土地探し(賃貸ニーズ調査編)

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 賃貸ニーズは不動産屋さんに聞け!


ゼロ円マイホームの最大のポイントは、とにもかくにも「賃貸ニーズ」です。

「賃貸ニーズ」が無い、もしくは弱い、というのが分かったらそこではゼロ円マイホーム(賃貸併用住宅)は建ててはいけません!



でも逆に、「賃貸ニーズ」が強いとういのが分かったら、ゼロ円マイホームを建てる条件の一つはクリアしたことになります。


ゼロ円マイホームを建てる時に何を一番重要視すべきか?と聞かれれば、

即座に「賃貸ニーズのあるエリアで建てること」と答えます!

では、賃貸ニーズはどうやって調査すればいいのか?

まずはネット調査で、次に不動産屋さんへヒアリング、最後に自治体の都市計画を確認しょう!


1.まずはネットで調査!

【ホームズ】不動産投資に役立つ!見える賃貸経営 (homes.co.jp)

ここで、都道府県別の賃貸住宅の総数と空室率を確認できます。
スクリーンショット 2023-09-09 064518.png

全国的にみてどのくらいの賃貸物件の総数があり、その空室率が一目で確認できるので便利です。

この空室率ですが、これは新築も築浅も築古も、広さ、エリア、駅からの距離も無関係に都道府県単位で情報をがさっとまとめているだけなので、平均値ということで考えてください。


 実際には、あなたが建てようとしている「ゼロ円マイホーム」のエリアで勝てるかどうか、を考えていく必要があります。

勝てるというのは、賃貸希望者から選ばれる物件、住み続けてもらえる物件ということですね。


例えば、東京都板橋区を選択すると地図が出てきて色が示されています。
この色は賃貸需要が高いほど赤色、需要が低いほど紫色で示されるようになっています。
エリアは色がついていないところは、賃貸物件が無いところのようです。
スクリーンショット 2023-09-09 064318.png

そのほか物件調査もここで可能です!

専有面積と賃料の関係
駅徒歩(分)と賃料の関係
築年数と賃料の関係
敷金の状況
礼金の状況
入居条件・設備条件の状況、などです。
スクリーンショット 2023-09-09 071224_物件調査-2-面積・駅徒歩.png

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かなりいろんな情報が整理されていますよね。


ただし、ここで注意すべきことを一つ。
皆さんお気づきかと思いますが例えば専有面積と賃料の関係をみた図で、
多少ばらつきつつも専有面積が大きくなると賃料も上がっていくということ。

そんなのあたりまえやん!ってまだツッコミは待ってください。
落ち着いて。落ち着いて。

例えば賃料が同じ10万円だとしても専有面積は25~48㎡くらいまで幅があります。
スクリーンショット 2023-09-09 071224_物件調査-2-面積.png


これは、賃料は専有面積だけで決まるわけではないということを示しています。
つまりそのほかの要素、設備や敷金、築年数、駅徒歩距離、日当たり、階数など様々な要因で賃料は上下する、という事です。

いやいや、待て待て。それも当然でしょ!というあなた。
流石です。そう、その通りです。

でも、この事実からわかるのは、我々大家として戦う際に、たとえ専有面積は小さかったとしても、そのほかの要素で勝てる可能性がある、という事です。

その費用対効果の高い要素を見極め、お金をかけていくという事です。ここが大家の腕の見せどころってわけですね!

できるだけお金のかからない、だけど入居付けに効果のあるものを優先順位をあげて実行していきます。





2.次に不動産屋さんに聞く!


古いかもしれませんが、情報は人から得るのが一番腹落ちしやすいです。

もちろん、一人二人ではだめで、5~6社くらいに聞いてみてください。


時間があれば是非対面で会って質問するといいと思います。

時間が無ければ、電話で確認してみてください。聞き方は以下のような感じです。


「今度賃貸併用住宅をこのエリアに建てようと思っております。」
「完成した際の賃貸物件の管理会社も探しているところです。」
「建てる前に、賃貸管理の専門家である御社に入居付けに有利な条件などお話をお伺いしたいと思っていますがご協力いただけますか?」

このような相談をすると、ベテラン営業の方や店長の方が対応していただけることが多いです。


ちなみに、私はこれまでゼロ円マイホームの計画や不動産投資検討のために50社以上にはこのようなヒアリングを実施していますが、断られたことはありません。
(不動産業者さんが高齢であまりこのエリアには不勉強で、答えられない、という理由で断られたことはあります)


こちらの得たい情報を得て終わりというスタンスではなく、

「物件完成後」に御社に管理をお願いする可能性があり、事前相談している状況ですよ、という相手にとってもメリットがあることを明確に提示してあげることが大事です。

そのうえで、ネットで確認した概要の深堀りをしていきます。

具体的には、以下のような質問です。

賃貸物件で物件供給数よりも賃貸需要の方が多い間取りはどれですか?
(予想される答えの例)
このあたりはファミリー層の賃貸需要が多いのですが3LDK以上は物件が不足しており空いたらすぐ決まる印象があります。

空室の募集をかけて決まるまでの期間は平均どのくらいですか?(繁忙期と閑散期それぞれ。間取り毎に違いがあれば間取り毎に教えてください)
(予想される答えの例)
間取りによる違いですがは、3LDK以上はすぐ(1か月以内)で決まる印象です。2LDKでも決まるのが早いですね。でもそれ以下の2DK、1LDK、1K、1Rなどは競合も多く決まりにくい印象はあります。これらの中では、設備が良い順、駅徒歩10分以内であれば比較的早く決まります。

このエリアの空室率はどのくらいの印象ですか?(ざっくりで結構です)
(予想される答えの例)
当社が管理を預かっている物件の状況ですと空室率5%以下ですね。ただし、これはあくまで平均の値であって、物件によっては決まりにくく年間を通じた空室率が40%という物件もあることはあります。
オーナーさんから許可が下りず物件の魅力をあげる施策を実施できず、賃料も下げれない、というような物件は長期間空室になりがちです。
要は、物件の持つ魅力に応じて、賃料を下げたり、物件価値を上げるようなことをしないと埋まってはいかない、ということですね。
たいていの場合には賃料が一番決め手になるので多少条件が悪くても賃料を相場よりも5%、10%さげればほぼ確実に決まります。そのあたりの見極めをオーナーさんに提案しつつ我々も日々運営しています。

広告料はどのくらいが普通ですか?
(予想される答えの例)
通常は賃料1か月分が相場ですが、築古や駅から遠い物件だとなかなか決まらないため、オーナーさんも賃料の1.5~2か月に設定して頂けることが多いですね。

間取り毎の相場賃料は?最低賃料は?
(予想される答えの例)
1Kだと4万円~、2K、1LDKだと5.5万円~、2LDKだと7万円~、3LDKだと9万円~、というところでしょうか。
もちろん広さや設備、駅からの距離、近隣の商業施設の有無などによって変わります。ファミリー物件では○○中高一貫校が人気学区で、賃料も周辺相場より10%ほど高い印象です。よく、学区指定でお問合せを頂くこともございますよ。

物件の設備として歓迎されるものは?逆に嫌がられるものは?
(予想される答えの例)
WiFi無料は歓迎されますね。インターネットを別途契約すると4000円程度が固定費としてかかってきますので、それを考慮家賃が相場並みであればかなり選ばれる感触があります。
オートロックは女性には人気ですが、男性には特に差別化要因にはならないみたいですね。
自転車置き場やバイク置き場があると、すぐ決まる場合がよくあります。特にバイク保有されている方の場合は、別途自分で契約するにしても近隣で見つかるかどうか調査が面倒なので、物件についているものを探されるかたはいますね。数は少ないですが。
3点ユニットはほぼ選ぶ方はいないですね。でも、駅から遠く、かつ古くても、賃料が類似間取りの相場より10%以上安ければ入居は決まりますね。

好まれる階数はありますか?
(予想される答えの例)
2階か3階ですね。1階はプライバシーやセキュリティの面で嫌がる方が多いです。特に女性は気にされますね。5階以上は階段だけだと上り下りが大変なので、エレベーター付きを要望される方が多いです。
あと、角部屋の方が人気ですね。音の問題も接している部分のみになりますし、窓も2面、3面にあることがあり開放感があるのが人気につながっていますね。

同じ間取りで、新築、築浅、築古でどのくらいの賃料差がありますか?築年数経過による賃料の下がり方について大雑把な感覚を持っておきたいので教えてください。
(予想される答えの例)
新築は高くても入居される傾向にありますが、築3年以上経過すると、それほど築浅には大きなメリットはなくなるようです。築3年でも築10年でもそれほど賃料に差はない印象です。
もちろん、築30年以上になってくると賃料はそれなりに落ちてきますが、築年数よりも壁紙のリフォームなどだけでも、キレイになっていれば問題なく入居して頂けますね。
築年数の浅いうちは、まだ日焼けなどもないので、退去のたびごとに2万円程度のクリーニング代だけで済むことが多いです。
一方、築年数が経つほど、古い感じが出てきますので経年劣化した壁紙を張り替えるのは結果的にコスパのよい投資になることが多いですね。



このエリアの中でも、好まれるエリアはありますか?
(予想される答えの例)
先程お話した○○中高一貫校の学区はファミリー層に人気です。単身者であれば、デパートに近い駅の東側の徒歩10分圏内が多少賃料が高くても決まりますね。繁忙期だけでなく、閑散期でも決まりやすい印象があります。

こんな調子でヒアリングをしていきます。

上でご紹介した、ネット調査だと、板橋区全体のデータになっていますので、

自分が検討をしている「土地」の周辺1~2㎞の範囲でよりその土地の特徴や個性を聞いていきます。


賃貸需要は日々入居希望者と空き物件のマッチングを行っている仲介会社が一番敏感に情報をキャッチしています。


詳しい方であれば情報を検索することなく、肌感覚で数字がスラスラと出てくるものです。

一度、非公開の投資用収益物件で調査をした際に、物件名や詳細な住所などは伏せてヒアリングを行ったのですが、

その不動産屋さんはズバリ物件名も当てて、近隣の状況から過去の修繕履歴などまで教えて頂く事が出来ました。

このようなヒアリングを対面もしくは電話ヒアリングでその土地の不動産屋さんに5~6件実施すると、

出てくる情報の共通項が見えてきて、なんとなく輪郭がくっきり浮かび上がってきます。





3.最後の仕上げで、自治体の都市計画をチェックする!

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自治体の都市計画図を見たことはありますか?

街の計画には、公共性が伴いますので自治体の都市計画が参考になります。


この街が将来どんな方向に向かって開発されていくのか?それが都市計画マスタープランというような名前で公表されています。

例として挙げた板橋区の場合だと、「都市づくりビジョン」と呼んでいるようですね。



自治体のリーダーがどんなビジョンをもって、この街を導いていこうとしているのかを確認しておきましょう。

そのビジョンに賛同できるか?
これまで実現してきているか?
住民も賛同しているか?(大きな反対は無いか?)
具体的なロードマップ(工程表)の実現可能性は?
など、自分でも考えてみましょう。

難しければ識者の意見も参考にしましょう。

と小難しいことを言ったような気がしますが、私もそれほど詳細に目を通しているわけではなく、ざっくり方向性を確認する程度で十分です。



4.まとめ

以上のような感じで、情報収集をしつつ自分の肌感覚を研ぎ澄ませていきます。

投資に絶対はありませんが、最悪のケースでもこのくらいのリスクでおさまるという感覚を自分の中に持っておき、投資する/しないを判断します。


1~3、特に2(不動産業者さんへのヒアリング)を5~6件行うと、その街の特徴も見えてきます。


例えば、川を挟んで東と西で賃貸需要が全然違うなんてこともよくあります。


不動産業者さんに敬意を示しつつ、将来パートナーになる可能性もほのめかしながら(もちろん実際に検討しつつ)やり取りを通じて管理を任せられるかどうか見極めていきましょう。


私自身、ゼロ円マイホームを作る前に不動産屋さんに相談を開始してその中で親身に相談に乗ってくれて、一番高く評価してくれたサブリースも提案してくれた管理会社さんに管理を依頼することにしました。あなたのような賃貸物件を保有しているオーナーさんから物件を是非管理させていただきたい、と言われ今でもよいパートナー関係を築けています。


長期的にお付き合いすることになりますので、迅速な対応、管理会社の立場や入居者の立場にたった賃貸経営を目指すのが王道だと思います。
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