親父殿 VS 鏡

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ある日のAM5:00。。。
それは突然やってきた。

2Fの洗面所でだれかとしゃべっている親父殿の声で目を覚ますわたし。。。

聞き耳をたてると「あっちに行け!」「そっちに逃げないで出てこい!」と怒鳴っている。
起きていくと「悪いやつがいる!」興奮気味。

親父殿が指さす相手は洗面台の鏡に映った自分自身。

これは鏡で自分が映っているんだよ、といっても「そんなのわからない」と。
鏡に映ったわたしのことはわたしと認識しているのだけど、自分のことは知らないクソじじいだと。

それ、自分のことだよ?

話を聞くと、「いつも家の中にいてオレと同じ服を着て馬鹿にしてくる」「サッと家の外に逃げていく」。
だからアタマにくるんだと興奮はおさまらない。

わたしがどんなに説明してもまったく理解できず、寝不足の私も感情が抑え切れず爆発。。。
そのまま怒鳴り合いに発展。ムカついたのでとりあえず無視してベッドに戻った。

ベッドの上で思い返してみるとちょっと前から親父殿の寝室にある鏡台を指さして「人がいる」といっていたり、リビングのテレビを指さして「向こうの部屋にいきたい」と言っていたな、と。

なにを言っているのかと気にしていなかったが、そのときすでに鏡やテレビに反射した自分のことを認識できなくなりはじめていたのか。。。

まだ明け方だが仕方ない。起きて洗面台の鏡と親父殿の寝室の鏡台を新聞紙で隠した。
とりえあずこれでなんとかなるだろう。

そう思っていた。このときは。。。


そしてそいつはわたしの休日を台無しにしにやってきた。
PM2:00。

風呂場から親父殿の怒鳴り声。そしてバンバンとなにかを叩く音。。。
びっくりして風呂場に駆けつけると、風呂場の鏡をバンバンと叩きながら「お前なにしてるんだ!」と怒鳴っている。

そうだ。洗面台だけでなく風呂場の中にも鏡はあるのだ。

とりあえず親父殿を風呂からあげて考える。。。
そうだ、スーパービバホームに行ってみよう。あそこならなにか解決策があるはずだ。

あてもなくぶらぶら店内を回りながらどう対策すればいいかいろいろ見て回る。
新聞紙は濡れてしまうし、ビニールシートは大きすぎる。

そして急に思い出した。
あ、そうだ!大型台風が来た時に念のためマスカーテープを買ってあったじゃないか!!

スーパービバホームでなにも買わずに家に戻り、マスカーテープ引っ張り出す。

それを風呂場の鏡へ貼ってみると、ぴったりしっくり。
親父殿に見せても問題なさそうだった。

勢いにまかせ親父殿の寝室にある母の形見の鏡台にもマスカーテープを貼った。
なんかごめん。

そうしてまたつかの間の平穏が訪れたのだ。。。
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