コラム53 無駄な会議

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 最近会議の時間が苦痛で仕方ありません。周りを見渡すと私のように辛そうにしている人もいれば一見楽しそうに話し合いを繰り広げ、真剣に取り組んでいる人もいます。年配の方は結構会議好きな印象ですが、まずは何故私がこれほど会議に興味が湧かないのか自己分析をしてみました。 
 内科医には主に2種類の会議があります。一つは医療を滞りなく進めるためのカンファランス、もう一つは病院の経営や事務作業を進めるための部署会議です。前者は必須であり、不可欠です。しかし私はそれすらも苦痛なことが多いです。その理由はカンファランスの頻度が多すぎることと、時間外に始まって時間外に終わることです。例えば私の場合循環器内科医全員が集まるカンファランスが毎日朝と月水金夕にあります。朝は集中治療室の患者さんの治療方針を決めたりするので必須ですが、無給で30分業務時間外に行われます。年間平日200日程度あるのでざっと計算しても100時間は無給で働いています。私もいい年代ですので後輩たちの指導や患者様の治療方針決定のため積極的に発言したりしますが、やはり雇われ労働者ですのでそういったところが常に引っかかっていて嫌な気分に時折なります。また、夕方のカンファランスも上司の手があく時間まで待って開催されるので、ほぼ時間外になります。17時からとか18時からなどです。夕方のカンファランスの回数を減らすとか、時間内にしっかり終わるように始めるとか、当たり前のことを私から上司に提言したりしましたが、なかなか改善しませんでした。
 次に、病院の経営や事務作業を進めるための部署会議がなぜ苦痛か考察しました。やはり一つ目は時間外から始まることです。例えば内科医連絡会など月一回ありますが、何十人もいる内科医を集めて時間外労働させているのは非常に経営上良くないと思いますし、私のような名ばかり管理職には手当もつきません。まさに人生の無駄です。これなら決まったことなどをメールで教えてくれればいいだけといつも思っています。従って苦痛なのだと思いました。もう少し年代が上がって病院経営に口出しするようになったり、発言力が強まってきたりすると、こういった会議が自分も楽しくなるのでしょうか?でも上記のカンファランスも必須と考えているにも関わらず、色々考えるところがあって、あまり好きになれないので、やはり私はいつまでたっても部署会議の類は好きになれないであろうと感じています。
 以上まとめると、①時間外に②無給で③数多くの会議があると自分は会議が苦痛になるのだとわかりました。つまり逆を返せば時間内に会議をちょっとだけやれば私にとってはいいのだと理解できました。
 人生は時間そのものと見聞きすることがあります。私もまさにそうであると思います。無駄な会議に30分座っていることは自分の人生が30分それで減ってしまったのと同義です。それを考えると涙が出るほど悔しくなります。この悔しさから抜け出す方法は、今働いている職場の業務内容を改善すること、ないしは転職して会議が少ないところで働くことだと思います。私の個人的な見解では私より若手の20代30代はもっと会議が嫌いです。会議で人生を削られる職場には優秀な人材は残らないと思います。私は今後もできるだけ職場の会議が少なくなるような活動を続けていき、働きやすい環境を自分の周囲に作っていければと考えています。

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