ミッションステートメント

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ビジネス・マーケティング
人生に目的が必要かどうかという議論がある。ミッションステートメントと言って、人生の目的を明文化することは、企業の経営理念と同様に重要なことだと書いてある本が多く見受けられる。果たして、人生の目的、ミッションステートメントの作成といったことは、ほんとうに重要なんだろうか。

人生の目的というのは、考えてみると難しい問題だ。生物学的に言えば、生存することが目的であり、現在生き残っている人間をはじめとしたさまざまな種は、今の環境に適応した結果に過ぎないというのは進化論的な考え方だ。

しかし、我々人間は、多くは単に生き残るということは、考えなくてもできている状態になってしまった。そのため人間は余計なことを考えるということができるようになった。いろいろなことについて考えることができるから、余計なことをあれこれ考えるようになっている。そして、生き残るなんて言うのは、考える必要がなくなってしまったから、単に生き残るためというが目的というのは、おかしいだろうと考えるようになってしまった

われわれ人間が思索にふけるという状態を確保できたのは、穀物を栽培してからだと言われている。もっと言えば、奴隷を使って自分が働かなくても食っていける状態を作れたギリシア時代からと考えられている。まさにギリシア哲学が生まれたわけだ。

人間が単に食べていく以外でいろいろ考えることができるというのは、良いことなんだろうと思う。だから、いろいろな文化が生まれ、科学技術が発展したわけだろう。いろいろ考えることは良いことだろうが、その中で、人生の目的というものについて、考える必要はあるのだろうか。

人生の目的というのは、どういうことを示しているのだろう。自分が生きていく方向性を明確にしたいということなのだろうか。仕事をする上で、どんな職業、職種を選ぶのかという判断を明確にするために必要なのだろうか。そして、その目的は、公的なものであるべきであるのだろうか、私的なものであるべきであろうか。いろいろな考え方がある。

結論から言えば、好きにすればよい。楠木健さんがそういう本を書いていた気がするが、どういう人生を送るかは、人にとやかく言われる必要はない。もちろん公的な目的を持っていた方が周りから共感される可能性は高いから、大きなことをすることができるかもしれない。しかし、私利私欲であったからと言って、それが悪いわけではない。確かに現代社会の多くは法治国家出るから、いくら私利私欲といっても法に反することはしない方が良いが、これも実際は、法すら変えてやるんだというアナーキズムにはしたって良いわけだ。

実際に、公海上に国だと宣言して油田基地かなんかを占拠している人たちもいると聞いたことがあるし、「沈黙の艦隊」という漫画で、潜水艦を国家と認めさせるといったテーマ設定でベストセラーとなっていたから、受け入れられる方法はあるのだろう。

ただ、私利私欲では本人自身がよっぽど情熱と行動力がないと完遂はしにくいし、共感されないから敵だらけになる可能性は高いから、相当の覚悟はいるだろうと思う。まあ、単に好きに暮らせればよいという目的であれば難しくはないだろうが。

人生の目的、なんて大げさなことを言ってしまうから難しくなるが、単にどう生きたいかというに過ぎない。そのために何を目指していきましょうか、ということを軽く考えておけばよい。そのうち社会に貢献したいとか、日本を良くしたいといった視点が高い目的を持つようになるかもしれない。そうなれば、そうなったで、目的は変えればよい。

目的というものは、自分自身のステージによって変わっていくものだろうと思う。地位が上がり視点が上がることで、目的も昇華される。だから人生の目的を考えるときは、今の感情を大事にして考えればよいだろう。

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