2/3【関係ある人とない人】フリーランスのミュージシャンがインボイス制度について調べてみた

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法律・税務・士業全般
前記事からお越しいただいた方、この記事から合流した方、何らかの流れでこのページに辿り着いた全ての皆さんこんにちはWharmy records(わーみーれこーず)です。見つけてくださりありがとうございます。



2023年10月から施行されるインボイス制度について

3回に分けてお伝えしています

『消費税を含む取引がある(可能性のある)フリーランス,個人事業主,免税事業者の方は、この制度を調べて今後ご自身がどう動くべきか考えておいた方が良いです。』

と書きました。その理由を私なりにご説明します。





インボイス制度を知っておいた方がいい人とそうじゃない人




ここでお話しする課税事業者と免税事業者のボーダーラインは『課税売上高1,000万円を超えるかどうか』です。


課税事業者の方が報酬を得る側であれば今までと変わらない日々が続きます。(番号の交付等、手続きは必要ですがここでは割愛します)



相当繁盛しない限り消費税は納めなくて良いのか!
と一昔前の私は思ってました。実際そういう事です。
しかしそれが今後覆る可能性があります。



「課税事業者にとっては免税事業者に仕事を振りづらくなる」
「免税事業者も今後は消費税を申告し納めなくてはいけない」
「つまり収入が減る」

ネットに流れているこの文言にドキッとした方、説明しますので落ち着いて読み進めてくださいね。

(あなたの好きな飲み物を用意しながら言ってるつもりです笑)



実は同じ請求額でも取引する相手によって内訳が異なります。





【パターン1】
免税事業者同士、お友達同士の取引
※デビュー当初は企業からも口頭で取引をされる事が多かったです。良くないだろうけど。笑

請求書
『演奏料 15,000円』
まるっと入金されます。


このパターン以外に仕事の予定がない人は今回のインボイス制度施行に伴う特別な届け出はしなくて良いのかもしれません。


【パターン2】
年収1,000万円以上の課税事業者(企業・法人等)と取引をする場合

支払先が私のような年収の低い免税事業者でも請求書に記載する内容は以下の通り。

演奏料 15,000円
消費税(10%)1,500円
源泉徴収税 △1,531円
『合計 14,969円』

なんだよこのマイナスは!手取り減ってるじゃねーか!と疑問に思った方は一度職場の年末調整を思い浮かべてみてくださいね。
簡単に言うと条件が合えば還付されるものです。


双方のメリットとデメリット



今回ポイントになるのは私が受け取った消費税です。(基本的に報酬は税別で請求することになっています)
本来であれば私サイドで納めるべきものですが免税事業者なので益税としてありがたく頂戴しています。悪用しなければ合法です。

そして、支払元の課税事業者も「あの人にこんだけ消費税を払いましたよ税金の計算から差し引いてくださいね」という控除申請を行うことが出来ます。なんら問題ありません。



…でしたが、


この消費税の控除に条件がつき、今のままだと所定の手続き(後述)をしていない免税事業者へ支払った消費税が控除できなくなります。
支払先は控除ができなかった金額の分だけ二重に(余分に)納税することになるため「余計に税金がかかる=免税事業者に仕事が回ってこなくなる」という騒ぎになっているんです。


しかし逆に言えば免税事業者が所定の手続きを行っていれば今まで通りの取引が可能です。焦ることはないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。


ただ、デメリットもあります。
消費税の事を考えなくても良かったパターン1でも消費税分を収める必要が出てくるため、益税の概念が無くなり(お値段据え置きにした場合は)手取りが減る要因にもなります。帳簿の経験がない人にとってはひたすら面倒くせぇ事になります。

そしてもし私みたいなペーペーで年間通してまるっとパターン2の取引がなかった場合、届出しなくてもよかったのに消費税を納めなきゃいけない…なんてことも起こり得ます。
これが前回シェアした漫画でいう『免税事業者に消費税を支払わせる』という表現にあたるのかなと思います。


無届けのままでいた場合のメリットは経理の手間が減る。益税はそのまま。
デメリットは、前述の通り支払う側の負担増を懸念し依頼をされにくくなる可能性がある事。将来の実績に大きく響く気がします。


一方で、所定の手続きを行った場合のパターン1(フリーランス同士、免税事業者、趣味の方)に関しては所得確保のため外税で請求をするorお値段据え置きで消費税分の手取りを下げるという究極の選択を迫られています。


価格の上昇は買い手側も売り手側も悩みますよね。。
お値段据え置きで原価を調整することはあっても演奏で原価調整ってなかなか難しいです。

機材も環境整備もそれなりにお金がかかります。



このメリットデメリットをご自身の仕事の状況に照らし合わせて天秤にかける必要があります。



じゃああんた(著者)はどーする?


と言う話は次の記事でお話しします。




ここでマネーフォワードの記事ともう一度国税庁の概要を置いていきます
※ここに外部リンクを貼ることが出来ないためタイトルのみ掲載します


マネーフォワード『一人親方が確認すべきインボイス制度とは?年間売上1,000万円以下に消費税の納税義務!?』

国税庁『インボイス制度の概要』




少しでも読みやすくなっていましたら嬉しいです。


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