「作業」と「仕事」の違いって明確に定義されていますでしょうか。
ここにおける「作業」の定義は、コンサルタントとしてよくあるリサーチやエクセルでの分析、パワーポイントを活用したスライド作成を指しています。
僕の経験から、「作業」を仕事と捉えているとビジネスパーソンとしての成長は限定的になると考えています。
毎日忙しいと遅くまで作業にひたすら没頭しているスタッフを見ると、ついつい強めに叱ることもあります。
クライアントが満足するバリューを出すためには、作業でなく、間違いなく「仕事」に時間をかけるべきです。
今回、「仕事の捉え方」について解説したいと思います。
作業と仕事の違い
時間は有限です。
限られた時間で成果を効率良く出していくためには、課題を特定してどのように解消していくのか、これがビジネスの本質です。
どの業種や業態においても、この根っこの部分は変わらないと思います。
成果として見えやすい「作業」は時間をかければそれなりに仕上がると思います。
作業が形になると自己満足度は高まると思いますが、相手にとってどういう価値があるのか、ここが抜け落ちていると全く価値を生みません。
作業に時間を当てることが良くないと言っているわけではなく、そもそも相手にとって何が必要なのか、考えを深めた上で作業をするべきです。
作業に時間を取られ、考える時間が取れなくなっていることが非常に多く、時間の使い方を見直しすることが重要ではないでしょうか。
相手のロジックに合わせて、課題を見極めていくため、抽象度が高く答えが見えにくいと思います。
そのため、考えることを後回しにせざるを得ない状況があることも分からなくはありません。
ただ、初期的な仮説でも妄想を膨らませて、どうやったら相手にとって価値を提供できるのか、真正面からしっかりと受け止める必要があります。
バリューを出す方向性を見極める「仕事」の時間を取れなければ本末転倒です。
「作業」は決められたことを正確に進めること
そもそも、作業自体にはバリューはないと考えています。
圧倒的な作業量で相手の驚きを醸成することは少なからずあるかもしれませんが、本質的ではないです。
作業は、決められたこと、決められた期日までに、高い品質でアウトプットを作成していくこと、が理想形です。
ただ、何度も繰り返しますが本質でない「作業」が多く大変な場合は、アウトソースすることや効率化することを考えていくべきです。
多少、作業が追いつかなかったり、品質がそこそこであっても根本的なところがズレていなければ誤差の範囲だと思います。
また、本質を相手に伝えるための道具として、作業が位置付けられるとも考えています。
言葉・プレゼンテーションで伝えにくいものについては、ビジュアル的にわかりやすいスライドを用意する、そのための作業を進めると言った感覚です。
何が本質なのか、考えた上で取捨選択してプライオリティ付けをすることも必要になってくるかと思います。
どのようにすれば質を落とさず作業を楽にできるか、本質と向き合ってみてはいかがでしょうか。
「仕事」はクリエイティブな想像力を働かせること
仕事はクリエイティブであると考えています。
複雑化・高度化した課題に対して、どのような答えを出せば満足いく成果になるのか。
様々な利害関係者の想いが錯綜する中で、どういうプロセスを踏んだら一体感が醸成できるのか。
限られた時間軸の中でどういったマイルストーンを設定して、それまでにどの論点を検討すべきか。
アウトプットから逆算したり、足元で入り組んだ組織力学を調整したり、と画一的な進め方がないです。
担当者の性格やキャラクターによっても、アプローチを変えていく必要があるべきと考えます。
答えのないものに対して答えを見つけにいく、非常にクリエイティブで想像力を働かせることが仕事ではないでしょうか。
また、企業・組織は生き物なので常に状況は変わると考えられます。
変化する状況に応じて、スムーズに調整していくことも求められ、情報感度を高く持ちながら、常時アップデートすることが必要と考えます。
これら色々と妄想を膨らませて考えを巡らせていると、かなり頭が疲れると思います。
感覚的に、仕事は一日3時間が限界で、その日の気分や体調によって集中できる時間帯も変わるように感じます。
一日のラップアップをその日の仕事の終了時に軽くまとめておいて、次の日の朝一のスッキリした頭の状態で考える時間に充てることが個人的には一番効率的・効果的だと感じていますが、人それぞれのやり方があるとは思います。
まとめ
仕事はクリエイティブで面白いです。
仕事は自分一人ではできません。
相手とのコミュニケーションを通して、悩みを特定して、解決策を想像しながら作り上げていくこと。
さらには、期待値を超えていくことで仕事の成果に繋がります。
状況によってはアプローチの方法も変える必要があり、必ずしも画一的な進め方があるとは限りません。
都度、オーダーメイドで想像力をかき立てながら作り上げ、状況に応じてアップデートさせる調整力も必要です。
とはいえ、相手が満足すれば仕事は成功です。10人いれば10通りのやり方があることが仕事の醍醐味だと考えます。
まずは、周りのうまいやり方をどんどん吸収して、真似をすることは良いと思います。
ただ、参考にしながらオリジナリティを発揮できると自分のやり方で仕事を進められ、仕事が楽しくなると思います。
自分中心に仕事が進み出す、この感覚が重要だと考えています。