正社員。
派遣。
契約社員。
みなさんは、それぞれに対してどのような印象をお持ちでしょうか??
派遣は正社員になれなかったなれの果て?
……いいえ、そうではありません。
正社員を断念して、あえて派遣を選び、スキルを手に入れた筆者が、本稿で派遣という雇用形態についてお話します。
派遣というものは、とても未来のある雇用形態だと、主張します。
雇用形態に正規も非正規もない!
まず、そもそも法律で「正社員」と「非正規雇用」の区別がないことを、説明しましょう。
みなさんのイメージの中では、
正規雇用=正社員
非正規雇用=アルバイト、契約社員、派遣社員
という認識がありますよね。
それも、雇用主自体が、正社員とか非正規とかいうのですから、無理もありません。
しかし、ここで抑えていただきたいのが、
そもそも正社員という区分は存在しない、社会がそう呼んでいるだけだということです。
有期雇用、無期雇用という違いのみ
それでは、何によって正社員と派遣社員は区別されているのでしょうか?
ずばり!!雇用期間が無期か有期(期限付き)かということだけです!
本当に、簡単な区分なのです。
無期とは、退職するまでずっとその会社に雇われているというもの。退職するまで会社は、職権を不当に濫用してはいけないので、労働者が自主的に退職するか、会社に損害を与えたことに対する解雇という形でしか辞めさせることができません。
正社員は辞めさせられないから安定、というものではなく、会社側に正当な理由(業績悪化や勤務態度など)があれば、辞めさせることができるのです。
それに対して有期雇用は、半年とか1年とか。雇用される期間が契約によって決まっています。
派遣労働は基本的に、3か月~1年の更新なので、派遣が不安定と言われる所以ですね。採用活動の一環として、教育期間として派遣を取り入れる会社もありますので、一概に悪い制度とも言えないのです。
とはいえ、派遣を悪用する企業も多い
就職氷河期やリストラが横行していたとされるリーマンショック後やバブル崩壊後の不況時。
派遣やアルバイトを筆頭に、非正規雇用が一気に増えました。
リストラをしたい時期などは、女性の出産後の社会復帰に対して必ずしも寛容ではないので、派遣という形で穴埋めをする企業も増えます。
また、業績悪化の際に、一番削れる部分は人件費。
派遣を正社員の穴埋めとして入れる企業も多いので、これは今も続く社会問題にも発展します。
給料面なども、正社員と比べて低いので、これが世の中の不満の温床となるわけです。
しかし、次の項目では、
派遣のいい面にスポットを当てましょう。
派遣は、未経験からスタートできる
コロナ明けで、人手不足、売り手市場と言われる現在では、
未経験はどこでも募集要項に書いてるかもしれません。
しかし、有期雇用の最大の良い所は、
スキルをゲットできることにある
と言っても過言ではありません。
その会社を辞めたとしても、経歴に傷がつくことはありません。むしろ、こんなスキルがあります!とアピールできる材料が増えます。
反対に正社員では、ある日突然人事異動で地方に配属になった…家族と離れて暮らさないといけない、など。会社によって悩まされることが多いのです。
そして、経歴に傷がつくからと、辞められないとおびえることも、
派遣には基本的にはありません。
筆者も事務に必要なスキルを、派遣で身に着けた
ここで、私の話をしましょう。
私は新卒の時、携帯販売会社に新卒として働いていました。
しかし、3か月で辞めることになるも、フリーターでスターバックスでアルバイトの日々。
最終的に接客は向いてないと分かったので、事務スキルを獲得するために、派遣として事務をすることになりました。
それも、ExcelもWordもパソコンも満足に触れない。ほぼ新卒の状態です。
勉強もしたことがなかった、貿易事務という分野に行きました。
某装置メーカーで、部品発送と装置発送の書類作成、発送管理を担当していました。
ただ、がむしゃらに。
この仕事を全部吸収するつもりで、やってやろう!と。
無我夢中で仕事をこなしていたのです。
そのうちに信頼されるようになって、
「えのもとさん抜きでうちのチームやっていけないよ!」と言われるようになった時、努力が報われたかのようでとても嬉しかったのを覚えています。
自分からも業務改善として、知らなかったマクロを独学で勉強して、チーム内の業務時間を半分以下にすることができました。ほとんど、社内での調整業務しかないくらいに、書類作成にあたっては、マクロで効率化することに成功したのです。
業務の傍らで、貿易実務についても勉強していたので、
社内のあちこちから「どうすればいい?」と聞いてくれるようになりました。
私は、派遣を通して未経験から、
・Excel初級~マクロまで
・Wordでマニュアル作成
・貿易事務でのアドバイスできる立場に
・発送管理について、社内で調整
これらをスキルとしてマスターすることができました。
勿論、嬉しいオマケとして、タイピングスピードもかなり速くなりました。
派遣を登竜門として、今後も活かせるスキルを身に着ける
最近では、coconalaやクラウドワークスのように、クラウドソーシングで仕事を受注できる時代です。
パソコン一台で仕事ができると言われている時代なのですから、
その気になれば、どこでも仕事をすることができるのです。
2050年には、起業家やフリーランスが全体の半分を占めるようになるだろう、と言われています。
これが何を意味するのか?
それは、正社員以外の道を求める時代の潮流ではないでしょうか?
これからきっと、なくなる仕事以上に、
選択肢が増えていくと私は予想します。
その増える選択肢に対して、どう対応していくのかが、
これからの仕事人生でのポジション取りに影響するものと思います。
スキルがないなら、こういう仕事いいなと思っていた業界で派遣を通して身に着ける。
それと同時に、自己啓発も忘れない。
常に変化し続ける社会で、自分を変化し続けていける人が、
長い目で見て成功者といえる。
そう信じています。
これを機に、もっと派遣に対していいイメージを持ってくれる人が増えますように。
榎本