第42回「音屋のkatsu」の音楽あるある〜音楽番組編②〜

記事
コラム
「N○K POPJAM」出演の時の面白エピソードの続きです。

今回は大部屋での出来事をお話しさせていただければと思います。

収録はスケジュール予定の都合上、テレビでの放送プログラム順と逆に収録
されていきました。

よって私達の出番はかなり後でした。

私達は大部屋の楽屋で待機。
私達の他には数人の出演者さん達がいました。

コーラスの人。バックサポートの人。サポートダンサーの人。

それぞれ出演まで各自まったりとしていました。

私と「I」君も暇だったので会場を抜け出し、近くのコンビニでお菓子と将棋の
ミニ版を購入しまた楽屋へ戻りました。

すると、今まで自分たちがいた場所に二人のお兄さん方がおられます。

一人は髪が長くてグラサンのお兄さん。
もう一人は茶髪の清涼感あふれるハンサムなお兄さん。

私達はそのお兄さん方の近くでお菓子を食べながら将棋を始めました。

しばらくすると茶髪のお兄さんがギターをポロンポロンやりながらこちらを
見てきます。

チラッと見るとアチラもチラッと会釈。

また見られてると感じ、また見るとチラッと会釈。

「なんなんだこの人。お菓子食べたいのかな?」

私はお兄さんに声をかけてみました。

私:「あ、よかったら食べます?」
お兄さん:「あ!いやいや。ちゃうのちゃうの。」
私:「ん?あ〜あ、将棋ですか?よかったら一緒にやります?」
お兄さん:「え?いいの?んじゃ混ぜらせてもらおうかな!」
私:「どうぞ、どうぞ!」

そうやってギターのお兄さんと将棋を始めました。

ポチポチと将棋を打っている最中に雑談をしようと私から話しかけます。

私:「あの、お兄さんはこう言うサポートって長いんですか?」
お兄さん:「えっ?俺の事?…俺、いちおメンバーなんやけどなぁ。」
私:「えっ!?あっ、すいません!俺大部屋にいるからついサポートの人なの
   かなって勝手に思ってて!ごめんなさい!」
お兄さん:「ええよ、ええよ。俺そんなに売れてへんから!あははは!」
私:「本当にすみません!俺、最近の邦楽全然聞いてないから…。」
↑(突然出た苦し紛れの言い訳)
お兄さん:「ええってホンマに!なぁ?」

そうやってもう一人のグラサンのお兄さんに相槌を求めるお兄さん。

グラサン兄さん:「あはははは!俺らもまだまだって事だな!」
お兄さん:「それに楽屋いたないねん。ボーカルと正直合わんくてな?」
グラサン兄さん:「なんか、こっちにいた方が楽って言うかね?」
私:「そうなんですか。んでボーカルって?」
お兄さん:「〇〇の妹の△△って知ってる?」
私:「あ!あそこの人達がお兄さん方なんですね?」
お兄さん:「あんちゃん、ホンマ知らんのやね?いや〜おもろい!
      気に入ったわ〜!番号交換せぇへん?」
私:「あ、なんかあざ〜す!」

普通なら怒られる事であろうが、お兄さん方は優しく接してくれました。

それからは将棋よりも雑談で盛り上がりました。

業界の話。自分のユニットの話。プロになるまでの経緯。
ギャラの話やデビューまでの話。

本当に為になるお話しを聞かせていただきました。

ギターのお兄さんは大部屋にいる別のサポートのベースのお兄さんを指さして

お兄さん:「あいつ、ホンマはあいつとバンドでデビューする予定やったん 
      よ。でも、事務所の意向でバラバラに売り出されたんよ。
      やりたい事できるまでお互い頑張ろうってなってな…。」
私:「そんな事もあるんですね。なんか寂しいですね。
   んじゃ本当はどんな音楽がやりたかったんですか?」
お兄さん:「ホンマは『グランジ』ってジャンルのバンドやったんよ!
     『NIRVANA』みたいなかっこいい音楽やってん!」
私:「へぇ!それすごいじゃないですか!楽しみです、いつかそれが聞けれる
   と思うとワクワクします!」
お兄さん:「まぁ、せやけど今正直悩んでんのよ。」
私:「何をですか?」
お兄さん:「んん。このユニットの契約をあと2年延長するか、契約を解除し
      て自分の好きな音楽やったりするか、色々とね!」
私:「プロになっても色々と大変なんですね。勉強になります!」
お兄さん:「あんちゃんも、プロ目指すんやったら色々と自分の思う事と違う
      事いっぱいせなあかん時が来るかもしれんけど、それでも
      やり続けたもん勝ちやから自分の夢叶えたってな!」
私:「ありがとうございます!俺、頑張ります!」

そうやってお兄さんの出番になりお兄さん方は楽屋から出ていきました。

本当はもっと具体的にあの時の話をしたいのですが、多分ここまでが一般的に
話せる限界だと思います。(色々な意味で)

後から知ったんですがその「お兄さん」は当時から様々なアーティストへ
楽曲を提供していた若手音楽家の「大物」でした。

私はとんでもない人に対してとんでもない態度で接していたんだと思います。

ま、でも若かったし、結果オーライって感じですかね。

お兄さんとはその後、一度だけ電話したんですが
「すまんのう、今〇〇のプロデュース仕事してて時間ないねんよ。
 今度、東京来る時あったらまた連絡してよってよ!」
と返されたので、それ以後はお付き合いはありませんでしたが本当に優しい人
だなって思いました。

本当に売れている人程、見えていない所でも人に優しいんですよね。
今でもその「お兄さん」との時間は私にとっての貴重な体験の一つです。


音屋のkatsu
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す