一流と二流

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一流と二流をわけるものは何だろうか。一流と二流にそこまで大きな違いはないのだろうが、実際に世に出てみるとわずかな差が大きな価値の違いとなって評価されていることに気づかされる。

よく、一番とそれ以外についての話がある。日本で一番高い山は何かと聞かれたら、だれでも富士山と答えることができる。しかし、二番目、三番目に高い山と聞かれて答えられる人はほとんどいない。富士山が3776mで、調べてみると二番目の北岳は3193m、三番目は奥穂高岳で3190mだ。富士山はその姿かたちも美しいから日本人はよく知っている。

これが人間となるとどうだろうか。オリンピックの金メダリストと銀メダリストの違いはどうだろうか。メダリストというくくりになると、その3人は有名かもしれない。しかし、そこから漏れた4位以下の選手たちとはどれだけの差があるのだろうか。

さらにこれがレストランやホテルといったサービス分野に入ってくるとその違いが徐々に不鮮明になってくる。ミシュランガイドで乗っている三ツ星レストランと乗っていないレストランで味にそこまで大きな差がつくのだろうか。一皿で数千円とる高級レストランと近所の洋食レストランで食べる一皿1000円の味は数倍も違いがあるのだろうか。高級ホテルで1泊十数万円の部屋と一泊2~3万円の少しラグジュアリーなホテルでは、数倍のサービスレベルの違いがあるのだろうか。

こういったことを考えると、その金額の差ほどの差があるようには、厳密には思えない。しかし、そういった価値の設定を受け入れる人が多いからこそ、その金額でも予約が絶えない状態が作られることになる。逆に値段が高くて予約が取れないほどさらに人気が出てきてしまうから面白い。

一流と二流というのはこれほど深い溝がその間にはあるようだ。

では、その差は何から生まれるのだろうか。自分で何かをするのであれば、二流よりも一流でいたいと思うのが自然ではないかと思う。一流になるために何が必要であるかがわからなければ、そこに至ることはできないだろう。

まずは、そもそも一流というはどういうことであるかを考えてみると良いだろう。実際に辞書などで一流という言葉を調べてみるといくつかの意味があることがわかる。
1 その分野での第一等の地位。第一級。
2 他とは違う独特の流儀。
3 芸道などの一つの流派。
4 (「一旒」とも書く)旗やのぼりの1本。ひとながれ。
5 同族。血統を同じくするもの。
ここの主だったものを5つ記載をしたが、ここで気づくのは、その分野で第一等、第一級の地位ということと、他とは違う独特の流儀ということが同じ言葉に集約されているということだ。

SMAPの「世界で一つだけの花」の歌詞にあった、「ナンバーワンにならくても良い、もともと特別なオンリーワン」というフレーズは、実はともに一流を目指す方向性であったから、そんなぬるいものでは実はなかったようだ。

さて、ここからわかるように一流を目指す際にまず考えるべきことは、オンリーワンであるということだ。競合の多い分野で一番を目指すことも確かに大事だろうが、それこそそこに至るのは至難の業である。だからこそ称賛されるべきことであるだろう。しかし、一流を目指すうえで、まず考えるべきは、オンリーワンの分野を切り開くということだ。

オンリーワンであれば、自分しかいないわけだから、まさにその分野での一流の人間になれるということでもある。ただし、その分野を周囲がある程度認めていなければ、ただ自分で言っているだけになってしまう。例えば「マツコの知らない世界」という番組で取り上げられている人たちがいる。例えば「あんみつ」「あんこ」「おはぎ」といった同じように見える分野に、それぞれ特化して知識を深めている人たちが登場する。こういう人たちは、この分野で一流とみなされているからこそテレビ番組に呼ばれるわけだ。

人が知っているものでも、そこに特化して知識を深めたり技術を身が行くことこそが、一流の始まりということになる。そこにほかの人が関心をあまり持たなかったり、気づいていないということであれば、一流になるための努力が実りやすいといえるだろう。

一流になるための時間と労力は惜しんではならないが、どの分野に特化するのかということで、自分の評価を高める結果を手に入れられるかの難易度は変わってくるだろう。それを考えてみるのも面白い。

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