片桐はいりとランジェリー

記事
ライフスタイル

それこそ手当たり次第にギラついていた。




ツレからはB専と揶揄されていたのだが、実際はアパレル店員や読モにも触手を伸ばしていたし “ちゃんと” 結果も出していた。




そのへんのくだりはまたの機会にするとして、今日は片桐さんにフォーカスしよう。









「最近フラれたらしいよ」




A先輩からの情報は、元コンサル生D君の近況だった。




「でしょうね」 
会話のリズムを狂わすことなく私はこたえる。




“ メッキが剥がれたな ” 直感でそう感じたのだが、実際もきっとそうだったのだろう。なんというか、彼には男としての深みのようなものが圧倒的に欠如しているのだ。




人間なんてそうそう変わらないし、変えられると思っていること自体がおこがましいのかもしれない。人に何かを教える立場であるならば、変えられない事を知る謙虚さも忘れてはならない。




私が他人に何かを与えうるとしたら、それは「きっかけ」であり、それ以上でもそれ以下でもない。自分の人生には自分で向き合うしかないのだから。




『 Clothes make the man. ~洋服が人を作る~ 』 をモットーに私は活動している。




簡単に言うと『馬子にも衣裳』だ。人は外見の情報に大きく左右される。外見を整えるだけで割とイージーモードで暮らせるよねってのを知ってほしいのだ。




しかし、これはあくまできっかけ。モテるのは超簡単なのだが、実際はそのあとに苦しみが待ちかまえている。




コンサル生D君に話を戻そう。




D君は確かに見込みがあった。だから私も注力したし、応えて彼も結果を出した。彼のインスタがあると後輩から聞き、見せてもらった。彼なりの投稿はいきいきしていたし、ほほえましくもあった。




私がチョイスしたジャケットにシャツにネクタイ、あれから2年が経ったはずなのだが、時が歩みを止めたように彼の衣装も当時のままだった。どうやらオートパイロットモードにはなれなかったらしい。




きらきらした彼がなぜフラれたのかなんて知った事ではない。理由なんていくらでも思いつくし、私の予想が大きく外れているとも思えない。そう、彼は刹那主義なのだ。




私は彼に対し、いつも小さな嫌悪感をもっていた。全体的には〇なのだが、その小さな嫌悪感がもはやその全体すらも覆いつくし、心の奥底で大きな×になるのだ。




足の爪垢。




そんな大した事か?って思われるかもしれない。だが私にはムリだった。




「そういうとこな」と何度か指摘もした。が、改善はなかった。




“ 見えるところ ” を真っ先に取り繕うのは当然といえば当然である。しかし、それではすぐにボロがでる。だからこそ、実績が出てきた段階で、リアルに清潔を追求しなければならない。コンサルは「きっかけ」であり、「幸せになる」ことがゴールなのだから。




私の概念では、フラれる事は幸せな事ではない。




D君の家の周りは雑草だらけ。雨戸は閉まっていて犬は繋がれっぱなし。玄関内の見える範囲だけでも相当な量のホコリと目視できるほどのゴミが見てとれる。玄関鍵は壊れているらしく、縁側の窓から出入り。部屋のカーペットには食べ物のカスとコンビニのゴミが散乱。で、カーテンはオーダーってどゆこと。




そして休日。
私が選んだ綺麗なジャケットを羽織り、私が譲ったAudiに乗りキラキラLifeを謳歌する。




刹那主義




人の人生にとやかく言っといてなんですが、人の人生なんだからとやかく言う筋合いないんですよ。ほんとはね。




大切な事だから何度も言います。モテるのは超簡単です。でもモテ続けるのは難しい。外見を取り繕えば楽しく生きられる。内面を磨く努力をすれば幸せに生きられる。これがマジの真理。




幸せになりたければ、物を減らし、部屋を片付け、とにかく掃除する。それらをほったらかしにして得られる幸せなんてないんですよ。自分の内面が居住環境に現れ、日々の自分を作る。今日の自分の振る舞い次第で幸せな未来は作れるんです。




36?37歳か…大丈夫かなD君。








さて、若さと勢い任せで無双していたKousakaですが、※スト高、スト低容赦なく食べ散らかしてました。

※ググってください




その中でもかなり印象深いのがハイリちゃん。職場のバイトの子だったんですが、いつしか関係を持ってなんだかんだ2年くらい続いたはずです。




まぁハイリちゃんといっても当時は21~23歳だった(はず)ので可愛いらしい感じでした。透けるほど色白で小柄、クセのあるファッションをしてたのを覚えています。四国から出てきたらしく訛りのある関西弁だったように思います。




いつもきれいな下着を着け、私はその度に彼女を褒めました。




「私が唯一気にせずオシャレできるとこ」
はにかみ笑いで、いつも彼女はそう答えていました。




彼女は一重で鼻も低く、特徴的な顔立ちをしていました。ゆえ、他の男性社員やバイトの男の子からはあまり良い扱いを受けていませんでした。しかし、私はその控えめな仕草に興味が湧き、関係をもったのです。




彼女がおしゃれな下着を選ぶ理由。本当はいろんなオシャレを楽しみたい、そう思っていても自分に自信が持てず勇気がでない。でも下着なら他人の目を気にせず楽しめる。




そんな彼女は清潔感があって、本当に清潔で、いつもきれいなペディキュアを塗っていた。透けるように白くて小さな足の指。ポップなカラーがゼリービーンズのようで甘い芳香を漂わせていた。ひんやりとした足首に温かく香る、あれはなんのグルマンだったのだろう。




もはや2年だったのか3年だったのか覚えていない。いい香りのする部屋。刻んだ生の玉葱が入った焦げたハンバーグ。どうしてそうなったのかわからない雪深い京都の寺旅行。最後にくれたプロポーズの手紙。




なんで彼女だったのかと問われると “ 清潔でいようと努めていたし、ひたむきに自分なりの魅力を磨く努力をしていたこと ” に対し、心から尊敬していたからだ。




しかし、二人で幸せになることは叶わなかった。私はあまりに身勝手でガキだったし、誰かの人生を背負える覚悟も勇気も持ち合わせていなかった。




モテる為に外見を整える事が最優先なのは間違いないのだが、最重要ではないんだよなぁ。




“ 砂でできた城はいずれ海へ溶けゆくのだから ”




youtubeから突然舞い降りる けだるいリリック。一瞬であの頃のスモーキーな空気に包まれ、巡る血液がチカチカするのを感じる。




ふと思いだす。
彼女はいま幸せだろうか。




The Jimi Hendrix Experience 『Castles Made Of Sand』
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す