーレベル(HL)を取るかで多少変わってくるのですが、どの科目も一貫して同じ構成の最終試験になります。
Paper 1, Paper 2という2段階構成になっており、
Paper 1 が理系の科目(物理,生物,化学)では大体30問程度の選択問題になります。文系の科目(国語、歴史)では短めの記述問題です
Paper 2が全科目記述問題なります。
例えば、歴史ではMussoliniの政権によるその後のイタリアへの影響について政治的、経済的な側面から論じなさいといったような質問が出ます。
今振り返ると、なかなか面白い試験内容だなと思います。
Higher levelを選択した科目ではPaper 3 が出る可能性があります。
Paper 3 も Paper 2と同じく記述問題です。
ただ、内容がオプショントピックからの問題になっており、スタンダードレベルの生徒たちは、このトピックを学習しないため、Paper 3はHLレベルの人たちだけが受けます。
科目ごとの最終試験の内容・難易度
それでは、もう少し具体的に最終試験について想像できるよう、科目ごとの最終試験の内容と難易度について過去問も扱いながら詳しく触れていきたいと思います。
数学
数学の難易度は高いです。なかなか数学を記述で答えると言うアイビー特有の問題方式になれるのに相当な時間がかかりました。
Paper 1, Paper 2 はどちらも記述です。
IBでは全ての問題の途中式が加点の対象になるため、最終的に答えが間違っていたとしても、半分取れたりします。
化学
個人的には、難易度は数学より高いイメージです。
(数学の方が点数は低かったのですが..笑)
Paper 1 が選択問題、Paper 2 が記述問題です。
Data bookletとは??
例題にも出ているdata bookletですが、
私の先生は"that is your bible"と言うくらい、非常に役立つノートです。
なぜなら、試験中に使えるからです。
さらに、公式や周期表、化学反応式など、通常日本の教育カリキュラムでは覚えないといけないものが全て入っています。
いわゆる"cheat sheet"が公式のIBからいただけます笑
歴史
こちらは冷戦(cold war) についての問題です。
歴史では人物や年代、誰が何をした、who, what をひたすら覚えるという日本の教育カリキュラムとかけ離れています。
IBがフォーカスするのはwhy, how です。
そしてだからこそPaper 1,2全てが記述です。
もし歴史を英語で取られている場合は、かなり高いレベルの英語力が必要になってきます。
国語
IBの国語も歴史と同様、またはそれ以上、日本の教育カリキュラムと全く違います。
国語の難易度は他の科目よりも簡単だと思っています。
分析批評はDP1,2と2年間かけて授業でずっとやるので、最終試験をする頃にはある程度書く力がついているはずです。(先生の技量にもよります)
まとめ
最終試験について解説しました。
きっとお分かりの通り、
最終試験はIBスコア、つまり大学進学先に大きな影響があります
したがって、科目ごとの最終試験の難易度も含めて高校2年の科目選択をするのをお勧めします!
他の科目の最終試験の過去問についてなどはまた別途お問い合わせください
それではまた次回~
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