コラム 27  看護のプロ

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 日本の医療現場でも当然患者さんの高齢化が進んでいます。肺炎や胃腸炎、脳梗塞や心不全などで入院した患者さんは集中治療室も含めて24時間体制で看護師が患者さんの状態を見守っています。もちろんカテーテル治療や内視鏡治療、外科手術などは医師が直接医療行為を行い、患者さんを治療しますが、その際にも看護師が術前術後の経過観察を行います。
 何が言いたいかというと、大半の入院患者さんの治療は看護師が担っていると私自身思っているわけです。例えば、医者は一日一回か二回、入院患者さんのベッドサイドに足を運び診察をします。そして電子カルテをチェックしながら患者さんの採血結果や症状などを元に『治療の方法』を頭の中で考え指示を出すだけです。それに対して看護師は実際に点滴を用意し患者さんに使うとか、飲み薬をちゃんと飲めているかどうか目の前で確認するとか、床ずれができないように患者さんの向きを変えるとか、食事がむせこんでないかどうかどれくらい食欲があるのか見るとか、不眠を訴える人に寄り添って話を聞くとか、車椅子に患者さんを乗せ替えてトイレに連れていくとか、排泄の処理をするとか、医者に対する文句を受け止めるとか、、、24時間入院患者さんと接し、全身状態を良くして退院させる役割のプロです。私は医師と看護師はそれぞれ、患者の治療を考えるプロと、患者に実際に看護を行い病気を治すプロだと思っています。
 日本の医療現場ではなんとなく医師が看護師よりも立場が上のような雰囲気?があります。それはもちろん医師が傲慢であるからかも知れません。しかし看護師も「医療行為の責任は全て医師にある」という考えのもと、医師の指示通りしか医療行為を行わず、看護のプロとしての意見を医療に反映させていない場面も見かけます。看護師も医療のプロとして医師と同等の立場であることを意識し、医師にその立場からアドバイスや問題提起を行って行けるようになればいいと考えています。

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