314.婚活女性「苦痛」とドン引き…

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・婚活女性「苦痛」とドン引き…

お見合いに「家の権利書」「介護施設のパンフレット」 中高年男性の“やらかし”

今の若い世代は、「何が何でも結婚したい」という考えが薄れてきたように感じます。
対して50代、60代は「これからの人生を1人で過ごすのは寂しい」と考える人たちが増えてきている気がします。


 ただ、中高年の婚活者は、年齢が過度なプレッシャーになっているからなのか、お見合いの席でとんでもない言動をやらかしてしまう人たちが多いのです。
今回は、結婚相談所を運営する仲人である筆者が、そんな人たちのお話を紹介します。


預金通帳と家の権利書を見合い席に持参
 大原えいこさん(51歳、仮名)は先日、メーカーに勤める藤田えいいちさん(58歳、同)と、ホテルのティーラウンジでお見合いをしました。


「初めまして」のあいさつから始まった会話でしたが、次にえいいちさんは、持っていたバッグの中から、書類のようなものを取り出して言いました。
「あと2年で定年ですが、65歳までは再雇用制度を使って働くつもりでいます。
年収は、今のプロフィルに記載されている金額の半分くらいになってしまいますが、幸いに貯金が2000万ありますし、今の家は持ち家なので、住むところの心配はありません」


 取り出した書類のようなものは、預金通帳と家の権利書でした。
それらを開いて見せようとするので、えいこさんは慌てて言いました。

「あの、見せていただかなくても大丈夫です」

 そして、そこからのえいいちさんの会話は、「預金はあっても、老後、年金だけでの生活は心配」「体が動く限りはアルバイトをして、お金は得たい」などと、お金の話題に終始していました。


 お見合いを終えたえいこさんは、「お断りでお願いします」という連絡とともに、こんなことを言いました。


「“初婚”と記載されていましたが、女性と全くお付き合いをしないままに、年を重ねてしまったのでしょうか。普通なら、『休日は何をしていますか?』『趣味は何ですか?』とか、もっとお互いのことが分かる楽しい話をするじゃないですか。
まだ結婚するかどうかも分かっていない人の預金通帳も家の権利書も見たくありませんし、興味もありません。お金の話ばかりされて、本当に苦痛な1時間でした」


 さらに、お見合いを終えた別れ際、「今日はありがとうございました。またぜひともよろしくお願いします」と言って、握手を求めてきたというのです。

「握手を拒否するのも大人気ないと思ったのですが、どうしても手に触れたくなかったので、『ありがとうございました』と深々とお辞儀をして、その場から逃げるように立ち去りました。もう1分1秒でも一緒にいたくなかったです」


 女性と話すことに慣れていない男性は、過度なプレッシャーからか、女性がドン引きするような言動に出てしまうことが多いような気がします。心当たりのある男性は気を付けてくださいね。

親を入居させる介護施設のパンフレットを持参

 こんな男性もいました。

 安藤ふみかさん(54歳、仮名)が、太田みつあきさん(61歳、同)とお見合いしたときのことです。
こちらも、お見合いの席に着くなり、みつあきさんがバッグの中から、パンフレットのようなものを取り出したのです。

 そして、こう言いました。

「もうすぐ90歳になる母と同居しています。母は、もしも私が結婚をしたら、こちらの介護施設に入ると言っているんです。
入居金や月々の費用も、母の貯金と年金で賄えますから、親の介護の心配はありません。今の家は持ち家なので、そこに住めますよ」


 その家というのは、みつあきさんが40代半ばのときに新築したそうです。
「当時は父も生きていたので、3人で住んでいました。
後に、母と2人になりました。大人3人の暮らしでしたし、ペットも飼っていなかったので、家はほとんど傷んでいません」

 そのパンフレットを目の前に出され、ふみかさんは、何だか嫌な気持ちになったそうです。

 ふみかさんは、私に言いました。

「自分は60歳を過ぎて再婚を考えている。
そんなときに、90歳近い母親を介護施設に追いやって、そこで新しい妻と暮らそうと考えている。それって、どうなんでしょうか?」


 さらに、ふみかさんが続けました。

「もともとはご両親がその土地に家を建てて、太田さんは、そこで生まれ育ったわけですよね。
ということは、ご近所の方とは顔なじみでお付き合いもあると思います。
『還暦を過ぎて結婚したかと思ったら、老いたお母さんを施設に追いやってしまった』と、ご近所の人たちは思うはずです。
人の口には戸が立てられない。そんな場所で暮らしたら、周りから白い目で見られそうです。
そうかといって、90歳近いお母さまと同居したら、介護が目に見えている」

なぜお見合いのお茶代を男が払う? 男女平等の持論を展開

 与田さとえさん(51歳、仮名)は、太田のぼるさん(57歳、同)とのお見合いのため、指定された都内のホテルのラウンジに、待ち合わせ時間の5分前に到着しました。すると、入り口あたりに、のぼるさんと思われる男性が立っていました。

「太田さんですか?」

 歩み寄って声をかけると、「はい、そうです」と言った後に、こう続けたのです。

「ここではなくて、場所を変えませんか?」


 さとえさんは「なぜだろう」と思いましたが、断る理由もなかったので、「はい、分かりました」と言って、歩き出した太田さんについていきました。
「駅の近くにあったカフェに行きましょう」

 そこは、飲み物を買って席に着くタイプのカフェのようでした。そして、そこに向かう道すがら、太田さんはこんなことを言ったのです。

「僕は結婚相談所に入会したばかりで、お見合いは今日初めてなんですけど、ホテルのラウンジ前にあったメニューを見て、びっくりしてしまいましたよ。コーヒー1杯が1500円もする! 仲人に、『お見合いのお茶代は、男性が払ってください』と言われたんですが、仲人は、何であんな高い場所でお見合いを組んだのか」

 さらに、こんな持論を繰り広げたのです。

「お見合いのお茶代を男が払うというのは、おかしな決まりですよね。付き合うことになった女性になら、お茶もご飯も喜んでごちそうするけれど、まだ付き合うかどうか分からない者同士なのに、何で男が払わないといけないのかな」

 その言葉を聞いているうちに、さとえさんはだんだんと腹立たしい気持ちになり、これからカフェでお見合いすることすら嫌になってしまいました。
ただ、お見合いをせずにここで帰るわけにはいきません。そこで、こう言いました。

「私のお茶は、自分で買うので大丈夫ですよ。おっしゃる通り、まだ付き合うかどうか分からない女性のお茶代を払うのは、男性も負担ですよね」

 そして、心の中では「私は、あなたと付き合いませんしね」と言ったそうです。

 駅近くのカフェで自分のアイスティーを買い、30分もたたないうちにお見合いを切り上げて帰ってきました。当然、結果は「お断り」です。

シニアのお見合いに大切なこと
 20代、30代の婚活なら、定年後の自分の生活や親の介護は、はるか先のこと。考えも及ばないでしょう。ところが、50代、60代になってくると、「定年後の自分」「老いた親との向き合い方」は、現実的な問題となってきます。

 そこからは目を背けられないのですが、お見合いの席では、まずは自分を知ってもらう、相手のことを知ろうとする、楽しい会話を心掛けた方がいいと思います。今、どんな仕事をしているのか。休日は何をしているのか、趣味は何なのか…など。

 結婚してからの話をするにしても、「これだけ預金があります」「持ち家があります」「親の介護はさせません」と言いながら、「その証拠がこれです」と言わんばかりに預金通帳や家の権利書、介護施設のパンフレットを見せるのは、生々し過ぎて、相手の女性はドン引きしてしまいます。

 また、男女平等の世の中なのに、お見合いのお茶代を男性が持つというのは、確かにおかしい話なのかもしれません。男性の主張も分かります。ただ、それを口に出して、目の前の女性に対して言ったときに、その言葉がどんなふうに受け取られるのか。その想像力が大事ですよね。

 お見合いの席で、いきなり「親を介護施設に入れる」とパンフレットを見せられたら、誰もがふみかさんと同じ気持ちになるのではないでしょうか。


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