ゼロ円マイホームの土地の探し方(2)

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前回のつづき


前回は、ゼロ円マイホーム(賃貸併用住宅)づくりのための土地の探し方❶、❷までお話したので今回はその続きです。

ちなみに、❶、❷の内容はこんな感じでした。

❶最初に融資額がどの程度出るか、適当(本当に買うときめていなくてもよい)な物件を購入すると言って金融機関に仮審査を申し込みます。

❷(できるだけ自分の条件を緩めて)広いエリアで土地を探します。
もし見られていない場合には先にこちらをご確認ください。





今回は、上記に続いて3番目からです。
❷は、自分でできる範囲の大まかな最初のスクリーニング(ふるい分け)でした。

そもそも、土地の基本的な成約条件である建ぺい率、容積率を満たしているかだけを気にしていたものです。

最初に、今後の流れを最初にさらっと見ておきましょう。
詳しい解説はあとで個別にしますね。

❸融資額の範囲内で、土地と建物大体の金額を決めて探します。

❹簡単な収支計算をします。

❺設計士に図面を書いてもらい詳細検討をします。

❻詳細検討までOKなら土地の買い付けをします。

❼土地の買い付けを入れたら建築請負契約をします。

手順通り進めば問題ありませんので、しっかり把握してくださいね。

ちなみに、この手順はゼロ円マイホーム(賃貸併用住宅)だけではなく、自分で土地から探して新築木造・鉄筋・RCなどを計画する時にも使えるスキルセットです。

私もこれを自分で一通り経験して、不動産投資家としての幅も広がったと感じています。ローンゼロ円の自宅を作ることが最初の目的ですが、一旦それを叶えてしまうと次の目標が出てくるものです。

自分のレベルが上がっていくにしたがってどんどん高みを目指せるようになるので面白いと思います。



では、個別に確認すべきポイントを見ておきましょう。


❸融資額の範囲内で、土地と建物大体の金額を決めて探します。


❷までは、単純に土地の条件としての建ぺい率、容積率を満たしているかだけのチェックでした。

ここでは、❶の融資額の範囲内で土地と建物が購入できるかを確認します。土地の金額を大きくすれば土地は見つかりやすいが、建物の費用が大きく取れず収支が合わない、という事が起こり得ます。

なので、ここはバランスが大事です。

土地の価格は土地の形や、駅からの距離、道路付け、土地の利用価値、街全体の発展性などによって変わってきます。

よく土地を探していて『やすっ!いい土地見つけた!』と喜んでいると借地権だった、ということがよくあります。借地権は地主さんがいてその土地を借りて建物を建てるという契約になります。いろいろ制限が多く、地主さんの了解なしに建替えたりできないので揉めるケースがあり銀行も融資がなかなか降りないこともあります。

ですので、土地は『所有権』一択ですね。

また、擁壁といって、崖や盛り土の側面が崩れ落ちるのを防ぐために作る壁がありますが擁壁のある土地もお勧めしません。擁壁のある土地は嫌煙されることから安いことがありますが、そもそも、地震などにも弱くなりますし、崩れた時には大きな損害を被ることになりますからね。擁壁のある土地は避けるようにしましょう。
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建物の金額予測については、あまり正確には最初の段階からわからないので、簡便な方法として坪単価を用います。

坪単価は賃貸併用住宅建設の経験があり信頼できる業者さんに情報を貰います。

実際には詳細検討の中で詰めていくものですし、どの程度こだわるかによっても変わってきます。あくまで大雑把な目安と考えておきましょう。

例えば、自宅部分(90㎡)と賃貸部分(30㎡×3戸)で併せて180㎡の延床面積が必要としましょう。

ここでは簡単に、坪単価で考えるとして一坪75万円だとの情報を建築会社から得たとしましょう。

一坪約3.3㎡ですから、180㎡の坪数=180/3.3=54.5坪

建築費用は坪単価×坪数=75万(円/坪) × 54.5(坪) =4088万円
こんな感じです。

最終的に、以下のような式に収まるか簡単に判断するようにしましょう。
自己余裕資金があればローンの金額が伸びなくても多少の背伸びは可能ですね。


(土地の価格)+(建物の価格)< (ローン額)+ (自己余裕資金)





❹簡単な収支計算をします。


ここでは収支計算をします。

❸でお金のつじつまは合う事がわかったとします。
で、将来この賃貸併用住宅は自分の求める収支バランスとなるのか確認します。

実際には❸と❹は同時にやるようなイメージです。

もし、ここでダメなら次の土地です!スパッと諦めて次の土地を探しましょう!

収支計算は、『ゼロ円マイホーム』の一番の要(かなめ)になります。

なぜ、賃貸併用住宅を作ろうとおもったかというと、賃貸収入で住宅ローンをゼロ円もしくは大幅に軽減したかったわけですからね!

以前に、賃貸ニーズの調査方法についても紹介しました↓

この調査で把握した築年数・平米数・駅からの距離などの条件による大まかな賃料相場を参考にします。

自分が建てようとしている賃貸物件の月の家賃相場から月の家賃収入を計算します。

例えば、新築時の家賃が7.5万円(共益費込み)だったとします。賃貸戸数は3戸だったとしましょう。

築年数が古くなるにしたがって家賃相場も落ちるのですが、ヒアリングしたところおおよそ10年で10%ほど落ち、その後はそれほど落ちず、30年で新築時と比較して15%ほど落ちると想定したとしましょう。

新築時、築10年、築30年でざっくり収支を計算しておきます。

新築時は収入が最大であることや、ローンの金利も上がるかもしれない、空室率なども考慮に入れて収支計算をしてみてください。



❺建築士に図面を書いてもらい詳細検討をします。


それでは、❹の収支も満足、という状態であれば、建築士に図面を書いてもらい詳細検討をしていきます。

この段階では、オーナー部分、賃貸部分それぞれの自分の要望を具体化していきます。部屋はいくつほしい。賃貸部分の具体的仕様はこんな感じで、、、、など建築士とコミュニケーションをとりながら進めていきます。

建築基準法だけではなくその街特有の条例による制限もあると思いますので、そのあたりも十分考慮してもらうようお願いしてください。

実際にこのような制限の中設計をしたところ、採光のため家を小さくしなければならないとか避難経路が必要だとか、諸々の条件を満たしていくと自分が思うような建物が建てられないということが分かることがあります。

その場合には残念ですが、また土地探しからやり直しです。

天空率など特殊な手法で制限をかいくぐることもできるようですので、そのあたりも建蔽率・容積率ぎりぎりまで検討したことのある熟練の建築士さんに依頼すべきですね。

この段階でOKであれば設計上はほぼOKという感じにはなりますが、多少の設計変更による床面積の上振れ、下振れなどは覚悟しておきましょう。ただ、自宅部分が50%以上ないと融資の条件として引っかかることを考えてその部分は問題ないか、建築士さんとも綿密に連携しておきましょう。



❻詳細検討までOKなら土地の買い付けをします。


❺の段階まで進むことができたら、次は土地の買い付けです。

この段階でも、融資の本審査はまだやっていない(銀行さんも具体的に何に融資をするのかその対象がわからないと融資の本審査がすすめられないため、土地契約や建築請負契約の後に本審査する流れになります)という段階です。

ここで注意すべきは、融資特約付きの契約をすべき点です。

融資特約というのは、『もし希望の融資が下りなかった場合、この契約を白紙撤回できる』というもので、手付金も全額返金できるような条項のことです。

この融資特約をを盛り込むことを絶対に忘れないでください。

もし忘れた場合何が起きるのかというと、最悪の場合手付金として払った百万円(~数百万円)が返金されない、という事になりえます。




❼土地の買い付けを入れたら建築請負契約をします。


❻で土地を抑えることができたら、今度は建築請負契約を建築会社と結びます。

ここでも、❻の土地の場合の契約と同じように、『融資特約付き』にすることを忘れないでください。

❼までたどり着いたら、あとは銀行さんに本審査の申込をして、その結果を待つだけです。

もし本審査の結果、融資額が減額されたり、金利が思った数値でなかった場合には融資特約を発動して土地の売買契約と建築の請負契約を白紙撤回することも可能です。

無事本審査がOKとなれば、あなたの仕事の70%以上は終わったことになります。

あとは、建築会社と相談しつつ間取りや備え付け家具やキッチンのデザインや仕様をきめたり、外構、外観などの仕様を決めて良く段取りになります。

このあたりは、賃貸併用住宅でなくても、一般に注文住宅を作る人はみんなが通る道ですのでいろんな情報が巷にありますので参考になります。

以上が、土地探しから建築請負契約までの一連の流れになります。

大変ですが、面白くもあります。

そして何よりゼロ円マイホームが完成したら、その後30年、40年稼いでくれるわけですから、十分に頑張る価値があると思います。経済効果としても数千万円は固いですからね。私の試算では、長期的に1億円も超えるとみています。

実際、土地探しから建築契約まで長い道のりです。

最初は勝手がわからず途中で何度も振り出しに戻ることになります。

何度も何度も繰り返すうちに、計算速度も速くなり土地情報をみて3分くらいで❹まではできるようなります。

是非ご自身のゼロ円マイホームを目指して頑張ってくださいね。応援しています。
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