普通に接していてもいつの間にかトラブルに陥っていたり
物事の考え方に大きな齟齬を感じ不安になったり。
どうしていつも平和に過ごせないのだろう?
どうしていつも困難に陥るのだろう?
私の接し方が悪かったのかな?
ひとりそう考えて自分を追いつめてしまいがちなあなた。
そんな相手はもしかするとサイコパスかもしれません。
1/ 人を客観視出来ない
2/ 相手の気持ちを推測出来ない
3/ 人の気持ちに寄り添えない
4/ 人や状況に対しての共感性が皆無
5/ 物事の中心には常に自分
6/ 他者や物事への関心の無さ
7/ 倫理観に欠けた思考
8/ 己の利害を優先する故に冷淡冷酷な感情
このようなタイプの人は
一般的にサイコパスと定義されます。
基本的にサイコパスと呼ばれるものは
良心を持たず責任感が皆無であり
嘘をつくことに逡巡のない人間といった
特殊な特徴を持つ反社会性人格を意味しますが
実はこれがサイコパスの本質ではありません。
前述したサイコパスを定義すると
凶悪な犯罪者である印象がありますが
実はそれ以外にサイコパスと呼ばれる人格が
多くみられる職業があるのです。
それは自営業者・CEO・宗教家・学者・医師・弁護士
という専門職や経営者などに多く見られる特徴です。
しかし彼らは必ずしも反社会的な人間ではありません。
サイコパスの特徴と本質とは分けて考えるべきなのです。
■サイコパスの本質とは
サイコパスの本質をひも解いて見える定義はひとつ
それは「他者への興味関心がない」ことに尽きます。
言い換えると前述した定義の一つである
「共感性の欠如」と同義であるといえます。
自分以外の他者がどうなろうとも
興味や関心が全くないのです。
故に保身のためには罪悪感なく嘘を付けますし
他者がどうなろうと自分には無関係と考えるため
まるで責任感がないように見えるのです。
サイコパスにとっては嘘や誤魔化しや無関心も
目的を達成するための一つの手段に過ぎません。
他者に対してただ無関心なだけであり
無意味に嘘をついたり
人を傷つけたりする訳ではないのです。
嘘を付かれたほうは
「意味のない嘘」と感じてしまうだけであり
サイコパスにとっては意義のある嘘なのです。
■他者に興味関心を持つことの重要性
「他者の気持ちを理解する」
という能力をひも解いてみると
それは三大要素が存在することが分かります。
それは
「他者への関心」
「他者への共感」
「他者の気持ちの推測」
この三大要素に分けられるのです。
この三大要素を一つ一つ以下に解説していきます。
■他者への関心
「関心」は言葉の意味の通り
相手の気持ちに興味があるかどうか
ということに尽きます。
一般的に人は相手の気持ちに関心を持ち
相手との距離を測り平和を目指すものなのですが
サイコパスの場合は他者の気持ちに無関心なのです。
もちろん0か100かという極端なものではなく
程度問題であることだとは言えますが
この能力が極端に低い場合は
独善的に振る舞ったり
他者の気持ちを推し量れないため
人間関係にトラブルが生じやすくなります。
しかし独善的に振る舞えるということは
その一方では「カリスマ性」とも言えるため
リーダー性が求められる仕事や専門職など
前述した職業に就いている人などは
他者への関心の無さが逆に武器となるのです。
もうひとつ付け加えると
他者の気持ちに関心がなく独善的なことから
ストレスから鬱などの精神疾患とは
無縁な傾向であるとも言えるでしょう。
但しこの能力が高い人で
他者との関係性を必要以上に重要視する場合は
妬みや恨みという意識が潜在的にあることもあります。
以上をまとめると
☆関心が高い人の特徴
・人の好き嫌いが明確に分かれる
・集団行動を好み、単独は不安となる
・自分の意見は表に出さず押し殺す
☆関心が低い人の特徴
・カリスマ性と行動力
・独善的であり常に主体
・冷静冷淡で且つ合理的な思考
■他者への共感
「共感」とは言葉の通り
相手の気持ちを自分に置き換えて
我が事のように捉える能力を指します。
一般的にこの能力が高い人を
昨今では「コミュ力」が高いと言います。
但しここで注意が必要なのは
この能力が高い人が必ずしも
「他者の気持ちを察する」事と
同列ではないという点です。
感涙系の映画を観て涙する人や
スポーツ観戦で懸命に応援する人は
普通共感力が高いと定義されるものでしょう。
しかしながら
「自分がその状況に置かれた時にどう感じるか」
といったように
主体に置いて考える力があるだけであり
相手がどう感じているのかと客体に置いて
考えている訳ではないということに
注意をして捉える必要があります。
他者が映画に感動して涙していても
自分が感動するに値しない映画だと捉えた時
他者が何故泣いているのかを察することは出来ず
泣いていること自体を頭から否定するのが
サイコパスの最たる特徴です。
以上をまとめると
☆共感が高い人の特徴
・映画などを観て泣く
・心霊等の怖い話が実は好き(共感性が低い人は怖い話に動じない)
・コミュニケーション能力が高い
☆共感が低い人の特徴
・映画や物語で涙を流さない
・相手の意見は否定から入る(本人は建設的だと思っている)
・割り切った考え方をする(本人は合理的だと思っている)
■他者の気持ちを推測する
「推測」とは言葉の通り
相手の性格やその時の状況から
相手の気持ちを推測する能力のことを指します。
この能力はある意味
最も他者の気持ちを考えるという
コミュニケーションの本質に近いと言えます。
しかしこの能力が備わっていたとしても
相手の気持ちを正確に推測する事は
どのような人間でも困難でしょう。
ある程度までは推測も可能でしょうけれど
現実世界での人の思考は実に複雑です。
そのため共感力から感情があふれ出て
泣いたり笑ったり出来る人のほうが
遥かに相手からの信頼を得られるのです。
以上をまとめると
☆推測が高い人の特徴
・慎重且つ論理的な思考
・段階を経て相手の気持ちにたどり着く
・分かっていても回り道をすることが多い
☆推測が低い人の特徴
・無頓着であり雑と感じることが多い
・コミュニケーションは感覚
・直観的で反応だけは早い
■サイコパスは人格です
サイコパスという名称や精神病質と聞いてしまうと
とかく深刻な精神疾患であると捉えたり
悪質な人間であると思いがちではないでしょうか。
しかしひとえにサイコパスとは言えども
その人間のひとつの性質であるということを
間違えて捉えてはならないということです。
精神科領域では確定診断と診療名目のために
サイコパスという病名をつけることはありますが
あくまでそれはその人間の「性質」であるだけなのです。
人それぞれに多様な性質があるように
サイコパスという性質というものであり
確定診断やチェックリストに当てはまるからといって
それが「治る」可能性があるとは思わないことが肝要です。
その性質を他者がどう捉えて接し方をどう考えるのか
他者が関われるのはここまでであり
サイコパスを改善させようとすることは
却って過干渉であることを知ることです。
本人自身がサイコパスであることを正しく理解し
過去をどう内省し今後の人生に繋げていくのか
これは本人が進んで意識し改善するより他ありません。
サイコパスも所詮ひとつの人格であり性質なのです。
但し上に挙げたサイコパスの見解は
あくまで性質として片付けられる範疇のみに限られ
ここに「自傷他害行為」が加われば話は別となります。
「自傷他害行為」が加わってくる場合は
性質を器質として精神的な滞りに発展し
反応性の精神障害を引き起こしている可能性があります。
この場合のサイコパスは疾患として
治療対応が必要になる場合があるため要注意です。
☆サイコパシー・チェックリスト(PCL-R準拠)
1/ 口達者で才能豊か、表面的な魅力があり一見人気がある
2/ 放逸で開放的な性行動、不倫浮気に対して罪悪感がない
3/ 大的で傲慢な程の自己価値観の高さ
4/ 幼少期の問題行動、衝動性があり奔放な性質
5/ 刺激のあることを好み、平凡なことはすぐに退屈する、興味のないことへ長く気を置けない
6/ 現実的・長期的な目標の欠如、後に問題になることを考慮せず場当たり的な行動
7/ 自己保身のための病的な虚言、すぐにバレる嘘やごまかしが多い
8/ 衝動的、直感を重要視する
9/ 己の利のために人を偽り騙す傾向、欲のために人心を操作することに長けている
10/ 自ら起こした行動に対して無責任、利がないことからは目を逸らす
11/ 良心の呵責がない、罪悪感が欠如している、欲の為に起こす行動で周りが悲しむ事に思いを馳せられない
12/ 浅はかで冷淡な感情、他者を平気で切り捨てる薄情さ
13/ 事ある事に繰り返される浮気や不倫、欲の為に愛人関係を多く持つ
14/ 冷酷な感情、他者の考えや感情に共感性を持てない
15/ 少年非行のある生育歴
16/ 親や親族や自分を慕う人間を上手く操作し、生活を依存する
17/ 過去に犯罪歴、違反歴を数多く持つ
18/ 衝動的な行動のコントロールが困難
19/ 多種多様な犯罪歴を持つ