他の犬と無理に仲良くする必要はありません。愛犬にとっての「幸せ」とは?

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私が実施した、しつけ方教室でも「他の相手の犬同士仲良く(お友達)させたいのですがどうすれば?」と言った質問が多く寄せられます。

実際、「他人の犬に興味がない」「苦手」なんだろうなというワンコをよく見かけます。

その質問に対し私はこうこう答えます。

「仲良くしたくないと思っているのであれば、それでいいじゃないですか。むしろ、私はその方が正常だと考えます。」

なぜ、そう答えるのか今から説明していきますね。

犬は群れ(集団)のなかで生活をする動物

犬はそもそも人間と同じ群れで生きる動物です。

その共同体のなかで信頼関係を形成し行動を共にして助け合い過ごしていきます。

群れの仲間ではないものが近づいてきたとき当然ながら警戒します。

唸ったり、吠えたりして威嚇することもあるかと思います。

集団意識の強い群れであればあるほど、他集団を警戒する気持ちも強いということは想像に難くないと思います。

従って、まず念頭に入れておく必要があるのは、そもそも他集団は警戒対象だということです。

「同じ犬同士なのに・・・」

と思われる方もいるかもしれませんが、他人の犬は他人の犬であって仲間の犬ではありません。

警戒することは当然の行為だとお考えください。

犬にとって他集団(同じ犬であっても)は警戒すべき対象

私の場合、他の犬と仲良くさせることを意識したトレーニングはうちの子に行っていません。むしろ、苦手なままで良いと思っています。

犬は誰といるのが幸せ?

「“うちの子の幸せ”って考えたことがありますか?」

私は、犬の幸せとは「いつも同じ群れと共に暮らしていること」だと考えています。

ただ、人間との共生社会で過ごす以上、それは簡単なようで難しいのが現状です。

働かず、家の中で四六時中一緒にいることができたり、職場や自宅で愛犬と一緒にいながら働くことができる人は、まだまだごく一部だと思います。

現状は、うちの子にお留守番をさせて働きに行く人がほとんどではないでしょうか。(実際、お留守番時の悩みを抱えている飼い主も多いかと思います。)

そんななか、仕事から帰ってきて食事をしているときや、休日ゆっくりとした時間を過ごしているときに、愛犬が自分の近くに寄り添って寝ていたり、くつろいでいる姿に幸せを感じますよね。

「自分(飼い主)に対して安心感や信頼感を持ってくれているのかな?」

と思いますよね。

飼い主が幸せなら愛犬も幸せ

そもそも、犬に“幸せ”といった感情があるのでしょうか?仮にあったとしても「今幸せ?」と尋ね明確に答えてもらうことはできません。

それなら、何を持って「幸せ」とするか。

私はこう定義しています。

「飼い主が幸せなら犬も幸せ」

または、「幸せ=当たり前の日常」

もちろん、他人の犬と遊ばせること。遊んでいる姿を見ていることに幸せを感じている飼い主もいらっしゃるかと思います。

それ自体、否定はしません。

ですが、「家族の絆(集団意識)は強いし、どのようなワンコにもフレンドリー」と両方兼ね備えた子に育てるのは難しいものです。

ドッグランで他のワンコと遊ぶ愛犬は戻ってくる?

例えば、ドッグランで他のワンコと楽しく遊んでいるときに、突然喧嘩になった場合をイメージしてみてください。(いくらフレンドリーなワンコでも、相性によっては喧嘩モードになることだってあります。)

そのときに、家族の絆(集団意識)も持ち合わせていれば1回の呼び戻しで飼い主の元に帰ってくるはずです。
いかがでしょう?うちの子を一発で呼び戻すイメージが浮かびますか?

恐らく戻ってこない子の方が多いのではないでしょうか。

逆に、飼い主のそばから離れないぐらい集団意識の強い子(シャイな子)が、近づいてきたワンコに対し唸ることがあっても、自らいきなり一緒に遊び始めることはほとんどないのではないかと思います。(少なくとも、私は見たことがありません。)

他の犬と遊ばせることの弊害

いつも行くドッグランに仲良しワンコができたとします。

その子と戯れあったり一緒に遊んだりすることが何より大好きで、いつまでたってもやめず、キリがないので無理やりリードをつけて別れる習慣がついていたとします。

それほど好きなワンコが外部にいる場合、愛犬はそのワンコに会いたくて毎日うずうずしているかもしれません。

散歩の時間を待ちわびたり(ときには要求したり)。
散歩時間になると、飛び出す勢いで玄関に向かったり、リードをグイグイ引っ張りながらそのワンコのいる公園に向かおうとするかもしれません。

飼い主は「そんなに早くあの子に会いたいのね?」などと思いながら一緒になって駆け足になるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。

そのとき、愛犬の頭の中に、同じ群れで日々過ごしているパートナーである飼い主の存在はありますか?

残念ことに、

「早くいきたいのにリードで引っ張られてなかなか前に進めない。そのリードを離してくれないかな」

とウザがられている可能性だってありませんか?

お目当てのワンコに出会ったときには完全に飼い主のことを忘れている可能性も大です。

こういったケースの愛犬にとって、

「大好きなワンコと遊んでいる時間=幸せ」

「お留守番のときや飼い主と一緒にいるとき=退屈」

と思っているかもしれません。

私は仮にうちの子がそう思っていたのだとしたら悲しくなります。

お友達が引っ越しすることをワンコは理解できない

他のワンコとこの先もずっと遊べる?

例えば、その飼い主が転勤などで引っ越しをするかもしれません。

もう一生仲良しワンコに会えない可能性だってあります。

「親友が転校するのでもう会うことはできない」と小学生ぐらいの子供に伝えれば、悲しい思いはしますが「今日で最後か」と理解ができ受け入れようとします。

ですが、愛犬は理解できると思いますか?

答えは「ノー」ですよね。

なぜ、会えなくなったのかを理解することはできません。

「なぜ会えないのか」とイライラが募り精神的ストレスが溜まる可能性だってあります。

脚を舐め続けたり、遠吠えをし続けるといった行為に及ぶかもしれません。

そんなうちの子を望みますか?

なんだかんだ言っても一緒にいるのは飼い主

働きに行って長時間お留守番をさせていたとしても、愛犬の生涯を通しひとつ屋根の下(群れ)で一番長く過ごすのは、なんだかんだ言っても飼い主です。

その群れの仲間であり、頼れるリーダーである飼い主と一緒の時間を過ごすことが愛犬にとって幸せだと思いませんか?

せっかくの休日に、わざわざ他人の犬と遊ばせてその子のことを好きにさせるのは勿体無いと思いませんか?

私は、ドッグランに遊びにいくと、他の犬と遊ばせることはしません。

あくまで、ノーリードで私と一緒に遊べることをします。

愛犬との大切な時間をもっと家族(群れ)のためだけに使いましょう。

まとめ

犬は群れをなし、その集団のなかで社会性を学び、安心・信頼関係を構築しながら過ごしていく生き物です。

その集団の絆が強ければ強いほど、他集団に対しては例え同じ犬であっても警戒するものです。

そこから導き出される結論は「他のワンコと仲良くする必要はない」です。

だからと言って、いま他のワンコと仲良くしていたり、今後させたいといった考えを否定するつもりはありません。

ですが、その場合は呼び戻しがしっかりと入っていることが前提になります。

ドッグランで制御不能なワンコが走り回っているほど危険なことはありません!!

もし、なぜうちの子が「他の子と仲良くしないんだろう?」と悩んでいるのであれば、その貴重な時間を愛犬とどう楽しく過ごすかを考え実践する場にしてみてはいかがでしょうか。




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