マイナ保険証 不信の連鎖

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マネー・副業
昨日の朝日新聞記事から引用です。

マイナンバーカードを健康保険証としても使う「マイナ保険証」でのご登録トラブル。医療機関で別人の情報が示された女性は行政に対応を求めたものの、たらい回しにされた。カードをめぐっては保険証以外にも問題が相次ぐ。

「私のじゃない」4月中旬、30代の女性はかかりつけの医院の受付窓口で目を疑った。マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」を使ったところ、画面に表示されたのは全くの別人の名前だったからだ。(中略)

表示されたのは、下の名前の読みは同じで、姓が違う。加入している健康保険組合の名前も違った。受付担当の女性も「どうしたらいいんだろう」と混乱していた。(中略)

なぜ別人の情報が登録されているのか。女性はまず、医療機関の助言でマイナンバー制度を所管する窓口担当者から、「そんな話聞いたことがない」「デジタル庁の番号を教えるのでそちらで」と一蹴された。

デジタル庁に電話をかけ、一から事情を説明し直した。そこでも「厚労省に確認します」と電話を転送された。

その後、厚労省所感の社会保険診療報酬支払基金が対応する流れになったが、結局、連絡がきたのは国民健康保険中央会からだった。担当者からは、女性とは別人が入る国民健康保険組合が誤登録をした可能性を説明された。問い合わせると「こちらは国のガイドラインに沿ってやっているだけ」との回答だった。逆に「ミスはない」と言われた。その後、同組合は現在までミスは認めていない。(中略)

女性は「たらい回しそのものがずさんな証拠だ」と憤る。厳しく対応された後、不眠症状が出て、心療内科での薬も増えた。今の直接の謝罪はない。

「責任をなすりつけあい、まっとうに対応してくれる部署もない。国民の声に耳を傾けず、振り返らずに突っ走ろうとしている」。各省庁と関係団体が問題を検証して、原因を説明しなければ同じことが繰り返されると感じている。(引用終わり)

最近、このような誤登録の話が色々なところから報告されています。

この記事の女性、誤登録された原因を突き止めようとして色々な部署をたらい回しにされたようですが、結局、誤登録は修正されたのでしょうか?

修正されたとすれば、それで問題なく、一個人が組織の問題に切り込もうとしてもなかなか難しいものがあるのが当然のことのように感じます。

もちろん、誤登録が発生すること自体は問題ですし、こういった問題が出たときにきちんと対応してくれる部署が無い、たらい回しになることも問題です。

ですが、ことさらに原因を明らかにしてもらえなかったことを批判的に取り上げるのもどうかな?と思います。

マイナンバーカードやマイナ保険証など、新しいシステムやシステムの変更があるときにトラブルは付き物です。

最初から100%完璧でトラブルが無いシステムを作り出すことは現実的には不可能です。

もちろん、マイナンバーカードや健康保険証は個人情報の塊なので、精密な設計と検証をしてできる限り100%完璧なシステムに近づけることが重要だとは思います。

が、何かあったときにあまりに大きく騒ぎ立てて、そら見たことかでマイナンバーカードやマイナ保険証への統合の動きを阻害してしまうのは全くの誤りだと思います。

このような誤登録などが発生するなら、その原因を明らかにして再発無きように対策を施すべきなのです。

特に今回の事象は人が登録作業を行い、2重チェックも無しだった、というのが原因だったようです。

一気に普及させようとする中で短納期だったことが、これが発生した本当の原因なのかもしれません。

であれば、そのような無理やりな期間設定にせず、あるべき期間を設定して普及させるとか、人的誤りについてはプログラムで自動登録にするとか、2重、3重のチェック体制にするなど、このような対策が考えられます。

このように不具合について論理的に再発防止策を施すことが必要なのです。

こうでなければ、あらゆるシステムの進化はあり得ません。

いつまでもアナログな世界に閉じこもっていては世界の中で取り残される一方です。

あまりにもこの件が大きく取り上げられ、批判的に語られるのを聞いているとちょっと違うのでは?と感じてしまった次第です。


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